2010年9月28日 20時8分 更新:9月28日 20時46分
保護責任者遺棄致死罪などに問われた元俳優、押尾学被告(32)に対し、「致死」罪の成立を認めず保護責任者遺棄罪などで懲役2年6月の実刑とした裁判員裁判の東京地裁判決(17日)について東京地検は28日、控訴を見送る方針を決めた。控訴期限の10月1日までに正式決定する。
検察側は懲役6年を求刑していた。弁護側は既に控訴しているが、これにより刑事訴訟法の規定で控訴審判決が被告に不利に変更されることはなくなる。致死罪を認定しないことが確定する。
押尾被告は、一緒に合成麻薬MDMAを服用し容体が急変した女性に適切な救命措置を施さず、死なせたとして起訴された。判決は「被告が119番すれば被害者を確実に救命できたかどうか、専門家でも見解が分かれている」と判断した。
検察側は、控訴審では新たな証拠提出が大幅に制限され、救命可能性以外の争点は主張がほぼ認められたことなどから、控訴しない方針を決めた模様だ。
一方、東京地裁は28日、弁護側から22日付で出された保釈請求を却下する決定を出した。【伊藤直孝】