沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、神戸海上保安部の海上保安官(43)が警視庁と東京地検の調べに対し、映像をインターネット上の動画サイト「ユーチューブ」に投稿する前に、映像を書き込んだ外部記憶媒体SDカードを米国のニュース専門テレビ局「CNN」東京支局に郵送したと話していることが捜査関係者への取材で分かった。海上保安官は「CNNで放映されなかったので投稿を決意した」とも説明しており、捜査当局が流出の経緯を慎重に調べている。
捜査関係者によると、海上保安官は任意の聴取に対し、「SDカードをCNNに郵送したのは、ユーチューブに投稿する前の10月下旬から11月初旬」と説明しているという。しかし、CNN側は封筒内にSDカードの内容についての説明がなかったため、SDカードは廃棄処分したといい、具体的なカード内容は判明していない。
これまでの調べで、海上保安官は乗船している巡視艇「うらなみ」内の共用パソコンに保存されていた映像をUSBメモリーに移したうえで、11月4日、神戸市内の漫画喫茶からユーチューブに投稿したことが判明している。
CNN東京支局の担当者は、「事実関係を把握しておらず、お答えすることができない」としている。
毎日新聞 2010年11月25日 12時19分(最終更新 11月25日 12時30分)