北安曇郡白馬村の和田野区長に、英国スコットランド出身のロッジ経営ダン・マットさん(32)が就任した。同区は村内に29ある行政区の1つで、区長に外国人が就くのは同村で初めて。下伊那郡大鹿村でも英国出身の男性が自治会長を務めている例があるが、県人権・男女共同参画課は「地域の自治組織の長に外国人がなるのは珍しいのではないか」としている。
マットさんは、10年ほど前に旅行で来日したことをきっかけに日本に住み始めた。白馬村や松本市、北安曇郡松川村、東京で英語教師などをして暮らし、冬になると白馬村でスノーボードを楽しんできたという。「変化のある四季が特に好き。森もいっぱいあって気持ち良い」と白馬の魅力を話す。
3年前から和田野でロッジを開業し、地区内の行事や作業などにも積極的に参加。区の景観育成住民協定を見直す委員会にも加わり、「和田野の将来を共に考えられる人」(区民)との評価も受けている。8日夜にあった区の総会で、区民の推薦を受けて区長に選ばれた。任期は1年。
八方尾根スキー場のふもとにある同区は、ペンションなどを営む外国人が増え、約60の宿泊施設のうち約2割は移住者が経営。前区長の岡田久子さん(63)は「区民に外国人が増えているということもあるが、それ以上にマットさんはここに住んで地域づくりをしている人。だから選ばれたと思う」と話す。
同区ではオーストラリア資本によるコンドミニアム(分譲マンション)の計画も浮上している。マットさんは「住民の意見を聞き、一緒になって和田野の方向を決めていきたい」と意気込んでいる。
(提供:信濃毎日新聞)