国際化が進み単一民族国家、韓国もその風が大きく吹いている。海外旅行、留学はもちろん、国際結婚の数も年々増加している。日本人女性との結婚はもちろん、海外女性を韓国に結婚して呼び寄せる結婚紹介ビジネスが人気だ。しかし結婚後の問題が多いのが現実だ。

海外から韓国へ結婚して移住する女性の数は2002年から比べるとその数は2倍。政府の調査によると年間約3万人、昨年度は昨年結婚したカップルの8%を占めるまでになった。その理由のひとつに女性より男性の数が多いこと、特に人口が少なく経済の発展していない地方では韓国よりも経済状況が悪い国、中国、ベトナム、フィリピンなどの国の女性くらいしか喜んで嫁いでくれないのが現実だ。

この結婚紹介ビジネスという新しい市場の急激な成長は韓国の経済成長とライフスタイルの変化が原因だ。しかしニーズから悪徳のブローカーも増え、とうとう政府も黙っていられない状態になった。政府の調査後、ほとんどの会社が指導を受けたのが現実だ。政府がスポンサーのホットラインには毎月1000本以上の電話が寄せられている。その内容のトップは嫁、姑をメインとする配偶者の家族との関係についてだ。また家庭内暴力の相談も増えているという。会って2,3日で容姿だけで決めるような結婚が多く、韓国語を話せる女性はほとんどおらずコミュニケーションが取れない。またライフスタイルが欧米風に変化したとはいえ、メンタルな部分ではまだまだ古い伝統を重んじる韓国文化はまだまだ残っているのが現実。異文化で育ってきた女性も100%韓国の文化の合わせるのが当たり前と思う配偶者とその家族の中で孤立する女性が多いのだ。相談所に寄せられたケースの中には、モンゴル人の女性が配偶者の家族から食事を与えてもらないというものも。

政府は今後も国際結婚は増えていかざるを得ないという現実から、引き続き取り締まりの強化、法律の制定に加え、韓国語や家族全体への教育を含めるサポートを充実させる予定だ。社会としてみたとき、韓国はまだまだ文化的多様性への認識、理解が進んでいないのが現実だ。国際結婚を含め、今後の韓国の経済成長には欠かせない国際化をどのように進めていくことが求められている。

記者:H・Mayumi