ルース米大使:長崎の原爆落下中心碑に献花 被爆者と懇談

2010年9月26日 20時57分 更新:9月26日 21時2分

原爆落下中心地で献花するルース駐日米大使(右から2人目)とスーザン夫人(同3人目)。右端は田上富久長崎市長=長崎市で2010年9月26日午後5時、山下恭二撮影
原爆落下中心地で献花するルース駐日米大使(右から2人目)とスーザン夫人(同3人目)。右端は田上富久長崎市長=長崎市で2010年9月26日午後5時、山下恭二撮影

 ジョン・ルース駐日米大使夫妻が26日、長崎市を訪れ、長崎原爆資料館を見学し、原爆落下中心碑に献花した。資料館では「深く心を打たれた。『核兵器なき世界』の平和と安全を求め、すべての国とともに働く決意をさらに強く認識させてくれた。偉大なこの都市の不屈の闘志を見せてくださったことを感謝する」と記帳し、読み上げた。

 長崎県によると、米大使の長崎訪問は94年のモンデール氏以来、戦後4人目。ルース大使夫妻は田上富久市長らの出迎えを受け、資料館を見学。市長によると、特に被爆者の体験を英文で示したコーナーに見入っていたという。被爆者の土山秀夫・元長崎大学長(85)、朝長万左男・日赤長崎原爆病院長(67)と約30分間懇談した。

 原爆落下中心碑が建つ爆心地公園では、田上市長が「まさにこの真上で原爆が爆発し、今も多くの犠牲者がここに眠っています」と説明。大使は居合わせた下平作江・長崎原爆遺族会顧問(75)と「お会いできてよかった」と握手を交わした。下平さんはその後の取材に「人と人の触れ合いは素晴らしい。来年からは毎年8月9日の平和祈念式典に米国代表に来てほしい」と語った。

 田上市長は「核兵器のない世界を目指す新しい流れができつつある大事な時期に訪問してくれて感謝している」と話した。

 大使は8月6日の広島原爆の日の式典には参列したが、長崎は見送っていた。【錦織祐一】

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