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【国際】

在日「戦争望まぬ」 沈静化求める声切実

2010年11月24日 朝刊

 突如起きた砲撃戦について、韓国と北朝鮮を結ぶ鉄道建設を進めるNPO法人「三千里鉄道」(愛知県豊橋市)の理事長で在日2世の都相太(トサンテ)さん(69)は「民間に被害者が出たことを一番残念に思う」と落胆した声で話した。

 南北の緊張緩和を願うNPO活動。「これ以上の争いはやめてほしいというのが、在外同胞の思い。北朝鮮の攻撃が続けば、今は落ち着いている韓国も感情的な対応が避けられなくなる」と懸念する。「朝鮮半島は世界で唯一、冷戦構造が残る場所。韓国と北朝鮮は戦争を起こさないようにする努力を南北関係の大原則に据えてほしい」と願いを込めた。

 「今の北朝鮮には市民と軍人を区別する冷静な判断力がないのでは。一刻も早く民主化を進めてほしい」と語ったのは、三重県伊賀市在住で在日韓国人2世の歌人李正子(イチョンジャ)さん(63)。同県松阪市で韓国語教室を経営する韓国人の鄭在原(キョンゼウォン)さん(34)は「あってもおかしくないと思っていたが、実際に起こるとショックが大きい」と話した。

 「韓国は北の挑発に乗らずに冷静に判断し、これ以上事態が深刻にならないようにしてほしい」とは岐阜市の在日韓国人のパート女性(59)。同市で韓国料理店を営む女性(59)は「同じ民族同士。何とか話し合いで解決してほしい」と祈った。

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)愛知県本部常任委員会の文光喜(ムンクァンヒ)委員長(60)は「米朝対話の兆しもある中、なぜこんなことになったのか。寂しい気持ちでいっぱい」と話し、「北朝鮮の国民は戦争を望んでいない」。朝鮮学校への支援活動などに取り組む日朝友好三重県民会議事務局長の藤堂英太郎さん(43)=同県いなべ市=は「理由はどうあれ、武力行使は正当化できない」と話した上で、「対話が重要という私たちの姿勢は変わらない」と説明した。

◆「留学へ影響心配」ソウルの中部出身者

 砲撃事件があった23日、中部地方出身でソウル在住の日本人からは事態沈静化を期待する声が聞かれた。

 岐阜県各務原市出身で、ソウル中心部で日本料理店を営む足立栄市さん(35)は、この日夜も接客に忙しく「今年は哨戒艦の沈没もあったので街の雰囲気は、比較的落ち着いている。これで攻撃終了なら大きな騒ぎにはならないのでは」と話した。日本やカナダの知人から安否を気遣う連絡が入ったという。

 語学留学のため今年春から韓国で暮らす長野県山ノ内町の佐藤信広さん(23)は「語学学校から大学へ進む予定のため影響を受けないか心配。南北関係は最近落ち着いていたのに」と不安を口にした。

 

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