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【宜野湾】違法献金事件による現職市長の逮捕、辞職に伴う宜野湾市長選は27日投票、即日開票され、前県議の伊波洋一氏(51)=革新系無所属、社民、社大、共産、民主推薦=が1万7583票を獲得、安次富修氏(47)=保守系無所属、自民、公明、保守新推薦=に710票差の大激戦を制し、初当選を果たした。伊波氏は「5年以内の返還を求めていく」などと述べ、米軍普天間飛行場の県内移設反対を重ねて明確にした。普天間の基地被害に苦しむ市民が進行中の移設計画に反対の意思を示したことで、移設作業に影響が出る可能性もある。
伊波氏は、労組を中心にした豊富な運動量で選挙戦を先行。「政治とカネ」の問題を前面に「クリーンな市政」を訴え、支持を集めた。また、遅々として返還が実現しない普天間飛行場について「5年内の国外移設」の公約が市民の支持を得た。
一方、安次富氏は、保守一本化の調整などで選挙戦に出遅れた。違法献金事件で自民党関係者が逮捕されたこともマイナスイメージとして影響。1998年の沖縄市長選以来、国政選挙や知事選、市長選など節目の選挙で一本化候補はすべて勝利を収めてきた自公協力は、初めて敗北した。
伊波氏の当選について移設先の岸本建男名護市長は「受け入れた立場として名護市移設の方向で粛々(しゅくしゅく)と進める」とし、辺野古沖移設容認を変えない意向を言明した。
当日の有権者数は6万2759人。投票者総数は3万4859人。投票率は55・54%。無効403票だった。
◇基地問題で県政にノー
伊波洋一氏 宜野湾市を変えたいという市民の願いがかなった。カネと政治の癒着で前市長が逮捕されたのは相手陣営の責任で、基地問題で稲嶺県政に対しノーと言う気持ちの表れだ。普天間基地の実態を国民に訴え、米国を相手に法律的にも問う。辺野古沖移設は環境を破壊し、20数年このまま基地を放置するので反対。5年以内の返還を求める。
◇県内移設反対の市長誕生厳粛に
安次富修氏 相手候補が労組の組織力をフル稼働し、こちらは後手に回った。通常の選挙であれば企業にお願いして乗り切るところだが、違法献金事件の直後だけに思うようにいかなかった。普天間飛行場の移設作業は進んでいるが、県内移設反対の市長が誕生した事実は国、県も含めて厳粛に受け止めないといけないと思う。
◇辺野古への移設推進/稲嶺知事
稲嶺恵一知事は27日夜、宜野湾市長選で普天間飛行場の県内移設反対を公約に掲げた伊波洋一氏が当選したことについて、同市内で記者団に対し「宜野湾市民の選択が出たわけだから事実として厳粛に受け止めたい。安次富氏は若くて行動力がある素晴らしい人材。十分に考え方を市民に伝えられなかったのは私の力不足だ」と述べた。
また、普天間基地の名護市辺野古への移設を訴えた安次富氏が支持されなかったことについては「感情の問題からいって、基地がない平和な沖縄が全員の願い。現実の路線をこつこつと時間をかけてやってきたが、市民の中に厳しい感情があったことは認識しなければならない。今後は普天間基地を1日でも早く移設できるよう頑張りたい」との認識を示した。
普天間基地移設計画への影響については「先方(名護市)に無理を言いながら進めてきたので、あくまでもその形で進めていきたい。移設の問題は数多くの条件が伴っており、跡地利用の問題も今後は、新市長と一緒に考えていきたい」と、現計画の推進を重ねて示した。
◇伊波さん、クリーン市政へ決意
「普天間基地の5年以内の返還を求める」-。宜野湾市長選挙で初当選した伊波洋一さん(51)はきっぱりと言い切った。「県内移設ノー」の訴えが支持を受けたことへの自信が伊波さんの言葉にあふれていた。女性の支援者が目立った選対事務所では、歓喜のカチャーシー"。新しい宜野湾市づくりに期待を寄せた。敗れた安次富修さん(47)は「県内移設反対の市長が誕生した事実は国、県も厳粛に受け止めなければならない」と肩を落とし、深刻な表情を浮かべた。一方、岸本建男名護市長は普天間基地の辺野古移設容認の姿勢を変えない考えを示した。
【宜野湾】当選が決まった瞬間、伊波さんの選対事務所は、支援者のとどろくような歓声と拍手がわき上がった。
勢いよく立ち上がった伊波さんは、関係者ら一人ひとりと固い握手を繰り返した。
「カネと政治の癒着の責任を市民が問うた結果だ」「普天間基地移設問題に反対する気持ちを市民が受け止めてくれた」と、報道陣のマイクやカメラの向こうの市民に訴えるような力強い目線と口調で語り掛けた。女性も目立つ支援者らは多くが目に涙を浮かべ、肩を抱き合い、勝利を喜んだ。
違法献金事件の出直し選挙となった今回、有権者は政治への信頼回復と普天間基地問題の解決を、伊波さんに託した。
投票率が少しでも上がれば「勝利に近づく」と、投票率の伸びを気に掛けていた支援者。55%を超えた時点で、事務所内の雰囲気は盛り上がった。
その後の開票速報でも常に他候補を上回り、「(当確は)いつ出るのか」という期待感が高まり続けた。
妻の成子さん(46)、長男の俊介君(15)、二男の理史(ただふみ)君(八つ)も選対事務所で勝利の瞬間を待ち続けた。成子さんは「皆さんが家族のように支えてくれて勝つことができた。体に気を付けて頑張ってほしい」と喜んだ。
事務所の壁に張られた勝利を祈願する「家族一同 必勝」の文字は、幼稚園時代から書道を習う俊介君が書いたものだ。勝利した父の姿に俊介君は「素直にうれしい。おめでとう」と話した。
涙ぐんでいた女性支援者(63)は「静かな街を返せと訴えた皆さんの気持ちが伝わった。宜野湾が変わり、県の基地問題にも大きな影響を与えることができる」と話した。
◇政治とカネ逆風に/安次富さん
「私の不徳の致すところ。結果は厳粛に受けとめる。申し訳ない」。27日に行われた宜野湾市長選挙で、伊波さんに敗れた安次富さんは、厳しい表情で落選の事実を受け止めた。現職市長の逮捕・辞職という異例の選挙で「市政の信頼回復」を懸命に訴えたが、「政治とカネ」が厳しく問われる中、逆風をはね返すことができなかった。
宜野湾市赤道の選対事務所には大勢の支持者、運動員が集まり、開票速報を見守った。午後11時前、伊波さんの当選確実がテレビで伝えられると、支持者の間から大きなざわめきが沸き起こり、安次富さんは深いため息をついた。
「私の政策が十分に浸透しなかった。時間不足だった。組織力を持つ相手候補に対し、戦術が常に後手後手だった。事件の影響もあった」と安次富さんは無念さをこらえ、淡々と敗因を語った。
普天間飛行場移設問題で一貫して国・県との連携による現実的な解決を訴えた安次富さんは、「国、県と真っ向から反対する市長の誕生によって、さまざまな影響が出ると思う。県内移設反対の市長誕生を国、県も厳粛に受け止めなければならない」と述べ、同問題の行方を案じていた。
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