中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

NHK紅白初出場花菜カナコンビ 美川憲一27回目出場かなわず

2010年11月25日 紙面から

第61回NHK紅白歌合戦の発表記者会見で笑顔の出演者。(前列右から)クミコ、植村花菜、西野カナ、AAAのメンバーら。=東京都渋谷区のNHKで

写真

 大みそか恒例の第61回NHK紅白歌合戦(12月31日午後7時30分)の出場歌手が24日、東京・渋谷の同局で発表され、紅白22組ずつの計44組が選出された。昨年の50組から6組減り、平成では最少。初出場は5組で、紅組は「トイレの神様」がヒットした植村花菜(27)をはじめ、クミコ(56)、西野カナ(21)の3組。白組はHY、AAA(トリプル・エー)の2組。郷ひろみ(55)と加山雄三(73)は9年ぶりに復活。第42回から連続出場していた“大物”美川憲一(64)は20年ぶりに落選、小林幸子(56)との衣装対決は見られなくなった。

 初出場組では、「トイレの神様」で大ブレークしたシンガー・ソングライター植村と「着うたの女王」こと現役女子大生歌手の西野による「カナカナ」コンビが注目を集めそうだ。

 昨年の大みそかはNHKラジオの音楽番組に出演するために同局を訪れていたという植村。「(NHKの)廊下を通るたびに『来年は出られたらええな』と思っていたら、ホンマに出られることになってめっちゃうれしいです」とデビュー6年目での夢舞台に興奮を抑えきれない様子だ。

 「トイレの神様」は、20年前に他界した祖母との思い出と感謝の気持ちを9分52秒におよぶ歌にこめた思い入れ深い楽曲だ。9分52秒は1曲の長さとしては紅白史上最長クラス。90年に長渕剛がベルリンからの中継で15分間にわたって3曲を歌い、物議を醸したことがあるが、植村は「カットするところが一つもない。紅白でもひと言も切らずに歌わせていただければ」と、フルコーラスで歌うことを希望した。

 NHK側も「『トイレの神様』は、おじいちゃんから若い人まで話題になっていて、『歌でつないでいこう』というテーマにぴったり。一つの企画として考えたい」と“特別待遇”の意向だ。

 植村は祖母の墓前で報告し、最高のパフォーマンスを届ける。

 一方、名古屋市内の女子大に通いながら音楽活動を続ける西野は、恋愛をテーマにしたストレートな歌詞だけでなく、ファッションリーダーとしても同世代の女性から絶大な人気を誇る。

 最新アルバム「to LOVE」は単独女性アーティストが今年発売したアルバムの中でナンバーワンのセールスを記録。これまで配信した「着うた」も通算1000万ダウンロードを突破するなど飛躍的な1年となった。

 「昨日はライブだったんですが、終わった後に紅白出場が決まったと聞いて、信じられないのと本当にうれしい気持ちでいっぱいでした」と西野。当日の衣装については「まだまだナイショにしておきたいんですが、秋冬のトレンドを取り入れつつ、自分の色を出していきたい」と話した。

◆クミコ平和祈る

 今春リリースした反戦歌「INORI〜祈り〜」のヒットで初切符を手にしたクミコは「まさか自分が出るとは。(広島の原爆などで)いろんな人の痛みを背負っている曲。歌うことが私のミッション」と平和への願いを新たにした。

 紅白出場の可能性は23日、食事に誘ってくれた事務所の社長から聞かされたという。当日は、舞台裏でほかの歌手たちが化粧をし、スターの表情になる様子を「心ゆくまで見たい」と笑った。

 その上で、現在の朝鮮半島情勢などを意識してか「平和が壊れそうになる時代。紅白の舞台に立てるのも平和があってこそ。平和を祈り、愛をつなげる気持ちで歌いたい」と誓った。

 ◇クミコ 1954年水戸市生まれ。78年「世界歌謡祭」に日本代表の1人として参加。82年6月シャンソン歌手としてプロデビュー。87年、「高橋久美子」の名前でデビュー・ミニアルバム「POKKOWA PA?」をリリース。2002年のアルバム「愛の讃歌」が大きな反響を呼び、近年は日本の歌謡曲にも挑戦している。

◆AAA結成5年目

 AAAが結成5年目で初出場。リーダーの浦田直也(28)は「白組の勝利に貢献できるよう頑張りたい」、宇野実彩子(24)は「女性で白組、という新しい経験を楽しみたい」と意気込みを語った。西島隆弘(24)は「おじいちゃん、おばあちゃんに毎年『紅白は出ないのか』と聞かれていたんです」と感慨深そうに話した。

 ◇AAA(トリプル・エー) 05年に「BLOOD on FIRE」でデビューした女性2人、男性5人の「スーパーエンタテインメントグループ」。日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。これまでシングル26枚、アルバム5枚を発表。メンバー全員に舞台経験があり、西島隆弘は映画「愛のむきだし」に主演するなど俳優としても高い評価を得ている。

◆インディーズからHY10年目快挙!

 インディーズの実力派HY(エイチワイ)が初出場。会見には姿を見せなかったが、「初めましてHYです。結成10年という節目に紅白歌合戦への出場が決まり、すごくうれしく思います。僕たちは沖縄で生まれ育って、高校生の時に同じ夢を持った5人でバンドを結成し、今も沖縄から音楽を届けています」とコメントを寄せた。ライブツアーは常に売り切れで、若者に圧倒的な人気を誇るが、「紅白歌合戦を通して、HYの音楽を初めて知る方も多いと思いますが、僕たちらしく一生懸命歌いたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」と謙虚に意気込みを披露した。

 ◇HY(エイチワイ) 2000年に沖縄の高校の同級生男子4人と、そのいとこの女性1人で結成。バンド名は、うるま市東屋慶名(ひがしやけな)町に由来。01年に沖縄限定でCDデビュー、情熱的なロックが全国的な人気を呼び、03年の2枚目のアルバム「Street Story」はインディーズとして史上初のオリコンチャート初登場1位に。06年には日本武道館ライブを成功させた。

 今回のテーマは「歌で つなごう」。人間同士のきずなを見つめ直したいというねらいだが、結果として出場枠の縮小につながった。井上啓輔チーフ・プロデューサー(CP)は「放送時間が15分短くなったのと、テーマをしっかり伝えるため、曲のプレゼンテーションをしっかりしようと思った結果」と説明したが、具体的な選考経過は明らかにしなかった。

 出場歌手については(1)今年の活躍(2)世論の支持(3)番組の企画・演出との合致−の3条件を中心に選考したとするNHK。「4時間10分という枠で相当、密度が高くなった。満足いただけるショーになるのでは」(井上CP)と自賛するが、初出場組が少なく、新鮮味に欠ける印象はぬぐえない。取材陣から演歌系の歌手が減少したのではと問われると、「ジャンルで分けているつもりはない」(井上CP)と説明した。

 昨年は矢沢永吉(61)やスコットランド出身の女性歌手スーザン・ボイル(49)を起用するなどサプライズの演出を図ったが、現在のところ、目玉になるような企画は見あたらない。今後、どれだけ視聴者の関心をひきつけられるか、手腕が問われそうだ。

 ◇植村花菜(うえむら・かな) 1983年1月4日生まれ。兵庫県川西市出身。8歳の時に映画「サウンド・オブ・ミュージック」をみて歌手を目指し、05年に「大切な人」でメジャーデビュー。10年3月発売のミニアルバムに収録した「トイレの神様」が大ヒット。血液型A型。

 ◇西野カナ(にしの・かな) 1989年3月18日生まれ。三重県松阪市出身。08年に「I」でメジャーデビュー。透き通った歌声とキュートな外見で“ケータイ世代のカリスマガール”として人気を集めている。08年、史上最年少で「みえの国観光大使」に就任。血液型A型。

 

この記事を印刷する

PR情報

Ads by Yahoo!リスティング広告



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ