|
きょうのコラム「時鐘」 2010年11月24日
先に、新潟で開かれたマスコミ倫理懇談会全国協議会で拉致被害者の曽我ひとみさんが講演し、取材にも「一定のルールがあって欲しい」と訴えた
時に、プライバシーを踏みにじるマスコミに注文しながらも「拉致問題を風化させないために訴え続けていきたい」と結んだ。帰国から既に8年、複雑な心境が痛いほど伝わる講演だったという 横田めぐみさん拉致から33年になる15日にも、新潟で「忘れるな拉致」の集会があり、横田夫妻や曽我さんが早期解決を訴えた。先日は、福井で支援の会が拉致の模様を実演して市民に訴えた。家族会は事件の風化を防ぐため必死である 内閣が替わるごとに風化の言葉が切実さを増す。柳田法相更迭は拉致担当相の名が有名無実化している現実を示した。先の国会で久々に拉致問題が取り上げられたが、日韓首脳会談で解決の必要性を伝えたとの菅首相の言葉が空しかった 「政府交渉でしか解決できない」と訴える家族会の落胆は深い。国家そのものが「暴力装置」の北朝鮮の無法を風化させてはなるまい。民主党政権にはその気構えがあるのかが試されている。 |