JR三江線に21日、車内での神楽上演など趣向を凝らした貸し切り列車が走った。三江線に乗る観光ツアーのニーズを探るため、同線活性化協議会が初めて企画。旅行業者ら約40人が体験乗車し、意見を交わした。
通路に畳を敷いた「簡易お座敷」列車に三次から乗り、江の川や紅葉を眺めながら石見川本へ。鉄橋上などで徐行する特別ダイヤで、地上21メートルの「天空の駅」として有名な宇都井駅(島根県邑南町)では10分停車し、眼下の山里の眺めを楽しんだ。
沿線市町の職員が交代でマイクを握り、同線の歴史や沿線の名所を解説。千原神楽団(美郷町)は、揺れる車内で石見神楽の「えびす」を演じ、盛んな拍手を浴びた。
東京や大阪の旅行会社の企画担当者は「神楽列車は客を呼べる。現地手配を担ってくれる交渉窓口をつくって」「列車貸し切りは集客面でリスクがあるので、JRの企画に参加する形がいい」などと話していた。
【写真説明】列車内で披露された石見神楽
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