2009年4月に耳の不自由な女性=当時(36)=が列車にはねられて亡くなるなど事故が続く福山市御幸町のJR福塩線小境踏切に、JR西日本岡山支社は12月、警報機と遮断機を設ける。広島県内には遮断機のない踏切が目立ち、障害者団体は改善を求めている。
小境踏切は福塩線道上―万能倉間にあり、警報機も遮断機もない「第4種踏切」。幅約1・5メートルで歩行者と自転車が通る。福山北署の調べでは、女性は自転車で渡る際、事故にあった。警笛にも気付かなかったとみられる。
同踏切では、03年3月にも近くの耳の不自由な男性=当時(89)=が歩いて横断中に列車にはねられ死亡した。岡山支社は事故後、現場に一時停止を呼び掛けるのぼりや注意灯を設けたが、悲劇は繰り返された。
岡山支社によると3月末現在、福塩線福山―府中間に第4種踏切が8カ所、警報機のみの第3種は8カ所ある。3、4種は岡山支社管内で計171、同広島支社管内も計341カ所。両支社は毎年約10カ所ずつ遮断機や警報機を新設している。岡山支社は「4種の改善には約3千万円かかる。費用面から今の設置ペースが限界だ」と説明する。
【写真説明】昨年4月に死亡事故が起きた小境踏切。12月に警報機と遮断機の設置される
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