【社説】北による違法攻撃に直ちに対処せよ(下)

 大統領には、軍の統帥権者として韓国を保護する憲法的責任を完遂するため、本人はもちろんのこと、軍や政府の関係者が24時間体制で一糸乱れず任務遂行に万全を期するよう、率いる義務がある。また韓国政府は、北朝鮮によるさらなる攻撃に備え、西海5島をはじめとする休戦ラインの状況を全面的に再点検し、可能な限り短期間で弱点を補強する作業を急がなければならない。

 政治家は、すべての政争を直ちに中止し、今この瞬間から、すべての議論の焦点を国家と国民の保護に合わせなければならない。まずは与党に対し、これを実践することを求める。野党指導部が「場外闘争」を一時中断するとした決定は、評価に値する。

 安全保障上の危機で、大統領・政府・軍・政治家・国民の意思疎通不足による相互不信は、内部をむしばむ毒だ。韓国政府と軍は、事態の進展に関する情報を、政治家や国民に対し速やかに知らせ、相互の信頼を高めることに最善を尽くさなければならない。

 韓国国民もまた、非常事態にあっては非常の姿勢で現実を直視し、韓国内部を混乱させようとする分裂的策動を警戒し、それに巻き込まれないよう決然たる態度を持たなければならない。

 韓国政府は、南北交流事業関連で北朝鮮地域に滞在している韓国国民を、一時的にも早期に帰還させるべきだ。また、米国や日本など同盟国と緊密に協議しつつ、中国やロシアに対しても、今回の事態の真実と北朝鮮の挑発がもたらす北東アジアの平和への脅威を正しく認識させるべきだ。そして国連をはじめとする国際機関を舞台に、北朝鮮の無謀な蛮行に対し国際的なくさびを打ち込むようにしなければならない。

 決然とすべき時に決然たる行動を取ることを十分理解している国家と国民だけが、平和を享受する資格があるという事実を、皆が自覚すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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