富山のニュース 【11月25日03時28分更新】

クマの餌、上市町の奥山に空輸 日本熊森協会 人里出没を防止

ドングリとクリが入ったバケットをつり下げ、離陸するヘリ=上市町
 日本熊森協会(本部・兵庫県西宮市)は24日、クマの人里への出没防止や保護、冬ご もりに向け、上市町の奥山にヘリコプターで餌のドングリとクリ計1トンを投下した。ヘ リによるクマへの給餌は同協会で初めて、全国でも例がないとみられる。

 投下先となったのは協会が所有する上市町の森林670ヘクタールのうち、標高110 0メートルから1200メートルの尾根3カ所。谷からヘリが3往復し、餌を入れたバケ ットを遠隔操作で開口し、投入した。ドングリやクリは全国から日本熊森協会に寄せられ 、兵庫県から運んだ。

 空輸作業に立ち会った同協会職員の中本菜々さん(25)は「駆除されるクマの頭数が 富山県で多いと聞き、上市町を選んだ。無事に冬眠できるように助けたい」と話した。

 日本熊森協会は魚津市で実がなるクリやコナラの植樹、金沢市と小松市で山中にドング リをまくなど、クマが生息しやすい森の復元を目指している。


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