男性2人を殺害して遺体を横浜港に遺棄したとして、裁判員裁判で初めて今月16日に死刑判決を言い渡された被告の男が、接見した弁護士に控訴する意向はないと伝えていたことがわかりました。弁護団では、男に控訴するよう説得を続けることにしています。
住所不定、無職の池田容之被告(32)は、去年6月、男性2人を電動のこぎりなどを使って殺害し遺体を横浜港に遺棄して現金1300万円余りを奪ったなどとして強盗殺人などの罪に問われ、今月16日、裁判員裁判で初めて死刑の判決を言い渡されました。池田被告の弁護士によりますと、今月22日の午後、およそ2時間にわたって接見した際、池田被告は「裁判は被害者の遺族のためにできるかぎり真実を明らかにするためのものだった。自分としても精いっぱい事実を伝える努力をし、十分に伝えられたと思う」と述べたということです。そのうえで、「心から事件と向き合って考えを深めており、控訴をすることは遺族の意向を傷つけることにもつながるおそれがあると思っている」と述べて、控訴しない意向を伝えたということです。弁護団では、今月30日の期限までに控訴するよう池田被告の説得を続けることにしています。この裁判では、裁判長が判決のあとに「裁判所として控訴することを勧めたい」と異例のことばを付け加えていました。