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ノロウイルスにご用心 感染性胃腸炎が昨年の倍に

(2010年11月20日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

予防にはせっけんで手洗いが大切

感染性胃腸炎の1医療機関当たりの患者数

 嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す感染性胃腸炎の患者が急増していることが、国立感染症研究所の集計で分かった。ほとんどはノロウイルスが原因とみられる。この時期としては、過去10年で2番目に多く、昨年の2倍以上に上る。

 同研究所感染症情報センターの安井良則主任研究官は「予防には、せっけんを使って手洗いをしっかりすることが大事だ。子どもを中心に感染が広がるため、嘔吐や下痢の症状がある場合は保育園や幼稚園、学校に行くのを控えてほしい」と話している。

 全国約3千の小児科から報告された感染性胃腸炎の患者数は3週連続で増加。7歳以下が70%以上を占める。今月1〜7日の1週間は、1カ所当たり5.3人。過去10年で最多は2006年の7.1人で、昨年は2.4人だった。

 都道府県別では、山形が19.8人で最も多く、次いで大分19.1人、新潟11.5人、山口11.4人、長崎10.7人と続く。新潟、山口、福岡、長崎、大分の増加が目立っている。

 流行は12月にピークを迎えることが多い。

 ノロウイルスは、主に患者の嘔吐物や便を介して感染し、感染力は非常に強い。症状が続くのは、数時間から数日と比較的短いが、特効薬はなく、水分補給が欠かせない。

 嘔吐物や便などを処理する際は周囲に広がらないように注意し、塩素系消毒剤による消毒が効果的だ。