2010.11.22 05:00
09年に新球場が完成。史上最高の187万人が球場に足を運んだ。前年比35%アップ。まさに、新球場ブームが起きた。結果、08年の約2億円の利益計上に続き、09年は約4億円の利益が出た。観客が増えれば、増収増益が実現することをカープの経営者は体験できた。
ところが、10年の観客動員は160万人。前年比15%ダウン。早くも新球場ブームに陰りが出てきた。だから、手をこまねくと、「元の木阿弥」に戻ることは確実だ。
過去に失敗例がある。東京ドーム完成時、ジャイアンツ同様ファイターズの観客も大幅に上昇した。だが、ファイターズはチームの人気上昇と勘違いし、その間に戦力強化を怠った。ドームブームの終了後、観客が激減した。ファイターズの札幌移転はそこからスタートしている。
カープの場合、幸いなことに、10年も利益が確保できそうだ。ある程度の蓄えができており、少しの投資も可能になった。
新球場ブームに依存しないで観客動員力を維持するには、カープが優勝争いに参加することに尽きる。戦力強化は緊急を要し、即戦力の確保は最優先である。だから、FA選手獲得なのだ。その意味で、カープに加入するFA選手(たち)に広島市民がかける期待はとてつもなく大きいに違いない。