核問題:「中国が容認し続けるなら韓国も背水の陣を」(上)

 北朝鮮がウラン濃縮施設を公開したことに関連し、韓国政府は22日、韓米中日ロ5カ国の協調を強化することの重要性を強調した。北朝鮮を圧迫するためには、米国や中国など主要国の一致した行動が必要との認識を踏まえ、韓国政府が調整に乗り出したというわけだ。

 先週日本を訪問した魏聖洛(ウィ・ソンラク)韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長は22日午前、米国務省のスティーブン・ボスワース対北政策特別代表と会談した後、同日午後には中国へ向かい、武大偉・韓半島事務特別代表と会談した。これも、米・中・日に統一行動を求めるためだ。また、「北朝鮮はソウルを経由せずに、ワシントンに行くことはできない」(韓国政府の当局者)という原則を再確認するという目的もあった。

 キム・ソンハン高麗大教授は、「仮に、限られた形で米朝接触が行われたとしても、平和協定のような危険な政治的議論は困難だ。韓国政府と事前調整を行うことになるだろう」と語った。

 北朝鮮がプルトニウムに続き、高濃縮ウラン生産施設の存在まで明らかにしたことを受け、韓国政府は核施設の閉鎖・無能力化など、段階的に補償を行ってきた従来のやり方に代わって、一括妥結を目指す「グランドバーゲン」構想に米国や中国が積極的に乗り出す環境が整った、という期待を抱いている。

 金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官はこの日、「こうした状況こそが、まさしく韓国がグランドバーゲンを提示した理由」と語った。しかし北朝鮮は、プルトニウムについては6カ国協議で、核兵器については軍縮交渉で、高濃縮ウランについては米国との直接対話で、それぞれ取引するという戦略を持っている。

 韓国政府の当局者は、「グランドバーゲンを成功させるためには、影響力を行使できる中国が動かなければならないが、中国を動かす手段が問題だ」と語った。

 中国を動かすには、北朝鮮の核問題が韓国や日本の「核ドミノ」現象へと拡散しかねないという危機感を、中国に持たせなければならない、という声が一部で挙がっている。

 中国が北朝鮮の核について最もデリケートに感じる部分は、韓国と日本から「わが国も自衛力を備える」という主張が出ることだ。尹徳敏(ユン・ドクミン)外交安保研究院教授は、「中国と北朝鮮に大きな危機感を抱かせるためには、外交的な“排水の陣”を敷かなければならない」と語った。北朝鮮の核が現実のものとなる状況下、北朝鮮の核の脅威に直接さらされている韓国と日本の非政府部門で、戦術核兵器の再配備を含む自衛力確保を主張し、政府はこれを外交的なカードとして活用しなければならないというわけだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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