【コラム】李明博政権は凶悪犯と立ち向かう覚悟を決めよ(上)

 北朝鮮が延坪島に海岸砲を浴びせたのは戦争行為だ。延坪島の中心街といえる面事務所周辺地域に数十発の砲弾が落とされた。民間人の殺傷を狙ったか、あるいは民間人の殺傷も顧みない武力攻勢で、まるで6・25戦争(朝鮮戦争)の状況が再現されたようだ。北は、韓半島(朝鮮半島)の時計を60年前に戻そうというのだろうか。1953年の停戦協定を破棄し、韓半島を再び戦争下に置こうというのだろうか。

 北朝鮮は、今月初めに北朝鮮を訪れた米国の科学者にウラン濃縮用遠心分離機を公開した。さらに「遠心分離機2000基を持っている」という説明まで加えた。ウラン弾を作ることができる遠心分離機製造は、北朝鮮がこれまで国際社会と結んできた核合意をほごにしたということだ。

 北朝鮮は、今や面倒な仮面を脱いでしまったようだ。韓国に、そして国際社会に向けて、ためらうことなく挑発行為を行っている。

 北朝鮮は今年3月26日、夜陰に乗じて西海(黄海)岸に侵入し、哨戒艦「天安」に魚雷を発射した。今度は白昼に陸上を狙って大砲を撃った。「天安」沈没の際には「南の自作自演だ」と疑いを否定したが、延坪島の砲撃は、2回にわたって見せびらかすように行われた。

 第1次、2次の北朝鮮の核危機は、北が隠していた核施設を公開することで明らかになった。今回の第3次危機は、北朝鮮が自らの核施設を公開したことで始まった。北朝鮮は、以前は自らの非核化の意思は確固たるものであると弁明したが、今は、「米国の対北敵対政策が変わらない限り、非核化はない」と言っている。

 左派の主張どおり、李明博(イ・ミョンバク)大統領と米国のオバマ大統領が、北朝鮮と対話をしなかったために北朝鮮が暴挙に出たのだろうか。太陽政策が再び行われていたならば、北朝鮮は韓半島の平和を守っていただろうか。

 北朝鮮で、軍事科学分野の高位職に就いていた脱北者は、「北朝鮮がウラン濃縮のための遠心分離機製作に着手したのは2000年の初めだった」と証言した。北は、このころパキスタンから高濃縮ウラン製造の設計図を入手し、原子力総局の指揮下で、科学院工学研究所などの科学者らを総動員し作業を進めたという。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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