(cache) 中国漁船問題で派遣された「漁政」は軍艦ではない-蒼き清浄なる海のために

中国漁船問題で派遣された「漁政」は軍艦ではない

　この海保巡視船と中国漁政船の対峙については、口止めされてたんですがあろうことか中国側から情報が出てきてしまいましたね。

尖閣沖で対峙…日本の海保・巡視船と中国・漁政船＝環球時報

環球時報の記者が乗り組んだ「中国漁政202」が出港したのは7日夜。9日深夜には、「日本側が、違法にも拿捕した中国漁船の「ミン晋漁5179」を返還する。海上で受け取るように」との指令を受けた。（「ミン」は門構えに「虫」）

「漁政202」は最終的に、尖閣諸島から12．8海里の位置で停船。12日の日暮れに、東北方向に向け現場海域を離脱した。「漁政202」は13日午前10時ごろ、尖閣諸島から約30海里の海上で、新たに到着した中国の「漁政201」と合流。改めて尖閣沖海域を目指した。日本の巡視船は7隻に増え、ヘリコプターもしきりに飛来した。

　　記事内のPLH109はPLH09（「りゅうきゅう」）の間違いでしょう。

　さて、今回の中国漁政派遣については一部の船が退役した海軍救難艦の転用だったり、貸与された海軍輸送艦だったりするせいで、「軍艦が派遣された！」「海保じゃ太刀打ちできない！」と大騒ぎもされました。まぁ、はっきりいって漁政311に固定武装はないですし、漁政88の武器も、必ずしも海保に勝っているというわけではなく、だからどうだというほどのことでもないんですが・・・。

中国　日本を牽制する二つの監視船とは…

漁業監視船は中国農業省傘下の「漁政漁港監督管理局」の管轄下にあり、目的は「中国漁民の権益を守る」ことなどだ。船は退役した軍艦を改造したものが多く、緊急時には戦闘に加わることもできるとされる。

※実はそんなに多くない。むしろ新たに専用船を続々と建造していることのほうが重要

　この記事で明らかになったのは派遣された漁政のフネは海軍退役艦でもなければ強力な武装をつんでいるわけでもなかった、ということです。

　記事で派遣されたとされているのは漁政202および201。どちらも非武装の漁政専用船です。
　漁政といえば「元軍艦」ばかりが注目されますが、実際の外洋哨戒で主力となっているのはこのタイプのフネ。では、非武装だから海保が優位なのかといえばそうではありません。海上法執行機関にとっての「武器」は「武装」ではなく「法的根拠」とその「執行能力」です。今回の海保は巡視船艇の性能や武装だけでなく、そういったものがあったからこそ一歩も引くことなく対処ができました。

　まぁ、確かにこのフネで高性能な30mmやら20mmの機関砲を備えた新鋭巡視船に囲まれるのは、いい気分じゃなかったでしょうが・・・（笑　そういった意味では、漁政の皆さんに同情します。

　さてこの漁政、今回日本側に圧力を加えただけでなく、フィリピンの沿岸警備隊・海軍を脅したり、アメリカ海軍測量艦に嫌がらせしたりとやりたい放題な印象ですが・・・実を言うと、漁政202はアメリカ沿岸警備隊と合同で訓練や取締りを行ったこともあります。しかし、海保とのつながりはありません。