今月1日に交代予定だった広島商工会議所(広島市中区)の次期会頭の選考作業が長期化している。選考委員会は主要企業数社に会頭の輩出を打診したが、いずれも難色を示された。同商議所は広島の経済界をリードする立場にあるが、政策を決める常議員会を開けない異常事態が続いており、懸念の声も上がっている。
大田哲哉会頭が体調不良により、任期の10月末での退任を表明した9月末以降、各部会長たち11人でつくる選考委員会(杉原昭三委員長)は会合を10回程度開催。候補者の絞り込みを目指してきた。
地元で「御三家」と呼ばれる広島銀行(広島市中区)中国電力(同)マツダに非公式に打診をしてきたが、応諾は得られてないという。
関係者によると、3社は「会頭職を受ける準備ができていなかったり、引き受けられない事情を抱えたりしている」という。3社以外も視野に入れているとみられるが、会頭を輩出する企業は一定の資金負担も必要とされ、今のところ有力候補は浮上していない。
大田会頭の退任表明が予想外で、委員たちの思いが一致する候補がいないままの選考となったことも響いている。
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