(第1部)喜連川丘陵の里山空撮 (第1部)喜連川丘陵の里山風景 (第1部)サシバの顔 (第1部)サシバ全身 (第1部)サシバの巣給餌 (第2部)トウキョウダルマガエル(サシバの獲物) (第2部)獲物を捕らえたサシバの夫婦 (第2部)サシバヒナアップ (第2部)サシバのヒナを襲うオオタカ (第2部)巣立ち後、地上であそぶヒナ (第2部)里山風景 (第2部)柿の木にとまるモズ (第2部)モズの高鳴き (第2部)オスの求愛ダンス (第2部)カップル (第2部)モズ獲物を狙う (第2部)狩り ネズミをとる (第2部)狩り トカゲをとる (第2部)狩り ドジョウをとる (第2部)獲物を速贄に (第2部)腹ぺこのヒナ (第2部)まるで魚のカーテン!?
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[047]里山を舞うハンター サシバ・モズ

今回の放送の主な撮影地を示した地図

人の暮らしに寄り添い、人が作り上げた里山の自然を巧みに利用して生きる鳥たち。その素顔に迫る。

第一部は、栃木県東部、喜連川(きつれがわ)丘陵の里山に生きるタカの仲間、サシバ。丘に雑木林が広がり、谷筋に「谷津田」と呼ばれる田んぼが連なる。谷津田は丘陵地の谷筋に沿って湧く水を引いた昔ながらの田んぼだ。その谷津田を囲む雑木林が、サシバの世界有数の繁殖地。実は、同じ地域に暮らすオオタカなどと比べてサシバは狩りがあまり上手でない。それでも生きていけるのは、里山の多様な生きもののおかげ。春は田んぼで大発生するトウキョウダルマガエルなどカエル類、初夏は雑木林の昆虫が糧。だが、成長したサシバのヒナを試練が襲う。オオタカが巣に襲来し、ヒナをさらっていくのだ。2種類のタカがともに生きる、喜連川の豊かさゆえの試練だ。秋、無事に巣立った若鳥や子育てを終えた親鳥が南へ帰ると、サシバを育んだ生きものたちは、冬を迎える準備を始める。豊かな命のつながりを里山の美しく懐かしい風景とともに描く。

第二部は、埼玉県・武蔵野の人里に生きる鳥モズ。獲物を枝にひっかけておく「はやにえ」など、小さなハンター特有の狩りの生態に迫る。

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フィールドリポート

栃木県東部にひろがる喜連川丘陵。
「谷津田」と呼ばれる谷沿いに伸びた田んぼが特徴的な、昔ながらの里山風景が見られます。

ここは、サシバの一大繁殖地。高い密度でサシバが繁殖します。
三月下旬、取材は現地の研究者に巣の場所を案内してもらうことから始まりました。

サシバは四月になると南から渡ってくる渡り鳥。
毎年、同じ場所に縄張りを持ち営巣します。
その為、この地域をを継続して調査している研究者のデータが、何よりも頼りになるのです。
サシバの巣は谷津田に隣接する雑木林の中に作られます。
そこで、多くの巣のなかから撮影条件の良い巣を絞り込み、4月から8月まで現地に住み込んで取材しました。

撮影テーマはサシバの生活史を追うことと、サシバとオオタカの関係を明らかにすること。
一番の難題は、オオタカがサシバのヒナを襲う場面を撮ることです。
生活史を追うだけであれば三ヶ所程度の巣を撮影すればよいのですが、千載一遇のシーンを撮るため、最終的に8ヶ所もの巣を撮影することにしました。

今回の取材で、高い位置にあるサシバの巣を撮影するために、特殊な機材を用意しました。
10mほどの高さまで伸びるアルミ製の伸縮ポールです。

このポールを使えば、サシバの巣と平行目線で撮影できます。
期待通りポールは大活躍。車で持ち運べて簡単に設置できるため、散在するサシバの巣を効率的に撮影できました。

オオタカがサシバのヒナを襲う場面を撮るためには、日の出から日没まで、オオタカの活動時間中ずっとサシバの巣を撮影し続けなければいけません。
サシバの子育て期間中、毎朝四ヶ所の巣にカメラをセットし夕方回収し、夜間に画像チェックする、という日々が40日ほど続きました。

7月中旬、子育て時期も終わりに近づき、多くの巣でヒナが巣立っていきました。
ヒナが巣立つと別の巣に伸縮ポールを移動します。
移動を繰り返し、最後に残った八ヶ所目の巣が巣立ち間際のとき、襲うシーンは起こりました。

粘りに粘って撮影した、まさに決定的瞬間。
その翌日、スタッフは昼までぐっすり眠ったとか。

フィールドリポート写真1 フィールドリポート写真2 フィールドリポート写真3