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裁判員裁判、異例の非公開 滋賀の汚水槽殺人事件

2010年11月12日12時4分

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 滋賀県米原市で昨年6月、汚水槽から女性の遺体が見つかった事件で、殺人罪に問われた会社員森田繁成被告(41)=同市坂口=の裁判員裁判の第5回公判が12日午前に大津地裁(坪井祐子裁判長)であり、被告人質問が非公開で行われた。関係者のプライバシーなどに配慮したものとみられるが、裁判員裁判での審理が非公開となるのは異例という。

 裁判の公開は憲法で定められているが、公開することに社会的妥当性(公序良俗)がないと裁判官が判断すれば、審理を非公開にできるとの規定がある。12日の被告人質問を非公開とした理由について、坪井裁判長は11日の審理で「公序良俗に反する恐れがある」と説明した。

 森田被告は昨年6月、交際相手の会社員小川典子さん(当時28)=長浜市=の頭を鈍器のようなもので殴り、汚水槽に落として殺害したとして起訴された。被告は捜査段階から一貫して起訴内容を否認している。

 12日の被告人質問は午前9時50分から始まり、法廷入り口には「公開停止」と手書きされた紙が張り出された。傍聴に訪れた同県草津市の会社員(45)は「何が公序良俗に当たるのかもう少し説明があっても良かった」と話した。

 元裁判官で法政大法科大学院の木谷明教授は「裁判員裁判で非公開にするケースは聞いたことがない。強姦(ごうかん)の被害者が被害状況を事細かに証言するようなときに公開禁止にするケースはあるが、公正さを担保するため裁判は公開の法廷でやるのが大原則。非公開の判断には慎重さが求められる」と話す。

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