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操縦席を初めて一般公開 国立科学博物館所有のYS11

2010年11月20日18時52分

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写真:YS11の機体を前に集まった見学者たち。機内を見学する前に説明を受ける=東京都大田区拡大YS11の機体を前に集まった見学者たち。機内を見学する前に説明を受ける=東京都大田区

写真:今回初めて公開された操縦席。左が機長席=東京都大田区拡大今回初めて公開された操縦席。左が機長席=東京都大田区

写真:飛行検査機器について当時この飛行機で実際に検査を行っていた担当者(右端)の説明を聞く参加者たち=東京都大田区拡大飛行検査機器について当時この飛行機で実際に検査を行っていた担当者(右端)の説明を聞く参加者たち=東京都大田区

写真:機体の維持管理のための募金の呼びかけに応えて寄付する親子=東京都大田区拡大機体の維持管理のための募金の呼びかけに応えて寄付する親子=東京都大田区

 国立科学博物館が所有する戦後初の国産旅客機「YS11」の量産1号機。現在同館で開かれている特別展「空と宇宙展」の関連イベントとして20日、一般に公開された。同展の入場券を持っている人限定で募集したところ1000件以上の応募があり、抽選で選ばれた90人が午前と午後の2回に分かれて貴重な機体を見学した。(アサヒ・コム編集部)

YS11の写真特集はこちらから

 このYS11は機体ナンバーJA8610で、運輸省航空局(当時、現在の国交省航空局)が国内の空港の管制施設、誘導設備や通信施設が正しく機能しているかどうかを確認する「飛行検査機」として1965年から1998年まで使用していた。

 YS11は官民共同で戦後初めて開発された旅客機。試作機の1号機は航空科学博物館(千葉県山武郡芝山町)に展示されている。試作2号機は保存されておらず、3号機で量産1号機となるJA8610は退役後、将来の一般展示を想定して同博物館に譲渡されていた。

 しかし、全幅32メートル、全長26メートルの機体は大きすぎて上野の博物館で展示することはできず、場所を変えながら今年まで11年にわたり、羽田空港内の格納庫で保管され、整備費や維持費などに年間900万円かかっていることが今春の事業仕分けで話題になった。

 現在はANAの機体メンテナンスセンター(東京都大田区)に保管されている。事業仕分けでの指摘を受け、8月と9月に一般に公開してきた。今回は初めて、操縦席を公開した。

 飛行検査機として使用されてきたため検査用の機器などがそのまま搭載されており、実際に検査官やパイロットとして同機に搭乗してきた国交省の担当者が機内での説明にあたった。

 高い倍率をくぐり抜けて集まった参加者たちは老若男女バラエティーに富んだ顔ぶれ。子どもよりも父親のほうが夢中になって写真を撮る光景などが見られた。

 機体は通常、薄いビニールシートで覆われており、年に数回、電気を通したりプロペラを回すなどして管理し、その際にわかった経年変化などを記録してデータを収集しているという。会場にはこうした維持管理に協力を求める募金箱を設置。見学を終えた参加者たちが次々に募金して帰っていった。

 一般公開は21日も行われる(募集は終了)。

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日本の中東研究者に中東の動きを鋭く分析してもらいます。東京外語大の飯塚正人教授とアジア経済研究所の福田安志氏の定期コラムも連載中。

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