NHK滋賀県のニュース　大津放送局

タンク殺人で無期懲役を求刑

去年、米原市で汚泥のタンクから女性が遺体で見つかった事件の裁判員裁判で検察は殺人の罪に問われている被告の男に「交際相手をめった打ちにした上にタンクに落とした残忍で非道な犯行だ」として無期懲役を求刑しました。
この事件は去年６月、米原市伊吹の汚泥をためる地下タンクで隣の長浜市に住む会社員、小川典子さん（当時２８）が遺体で見つかったもので、同じ職場の上司で、交際相手の森田繁成被告（４１）が殺人の罪に問われています。
２２日、大津地方裁判所で開かれた裁判で検察は「被害者の血痕が被告の車内などで見つかったことや、頻繁に送っていたメールの回数が、被害者が亡くなった翌日に激減したのは被告が犯人であるからだ」などと指摘しました。
そのうえで、「交際していた被害者をめった打ちにして汚泥タンクに落とした残忍で非道な犯行だ」などと述べ、無期懲役を求刑しました。
弁護側は最終弁論で「被告はこれまでに被害者とけんかをすることもあったが、すぐに仲直りしていて強い殺意を抱く理由はなく、車の血痕は鼻血などで事件と関係ないものだ」などと述べ無罪を主張しました。
森田被告本人も「小川さんを殺した真犯人については強い憎しみをおぼえる。
私は犯人ではなく、家族のもとに返してください」と訴えました。裁判はすべての審理が終わり、評議を経て来月２日に判決が言い渡されます。
今回の裁判では直接証拠がないなか、無罪を主張する被告が犯人かどうかが争われていて裁判員は難しい判断を迫られることになります。

11月22日　18時59分