北朝鮮砲撃:火の海と化した延坪島(上)
「パン、パン、パーン」
23日午後2時34分ごろ、仁川から145キロ離れた西海(黄海)上の島、延坪島。午前の操業を終えて戻った漁船が埠頭(ふとう)にいかりを下ろしていた漁村の平穏な時間は、鼓膜を破るような砲弾のごう音でさえぎられた。ごう音と共に激しい振動、砲弾が爆発する際に光る閃光(せんこう)…。
北朝鮮が撃った砲弾は534戸、1300人以上の住民が暮らしていた延坪島全体を、一瞬で阿鼻(あび)叫喚の中に追いやった。
住民らは当初、韓国軍の誤爆だと思っていた。しかし間もなく面事務所(村役場に相当)の拡声器から「実際に起きていることだ。急いで避難所に避難しろ」という緊迫した声が聞こえてきた。東部里の住民キムさん(35)は、「家の中にいたが、体が飛び上がって落ちるような衝撃を感じた。本能的に家から飛び出し、慌てて避難所(防空壕〈ごう〉)へと走った」と話した。
延坪島で任務に当たる海兵隊の息子に面会に来ていたハン・ミスンさん(52)は、「車で埠頭に向かっていたが、急に『シャー』という音と共に、車の上を砲弾が飛んでいった。両足の靴が脱げたことにも気付かないほど慌てて船に乗り込んだ」
子どもたちは怖がって泣き叫び、民家のガラス窓は爆発の衝撃波で粉々に砕けた。砲弾は、延坪面(日本の村に相当)事務所と東部里のパクさん宅を直撃し、西部里のペクさん宅の裏、南部里の民家の横にも落ちた。住民らは100メートルごとに1発程度の割合で落ちたようだと話した。パク・チョルフンさん(54)は、「道路のあちこちが10センチ程度の深さにえぐられていた。40-50センチ大の砲弾の破片もあちこちに落ちている。破片に当たったら即死していただろう」と話した。別のある住民は、「怖くて家でぶるぶる震えていたが、バンという音と共に、家のドアが外れて遠くへ飛んでいった」と話した。
砲弾からの火の手は漁村の家々にあっという間に燃え広がった。あちこちで家庭用→液化石油ガス(LPG)ボンベが爆発し、砲弾よりもさらに大きな爆発音を響かせた。
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