(CNN) イエメンから発送された米国行きの航空貨物から爆発物が見つかった事件で、関与が疑われる女が逮捕された。イエメン当局者と国営メディア記者が明らかにした。
当局者によると、イエメン当局はこの女と親族関係にある女性1人からも事情を聴いている。
爆発物は英イーストミッドランズ空港とアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで発見された。米英当局者らによると、インクカートリッジに仕掛けた爆発物には大型航空機を爆破できるほどの破壊力があったとみられる。携帯電話で起爆する仕組みだったとされるが、爆発場所として想定されていたのが輸送中の機内か、あるいは送付先となっていたシカゴのユダヤ教礼拝所だったのかは明らかでない。
捜査に詳しい情報筋によると、発見された爆発物は高性能の火薬「PETN」で、2009年の米ノースウエスト航空機爆破未遂事件でナイジェリア人、アブドゥルムタラブ被告が使用したのと同じ種類だが、約5倍の量だったとされる。
イエメンは、同事件で犯行声明を出したアルカイダ系テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」の活動拠点。サレハ大統領は記者団との会見で、爆発物入りの貨物については確認していないとしたうえで、アルカイダ系勢力の存在は同国の経済、観光業界に打撃を与えていると述べ、徹底した掃討作戦を自力で進めるとの考えを示した。