宮城県石巻市で2月に起きた3人殺傷事件で、殺人や未成年者略取などの罪に問われた同市の元解体作業員の少年(19)の仙台地裁(鈴木信行裁判長)裁判員裁判は17日、元交際相手の女性(18)が証人として出廷し「極刑を望みます」と声を震わせた。
女性は「(少年は)人間を人間と思っていない。(殺害された)姉と友人を返してほしい」と泣きながら訴えた。08年8月ごろに交際を始めた直後から繰り返し暴行を受けたと証言。事件直前の10年2月6日に少年の元から逃げた理由を「殺されると思った」と述べた。
女性が少年と顔を合わせずに済むよう、尋問の際に地裁はついたてを設置。証人尋問後は、検察官らが母親の調書や少年鑑別所の所見などを朗読した。
検察側冒頭陳述によると、少年は女性に復縁を迫り、反対する女性の姉らを殺傷、女性を連れ去ったとされる。公判では、女性への略取や傷害罪は「無理やり連れ去っていない」などと否認。3人殺傷の起訴内容はほぼ認めている。【須藤唯哉、比嘉洋】
毎日新聞 2010年11月18日 東京朝刊