2010年11月26日3時0分
各地の朝鮮学校(高校段階)の校長でつくる「全国朝鮮高級学校校長会」(会長=慎吉雄(シン・ギルン)・東京朝鮮中高級学校長)は25日、教科書記述の変更を検討していることを明らかにした。朝鮮学校に高校無償化制度が適用された場合、文部科学省が出す予定の教育内容改善要求に対応する姿勢を示したものだ。3年後に教科書を改訂する際に記述を改めるといい、どう改めるかは今後検討するとしている。
校長会は同日、朝鮮学校の生徒の保護者団体などと東京都内で記者会見。北朝鮮による砲撃を理由に、政府が朝鮮学校への制度適用手続きを停止したことに対し、「生徒と朝鮮半島の事態は関係ない」と抗議する声明を出した。
そのうえで校長会は、教科書の記述を再検討する方針を明らかにした。ある学校関係者は「歴史的評価の定まっていない現代の出来事については、教科書から外すことも選択肢の一つだ」と語った。
朝鮮学校の教科書をめぐっては、大韓航空機爆破事件や拉致問題に関する記述などに批判がある。慎会長は「誤解を与えるような記述があるならば、理解を得られるものになっていくと思う」と語った。
一方で慎会長は「個人的見解」としたうえで、文科省側が「改善」の例として挙げている日本の「政治経済」の教科書の使用や、拉致問題を取り上げたアニメのDVDの使用は「考えていない」と述べた。(秋山千佳、青池学)