駒ケ根市の昭和伊南総合病院を運営する昭和伊南行政組合(組合長・杉本幸治同市長)は、同病院が県から指定を受けて設置している重篤な3次救急患者受け入れの「救命救急センター」を、12年4月をめどに伊那中央病院(伊那市)に指定替えする方針を明らかにした。
県や上伊那地域の公立3病院などでつくる「上伊那地域医療再生推進協議会」が10月の会合で、「医師不足で産科の分娩(ぶんべん)取り扱いを休止するなど、救命救急センター機能が不十分」との報告書を提示。指定替えの方針を決定した。
同組合はこれを受け入れ、来年度中に県医療審議会の承認を得て、県の指定替えを経て同センターを伊那中央病院に移設する。2次救急については引き続き受け入れるという。
杉本市長は「これまで他の地域に先駆けて救急救命医療を行ってきたが、医師減少などで環境が変わった。センターの維持を勤務医の頑張りに依存してきたが、やむを得ない状況になった」と理解を求めた。
同センターは1979年に、県内で初めて昭和伊南総合病院に設置された。田中康夫知事の時代に指定替えが検討されたが、06年10月に行われた南信地域の救命救急センター再編の際は、諏訪赤十字病院、飯田市立病院とともに指定が維持されてきた。【仲村隆】
毎日新聞 2010年11月25日 地方版