北朝鮮砲撃:緊迫した交戦状況(下)

2度にわたる砲撃、韓国側も応射

 これに先立ち韓国軍当局は午後2時38分に、忠清南道瑞山にいる空軍第20戦闘飛行団などからKF16戦闘機4機、F15K戦闘機4機など、最新鋭の戦闘機を西海方面に出撃させた。また、午後2時50分ごろには、局地的挑発に対する最高度の警戒態勢を意味する「珍島犬一(ハナ)」を発令した。

 北朝鮮軍の攻撃はやまなかった。雨のように砲弾を降らせた最初の攻撃の後、北朝鮮軍の砲撃はまばらになったが、午後3時10分に再び一斉攻撃を加えてきた。今回の攻撃は、3時41分まで31分間続いた。これに対し、延坪部隊のK9自走砲も火を噴いた。韓国軍砲兵は、ム島とケモ里の陣地に交互に砲撃を加えた。

 北朝鮮軍の攻撃が続いたことで、韓国軍将兵の被害も大きく増えた。交戦が始まったばかりのころ、合参状況室には、韓国軍将兵の被害について「重軽傷4人」という報告があった。ところが時間がたつにつれ被害の規模は大きくなり、戦死2人、重傷6人、軽傷10人にまで増えた。

 午後3時50分ごろ、韓国軍当局は、南北将官級軍事会談の北朝鮮側代表にあてて、砲撃中止を求める通知文を送った。

 韓国軍の関係者は、「きょう北朝鮮軍が何発撃ったのか、正確な状況は分析中だが、少なくとも数十発、多ければ数百発に達するとみられる」と語った。

戦死・重軽傷者名簿

戦死(2人)

兵長ソ・ジョンウ(22、光州)、二等兵ムン・グァンウク(20、群山)

重傷(6人)

下士(二等軍曹に相当)オ・インピョ(19)、キム・ソンファン(22)、兵長チェ・ジュホ(21、釜山)、一等兵ハン・ギュドン(19、梁山)、キム・ミョンチョル(20、仁川)、イ・ミンウク(19、大邱)

軽傷(10人)

兵長パク・ソンヨ(22)、キム・ヨンソプ(22)、上等兵ソ・ジェガン(22)、キム・ジヨン(21、京畿)、一等兵チョ・スウォン(20)、イ・ジンギュ(20)、キム・インチョル(21)、グ・ギョソク(21)、パク・ボンヒョン(21、仁川)、キム・ジングォン(20、大邱)

張一鉉(チャン・イルヒョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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