楽天・岩隈久志投手(29)の代理人を務める団野村氏(53)が23日、Kスタ宮城を訪れ、記者会見を開いた。ポスティングシステム(入札制度)を利用しての大リーグ移籍を目指す岩隈と、独占交渉権を得たアスレチックスとの交渉が決裂したという報道を受け、現状を説明。完全決裂を否定し、交渉期限の12月8日(日本時間)までは再交渉の可能性を示唆した。
◇ ◇
ファン感謝祭の開始と時を同じくして会見は開かれた。米国から急きょ帰国し、球場に姿を現した団野村氏は「私の方から一切金額は提示しておりません」と高額提示したとされる米国での報道に対して反論した。
一方で、アスレチックス(ア軍)側と岩隈側の希望額の隔たりが、交渉難航の原因であることは認めた。「(相手は)4年約12億5000万円(1525万ドル)を提示してきました。黒田選手のFA(3年3530万ドル)、松坂選手のポスティング(6年5200万ドル)が比較対象なのではないのかと反論しました」。この後、ア軍側から「提示額をのめなければ契約を打ち切る」と言われ、今回の交渉決裂報道に至ったという。
だが現段階で、ア軍から交渉決裂は正式発表されていない。ア軍側からの条件をのめない理由は「キチッとした契約をしないと、あしき範例を作ってしまう」と説明。改めて岩隈に対する金額的評価を問題視した。
22日は怒りに任せるように簡易投稿サイト「ツイッター」の更新を連発し、いったんは交渉決裂を認めていた。しかし、この日は「12月7日(米国時間)まで期限はありますから」と交渉再開の可能性も示唆。岩隈が「お金の問題ではない」と話していることにも「どうしても行きたければ、従います」と金額面で歩み寄る姿勢も見せた。
岩隈はファン感謝祭の紅白戦に出場するなど、騒動の中でも元気な姿を見せた。「最後まで交渉期間があるので、待つしかない」と多くは語らなかったが、ア軍に求めるものについては「(自分を必要としてくれる)気持ちですかね。僕は日本人なので」とメジャーへの強い思いもにじませた。期限まで残り16日、がけっぷちからの逆転を信じていた。