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302 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:48:30.70 ID:4k2tiWw0
高校までは片道1時間弱。
決して近くはない。
前原と一緒に居たかったから、この高校を選んだ。
前原に会えるなら、そんな通学時間も苦じゃなかった。
もう、それだけの時間を掛けてまで、毎日学校に行く理由なんて、無い。
段々とサボりがちに。
留年しない程度には授業に出席した。
学校行事は単位に関係無いので休んだ
2年次は体育祭も球技大会も学園祭も、全部行かなかった。
だからといってそれで交友関係が崩れたりはしなかった。
俺はサボりキャラとして友達と上手くやってけた。
授業を欠席しても、試験で赤点を取らなくて済むように
自宅でそれなりの勉強はした。
成績もまあまあ。
そんな、どこにでも居る高校生。
305 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:51:43.50 ID:4k2tiWw0
このままで良かった。
別に悪い所なんて無い。
ただ、高校生活を楽しめてないってだけで。
残り一年もこんな感じで行けばいいだろう。
今の成績をキープすれば、そこそこの大学に入れるだろうし。
年が明け、もうすぐ春。
皆が真剣に志望校を決め始める。
「オッチーはどこ行くの?」
俺「○○大」
「もっと上狙ったら?」
俺「ここが一番近いから。お前は?」
「早稲田」
俺「無謀だな」
「だけど、どうしても早稲田じゃないと駄目なんだよね」
俺「ふぅん。ま、頑張れよ」
きっと、夢があるのだろう。
俺には、何も無いな。
前原が居てくれれば、それで良かったんだ。
前原と一緒なら、何をしてても楽しかったから。
306 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:52:34.59 ID:4k2tiWw0
進級。
高校3年生になった。
でも、何も変わらない。
今まで通り。
家で勉強して、学校で友達と適当に喋って。
そんな毎日の繰り返し。
楽しくはないけど、適度に忙しい。
それが凄く助かった。
4月下旬。
あと一週間でゴールデンウィーク。
俺の部屋のカレンダーには印が付けられている。
一昨年、前原が遊びに来た日に。
もう2年、か。
あっという間だな。
今年も墓参りに行こう。
受験勉強の息抜きにもなるだろう。
307 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:54:10.43 ID:4k2tiWw0
初めて墓参りに行ったのは一昨年(高1)の夏。
住所録を頼りに前原の家まで行った。
20分ほど道に迷いつつもどうにか到着。
前原の実家。
築30年くらい経ってそうな、お世辞にも綺麗とは言えない家。
事前に連絡入れてないから、もしかしたら留守かもしれない。
まあ、居なければまた明日も来れば良いさ。
どうせ夏休みで暇だし。
…でも、電車賃が結構掛かるんだよな。
ああ、やっぱ電話してから来れば良かったかも。
そんなことを考えながらインターホンを押した。
幸いにも、すぐに前原の母親が出てきた。
俺「あ、えと、前原…さんの……友達の落合です」
「ああ。落合君?ずいぶん大きくなったわねぇ」
一度しか会ったことがなかったのに、俺のことを覚えててくれた。
「わざわざ遠くから来てくれてありがとう」
俺「いえ、そんな」
「外は暑かったでしょう?もし良かったら中へどうぞ」
せっかくだし入れてもらうことにした。
308 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:57:56.77 ID:4k2tiWw0
廊下で前原の祖母と遭遇。
軽く会釈。
きっと向こうは俺が誰だか知らなかったんだろう。
冷房の効いたリビングヘ通された。
「はい、どうぞ」
グラスに入ったサイダー。
俺「ありがとうございます」
喉が渇いてたので一気飲みした。
「今日はどうしたの?」
俺「前原さんのお墓参りに」
「ありがとう。沙希も喜ぶと思うわ」
俺「あまり長居しても迷惑なんで、そろそろ行きます。場所だけ教えてください」
「だったら車で送りましょうか?」
暑い中を歩きたくなかったんで、好意に甘えることに。
俺「お願いします」
311 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:02:01.30 ID:4k2tiWw0
車の中で前原のことを聞かせてもらった。
殆ど前原の母の独白みたいな感じだったけど。
「親の都合で転校ばっかりで、沙希には辛い思いをさせたわ」
「6年生の転校の時は凄く大変だったのよ」
「落合君と離れたくないって大泣きして、家出までしようとしたり」
「私が沙希に学校の話を聞いても、落合君の話しかしてくれなかったのよ」
「落合君のこと大好きだったのね」
「高校受験の時も、毎晩1時過ぎまで勉強してたみたい」
「無理しないでもっと簡単なところにしたら、って言っても」
「落合君と同じ高校じゃなきゃ嫌なの!って」
「高校入学してすぐの頃だったかしら」
「今日から私がご飯作るなんて言いだして」
「理由を聞いたら、落合君と結婚するのに必要なの!だって」
「私、笑っちゃた」
「沙希の好きなった人が落合君で良かったわ。本当に、ありがとう」
前原のお母さんが泣いてた。
俺も泣いた。
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:04:16.21 ID:fwR0Nwso
>>311
俺も泣いた…
涙もろくてかなわん
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:03:12.31 ID:Z7WGvEAO
いい娘だな…
313 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:03:25.80 ID:4k2tiWw0
俺「後は一人で大丈夫です」
「そう?じゃあ私はこれで…」
俺「あ、ちょっと待って下さい」
「何かしら?」
俺「最後に、前原は何か俺のこと言ってましたか?」
一番に気になっていたこと。
今際の際に前原が何を思ってたのか。
「ごめんなさい。急なことだったから…」
言葉を残す時間も無かったんだ。
俺「…そうですか。分かりました」
315 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:04:17.17 ID:4k2tiWw0
ここで前原の母親と別れ、墓地へ。
周りには年寄りしか居なかった。
「あら?学生さん?どうしたの?」
俺「友達の墓参りに」
「偉いわねえ」
何故か飴をくれた。
流石は田舎。
だだっ広い霊園。
前原家の墓を見つけるだけで一苦労だった。
俺は正しい墓参りの仕方なんて知らない。
墓の前で手を合わせるだけ。
10分ぐらいそうしてた。
虚しいだけだった。
これはただの石。
前原じゃない。
こんなことしても意味が無い気がした。
だけど、来年もまた来ようと思った。
316 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:06:53.12 ID:4k2tiWw0
ここら辺時間軸が分かりづらかったたすいません。
次から306の続きです。
317 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:07:36.39 ID:4k2tiWw0
ゴールデンウィークまでに、センター化学の問題集を一冊終わらせる予定だった。
思ったより無機化学の分野が頭から抜けていたので、少しペースアップをしないと間に合わない。
気合を入れてやらないと。
暗記項目の再確認に取りかかる。
そんな時、小野寺から電話が掛かって来た。
321 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:12:50.30 ID:4k2tiWw0
小「もしもし、とも君。久しぶり」
俺「何か用?」
小「小学校の同窓会やるんだけど、来るよね?」
出席する気が起きなかった。
俺「いや、行かない」
小「え、何で?」
俺「受験勉強が忙しいから」
誘いを断る常套句。
小「まだ一年近くあるじゃん。それにとも君頭いいから大丈夫だよ」
俺「…悪いけど、マジで行く気ないから」
小「そっか…」
俺「そんじゃ、切るね」
小「あ、ちょっと待って」
俺「何だよ?」
小「沙希にもこのこと伝えといてよ」
ずいぶん久しぶりに前原の名前を聞いた。
未だに悲しみが込み上げてくる。
俺「無理」
小「何で?高校一緒なんでしょ?」
俺「死んだから」
323 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:14:58.39 ID:4k2tiWw0
小「は?」
俺「言ってなかったっけ?一昨年の5月に病気で」
小「嘘でもそういうことは言っちゃ駄目だよ」
まあ、いきなりそんなこと言われても信じないだろうね。
俺「こんな下らない冗談言うわけねーだろ!」
意図的に怒鳴ってみた。
小「…本当なの?」
俺「………」
小「ごめん」
俺「…じゃあな」
電話を切った。
十数分後、小野寺が俺の家に来た。
327 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:18:33.92 ID:4k2tiWw0
俺「何しに来たの?」
はっきし言ってウザかった。
小「とも君と話しようと思って」
俺「お前って昔から何でもかんでも首突っ込みたがるよな」
小「そういうつもりじゃ…」
俺「とりあえずこっち」
家の前で立ち話して親に見られるのが嫌だった。
目的地を決めることなく夜道を歩く。
小「ねえ、沙希のこともっと詳しく教えて」
小野寺には話すべきなんだろう。
小学生の頃、前原と一番仲の良い友達だったから。
俺「一昨年の5月に―――」
2年前にあったことを出来るかぎり事細かに話した。
小「…そうなんだ」
俺「これでいいだろ。俺はもう帰る」
言うべきことは全部言った。もう、良いだろう。
小「待ってよ」
袖口を捕まれた。
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:20:06.33 ID:fwR0Nwso
小野寺は俺の嫁!
とか茶化す気にもなれない…
うう…
332 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:22:01.88 ID:4k2tiWw0
俺「まだ何かあんの?」
小「沙希が死んだから、とも君は今、こんななの?」
俺「こんな?」
小「何て言うか、覇気が無くて暗い」
暗い、か。
学校では明るく振舞ってるつもりだった。
実際、暗いなんていわれた事は一度も無かった。
小野寺には気を使う必要が無いので、今はほぼ素の自分で喋ってる。
その結果、覇気がなくて暗いと言われたなら、多分その通りなのだろう。
この時の俺は、明るい人間を演じられる暗い奴だった。
俺「しょうがないだろ。何やってもやる気出ないしつまんないんだから」
小「そんなんじゃ沙希も喜ばないよ」
どうして断定できるんだよ?
俺「もう死んでる前原が喜んだり悲しんだり出来るわけないだろ」
小「それでも沙希は、自分がもうすぐ死ぬって時に、とも君がこうなることを望んでなかったと思う」
そんなこと分からない。
前原は俺に何の言葉も残すことなく逝ってしまった。
俺「お前は前原じゃないだろ。何が分かるんだよ!」
339 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:25:33.08 ID:4k2tiWw0
小「とも君が沙希の立場だったら、自分が死んだ後、沙希にずっと悲しんでて欲しいの?」
小野寺に言われるまでもない。
前原が死んだ時から何度考えたことか。
俺「欲しくない。俺の分まで楽しく生きて欲しい」
答えは出てた。
小「沙希もきっと同じだよ」
でも、納得はできなかった。
俺「別に良いだろ。俺が勝手に悲しんでるだけなんだから」
小「馬鹿じゃないの?最低っ!何であんたなんかが沙希の彼氏だったのよ!!」
俺「っ!」
小野寺に罵倒されたのは初めて。
小野寺が泣いているところを見たのも初めて。
小「…もういいよ。勝手にしたら」
友達に見捨てられた瞬間だった。
341 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:30:53.53 ID:4k2tiWw0
家に帰って勉強を再開しようとしたけど、全然駄目だった。
小野寺のことで頭がいっぱいで、問題に集中できない。
もうやめて寝る事にした。
布団に入り目を瞑るが、眠れない。
小野寺の泣き顔がちらつく。
俺は普段絶対泣かないような娘を泣かした。
それは多分、俺が尋常じゃないレベルで間違ってるということだろう。
ケータイを開いて、あの写真を見た。
前原が笑ってる。
隣の俺も笑ってる。
今ここに前原がいたら、俺に対して微笑んでくれるか?
……くれないな。
逆の立場で考えれば簡単に分かる。
前原が泣いてたら俺は笑えない。
前原が笑ってるから俺も笑えるんだ。
俺が泣いてるのに前原が笑ってくれるはずが無い。
………もう、泣くのは止めよう。
笑うんだ。
前原の為に。
最初は無理矢理でも良い。
いつかきっと自然に笑えるようになれるから。
前原、今までごめんな。
俺、頑張るよ。
342 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:31:34.24 ID:4k2tiWw0
すぐに小野寺にメールを打った。
俺「さっきはごめん。俺が間違ってた。明日から明るくなれるよう頑張るわ。おやすみ」
1分足らずで返信が来た。
小「今から15分後、さっきの場所に来て」
時刻は10時半。
まだそんなに遅くでもないので、言われた通りに行くことにした。
343 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:32:13.17 ID:4k2tiWw0
俺「待った?」
小「ううん」
俺「さっきはごめんね」
小「いいよ。私も言い過ぎたから」
俺「俺は前原のこと忘れない。でも、前原を理由に塞ぎこむのはもう止める」
小「そうだよ。暗いとも君なんて、とも君らしくないから」
俺「泣いてる小野寺も小野寺らしくないよ」
小「誰のせいだと思ってるの?」
俺「ごめんね」
小「もう良いってば」
俺「お前、良い奴だな。こんな時間にまで会いに来てくれるし」
小「そんなことないよ。他の人にはここまでしない」
俺「何で俺にはしてくれんの?」
小「とも君は大切な友達だから」
俺「…ありがとな。でもいい加減とも君はやめてくれ」
小「オッチーって言いにくいんだもん」
俺「そっか。じゃあ良いや」
小「それじゃ、もう遅いし帰えろっか」
俺「家まで送ろうか?」
小「大丈夫」
俺「いいから、送らせてよ」
小「そう?ありがと。なら送ってもらおっかな」
吹き付ける夜風とは対照的に、俺の心は暖かいもので満たされていた。
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:34:45.12 ID:nAhhbIAO
小野寺さんみたいな人って一人は友達に欲しいよなー
感謝だな…
345 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:36:46.01 ID:4k2tiWw0
>>344
俺も滅茶苦茶感謝してる。
今から「ありがと」ってメール送るわ。
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:37:51.62 ID:nAhhbIAO
>>345
今から?あの時はありがとう、って?
347 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:39:10.89 ID:4k2tiWw0
>>346
「ありがと」の一言だけ送っといた。
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:40:09.07 ID:nAhhbIAO
>>347
いきなりだと訳分かんなくないか?wwwwww
350 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:41:38.56 ID:4k2tiWw0
>>349
小野寺はノリが良いから大丈夫でしょ。
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:42:24.88 ID:Mp7Blpwo
>>350
お前律儀に反応するのな、そういうところ好きだぜ
つづきwwwwww
348 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:39:50.62 ID:4k2tiWw0
翌日から、俺は積極的にクラスメイトと関わるようになった。
今までは自分から話しかけには行かなかった。
黙ってても誰かが声を掛けてくれたから。
それも昨日でお終い。
俺「おはよう。今日も良い天気だな」
「余裕で雨振ってるけどね」
「オッチー。今日はいつもとテンション違くない?」
俺「ま、いいじゃん。最後の一年だし、楽しく行こうぜ」
下らない話で盛り上がったり、互いに勉強を教えあったり。
また、学校が楽しいと思えるようになった。
去年はサボった体育祭、今年も一昨年と同じく徒競走に参加した。
結果はスポクラの奴等に負けて3位だったけど、友達に驚かれた。
「お前、運動神経良かったんだな」
俺「ああ、クソっ、負けたぁ!」
「しょうがねえよ。気にすんな」
俺「ま、そうだな。勉強じゃ余裕勝ちだし」
「………」
352 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:42:41.38 ID:4k2tiWw0
そして受験勉強の毎日。
夏休みも丸一日家で勉強。
学園祭。
3年生は飲食店。
俺達のクラスは今川焼き。
シフトはそこまで忙しくなかった。
友達数人で校内を回り、遊びまくった。
去年と一昨年の分まで楽しんだ。
季節は冬。
受験勉強も佳境に突入。
俺は家から一番近い国立大を第一志望にした。
偏差値的には余裕。
センターも二次もそこそこ出来た。
多分受かってるだろう。
353 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:43:39.07 ID:4k2tiWw0
卒業式。
高3という今まで生きてきた中で最も大変だったであろう一年を
共に乗り越えた仲間たちと別れの日。
最高の高校生活とは言えなかった。
前原が生きてたら。或いは俺がもっと早く立ち直ったら
全然違ったものになってただろう。
多少の悔いは残ってる。
それでも
「オッチー、打ち上げ行こうぜ」
俺「俺まだ合格決まってないんだけど」
「お前なら余裕だろ?」
俺「まあね。で、どこ行くの?」
「ボーリングかカラオケ」
俺「俺歌下手だからボーリングで」
「だってよ。じゃあカラオケで決定な」
「俺がB'z熱唱してやるよ」
「ドラえもんの主題歌メドレー歌おっと」
俺「おい!」
まあまあ楽しい一年間だった。
二日後、合格通知が届いた。
355 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:44:07.36 ID:4k2tiWw0
これで今日の分はお終いです。
時間があればもっと高校生活のことを書きたかったな。
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:45:10.94 ID:fwR0Nwso
>>355
時間ならいくらでも待ってるんだぜ!
乙!!
360 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:47:11.72 ID:4k2tiWw0
小野寺から返信来たぜ。
「私のこと好きになったの?(片目瞑ってる顔の絵文字)」
なってねえよ。
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:48:31.10 ID:nAhhbIAO
>>360
ノリよすぎて訳分かんなくなってるww
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:49:13.32 ID:Z7WGvEAO
極端過ぎだろww
365 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:49:41.80 ID:4k2tiWw0
多分明日で最後だな。
今の彼女の話して終りにするよ。
確認したいことがあるんだけど、良いかな?
皆、前スレの内容覚えてる?
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:50:43.38 ID:nAhhbIAO
>>365
おう。ちゃんと保存もしてあるんだぜ
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:50:49.11 ID:uKfUzwAO
覚えてる。ログもある
382 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:59:14.42 ID:4k2tiWw0
前スレの最後に俺がスレ立てた理由を書いたんですけど
覚えてます?
397 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 00:13:46.24 ID:SHmWeyQ0
最後に1つ。
クイズ感覚で答えて頂ければ嬉しいです。
俺は何歳だと思いますか?
明日(もう今日か)で分かっちゃうので
今の内に聞いときます。
471 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:13:53.54 ID:SHmWeyQ0
予定時刻より早いですけど、始めましょうか。
今日が最後なんでスローペースで進めて行きたいと思います。
本文に入る前に俺の年齢を発表しますね。
正解は19歳でした。
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:18:05.58 ID:VEneJ6AO
>>471
やっぱそんなもんか。社会人にしては口調に若さが出てたよww
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:18:54.55 ID:/6NdDYAO
19歳!?
じゃあ好きな人を失ったのはつい三、四年前!?
びっくりです
476 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:21:38.61 ID:SHmWeyQ0
春。
俺は大学生になった。
入学式は場所が遠かったので、行くのめんどくさいから華麗にスルー。
そしてクラスオリエンテーションの日。
知り合いなんて一人もいない。
期待と不安で胸が一杯の俺。
隣に座った男と目が合った。
俺「あ、どうも」
吉「…名前、何て言うの?」
俺「落合。あんたは」
吉「俺は吉村」
俺「出身は?」
吉「神奈川」
俺「へえ、神奈川のどこ?」
吉「相模原ってとこ」
俺「神奈川県出身者って大抵相模原な気がする」
吉「そうか?落合は?」
俺「俺は東京。大学まで原付で30分くらい」
吉「近くて良いな」
こんなかんじで暫く自己紹介的な会話が続いた。
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:24:44.88 ID:/6NdDYAO
落合さんとも今日でお別れか…。
478 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:26:42.30 ID:SHmWeyQ0
吉「趣味とかは?」
俺「うーん…漫画読んだり」
吉「どんなの読むの?」
俺「最近ジョジョ読んだ」
吉「マジで?俺もジョジョ好きなんだけど」
俺「6部まで読んだけど、3,4部が一番面白いと思うんだ」
吉「あ、やっぱ?俺もそう思うんだよね。何か気が合うな」
俺「そうだな。よかった、話しが合う友達できるか心配だったんだよ」
吉「お前、俺と友達になれて運良いぜ」
吉村は冗談めかした風にそう言った。
俺「何でだよ?」
講義の取捨選択を有利に進める為の情報でも持ってるのかと思った。
吉「この学部って理系だから女の子少ないじゃん?」
俺「そうだな。ぱっと見4人しかいなかった」
吉「そん中の内の1人と高校一緒で友達なんだよね」
俺「ああ、なるほど」
吉「あれ?そういうのあんまし興味無いの?」
俺「そういうわけでもないんだけどさ」
俺はまだ前原のことが好きだったから、同じ学部の女なんて大して気にならなかった。
この時は。
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:28:58.67 ID:BGfcNFw0
19だったのか。大学生っていうのは当たったな。
前原さんが亡くなって余り経ってないじゃないか・・・
481 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:31:40.81 ID:SHmWeyQ0
自己紹介が始まり、女の子4人がかたまってる班にマイクが回った。
田「田中恵です。出身は~。趣味は~」
吉「あの子がそう」
俺「へえ」
美人でも不細工でもない娘だった。
2人目3人目と自己紹介が終り、最後の女の子。
真「真辺理奈。出身は東京。趣味も特技も無いです。将来の夢や希望も有りません」
吉「今の娘、凄く可愛いよな」
確かに可愛かった。そして、どことなく前原に似ていた。
俺「けど、あの自己紹介はどうかと思うよ」
今まで、クラスに一人はああいうことを言う男子がいたが
女の子でこんなに虚脱感溢れる自己紹介をした奴は見たことがなかった。
ちょっとだけだけど、俺は真辺が気になった。
吉「後で話しかけに行こうぜ」
友達を作るチャンス。乗るべきだろう。
俺「ああ、行こう」
483 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:36:38.18 ID:SHmWeyQ0
クラオリ終了後。
吉「おい、田中」
田「あ、吉村君」
帰り支度をしていた田中に吉村が話しかけた。
他の娘3人も近くにいる。
吉「そっちは4人しかいないからすぐ友達になれて良いね」
田「うん」
「恵ちゃん、知ってる人?」
田「高校一緒だったの」
「そっちは?」
俺と目が合った。
俺「吉村の友達で落合です。よろしく」
田「私は田中です。よろしく」
「よろしく」
「よろしく」
真「じゃあ私帰るね」
真辺が1人で帰ろうとした。
なんだよ、こいつ。
484 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:40:15.68 ID:SHmWeyQ0
俺「いやいやいや。真辺さん、ちょっと待ってよ」
思わず引き止めてしまった。
俺も吉村もこいつと話に来たのに、帰られてしまっては意味が無い。
真「何で私の名前知ってるの?」
俺「さっき自己紹介したじゃん」
田「理奈ちゃん可愛いから覚えられたんだよ」
俺「いや、4人しかいないんだから、覚えてて当たり前でしょ」
「じゃあ私の名前は?」
やばい、ぱっと出てこない。
吉「三井さんでしょ」
吉村、ナイス。
真「で、帰って良い?」
この娘、社交性無さ過ぎ。
485 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:42:40.17 ID:SHmWeyQ0
吉「急いでるの?何か用事?」
真「早く帰らないと弟に先にお風呂入られるから」
かなり意味不明だけど、これ以上話に付き合わせるのは無理そうだった。
俺「ごめんね、引き止めちゃって」
真「じゃあね」
田「うん。ばいばい」
真辺は帰った。
俺と吉村はしょうがなく他の娘達と15分くらい雑談した。
486 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:44:31.98 ID:SHmWeyQ0
真辺を近くで見て思った。
やっぱり顔立ちが前原に似てる。髪質もほぼ同じ。だから横顔は前原にそっくり。
そして真辺は変な娘だった。
顔は可愛いのに化粧気がほとんど無いし、地味なメガネと服装。
性格もあんなだし。
俺は真辺のことが更に気になった。
489 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:48:00.38 ID:SHmWeyQ0
翌週の講義で真辺を見つけた。
1人で座ってたので話かけることにした。
俺「真辺さん、おはよ」
真「………」
微かに肯いただけ。
無愛想。
こういう排他的なところが出会った頃の前原とダブって見えた。
俺「隣座って良い?」
真「他の席がいくらでも空いてると思うんだけど」
俺「知ってる人の近くにいたいじゃん。1人だと心細くて」
真「…別に良いけど」
俺「ありがとう」
嫌われてはいないみたいだった。
490 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:49:05.78 ID:SHmWeyQ0
俺「他の娘は一緒じゃないの?」
4人しかいないんだから、皆で固まって講義を受けていそうだと思った。
真「他の講義は結構一緒だよ。私だけ10単位くらい多く取ってるから」
俺「前期全部で何単位の予定?」
真「34」
取りすぎ。
俺「飛び級でも狙ってんの?」
真「嫌な事は先に済ませる性格だから」
俺はギリギリにならないと頑張れない性格。
そういうところは見習いたいです。
494 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:56:48.58 ID:SHmWeyQ0
毎週、この講義が始まるまでの間、真辺と雑談するのが定例となった。
俺「普段家で何してるの?」
真「最近はネットで漫画落として読んでる」
俺「それ犯罪だよ」
真「アップロードが違法なだけでしょ?」
俺「ちゃんと買いなよ」
真「お金払ってまで読みたくないし」
俺「好きな漫画家とかいるの?」
真「福本伸行」
誰それ?
495 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:57:12.20 ID:SHmWeyQ0
俺「真鍋さんはどんな音楽が好き?」
真「さあ?私、全然音楽聴かないから。聴く時間も無いし」
俺「電車の中で聴いたりは?」
真「外で五感の一つを潰すなんて危ないから」
そうかもしんないけどさ…。
俺「家でレポート書きながらとか…」
真「耳障り。集中できなくなる」
はい、音楽系の話題も無理でした。
497 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:58:00.51 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さんはテレビ観ないの?」
真「バラエティならそこそこ」
俺「ドラマは?」
真「下らないのばっかじゃん。観る気にならない」
俺「友達と話合わないでしょ?」
真「適当に相槌打ってれば会話は成立するから平気」
俺「俺との会話も?」
真「落合はちょっと違うかも」
呼び捨てかよ。
でも、多少特別に思ってもらえてるのは嬉しかった
503 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:04:00.32 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さん、メガネ外してみてよ」
真「何で?」
俺「ちょっと見てみたいなって」
真「…はい」
珍しくすぐに言うことを聞いてくれた。
俺「メガネ無い方が可愛いよ」
正直な感想。
真「当たり前でしょ。度が入ってる分、目が小さく見えるんだから」
褒めてるんだから素直に喜べよ。
504 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:05:06.42 ID:SHmWeyQ0
俺「ねえねえ、メアド教えてよ」
真「どんな用事で私にメールするの?」
俺「いや、特には」
真「じゃあ必要ないでしょ」
普通アドレス聞いたら教えてくれるもんじゃないの?
俺「あ、試験範囲の確認とか」
真「私以外の人に聞けば?落合は友達たくさんいるでしょ?」
俺「真辺さんが一番信用できるから」
真「ああ、そう。……はい」
でも結局は教えてくれるんだよね。
そんでさ、アドレス交換するの乗り気じゃなかった割には
「今何してんの?」
みたいな無意味なメールしても必ず返信してくれるし
「風邪引いた。今日は大学休む」
って送ったら
「大丈夫?ちゃんと病院行った方がいいよ」
とか心配してくれんの。
そういう所が可愛いって言うか、何か凄い惹かれるんだわ。
前原に対する想いとは違うんだけど、これもきっと恋なんだろうね。
509 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:11:27.30 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さんはファッションに興味無いの?」
真「それほどは」
俺「せっかく元が良いんだから、もっとお洒落したら?」
真「しても見せる相手がいないから」
これってつまり、付き合ってる人も気になる人もいないってことじゃん?
そしたら俺にもチャンスがあるわけで。
俺「俺は真辺さんが可愛い格好してるとこ見たいな」
真「落合1人の為にそんなことするのめんどくさい」
撃沈。でも俺は諦めなかった。
俺「じゃあ1000円あげるからやって」
財布から千円札を取り出し、真辺に渡した。
真「本気で言ってるの」
俺「うん」
真「分かった。いつすれば良い?」
こういうところがホント不思議。
俺「明日で良いよ」
真辺の気が変わる前にやってもらおうと思った。
真「じゃあ明日ね」
510 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:11:58.85 ID:SHmWeyQ0
翌日。
この日は真辺と2人だけになる講義は無い。
遠くから見るだけ。
田「理奈、いつもと雰囲気違うね。どうしたの?」
真「別に」
「こっちの方が全然可愛いじゃん。普段からこうしてれば良いのに」
真「コンタクト嫌いだし、スカートもなんか落ち着かないのよね」
「勿体無いなあ」
この日の真辺は前原と同じくらい可愛かった。
それが一番最初に浮かんできた感想だった。
なんだかんだ言ってやっぱりどこかで俺は真辺と前原を比べてる。
そんな自分に少しだけ罪悪感を覚えた。
511 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:16:00.33 ID:SHmWeyQ0
前期が終わった。
夏休みは免許取ったりバイトしたり。
そんで後期。
真辺と被りそうな講義を手当りしだいに取った結果
2人になれる時間が週2回に増えた。
俺「また一緒だね」
真「はあ」
俺「夏休みは何してた?」
真「特に何も」
相変わらずこんな調子の真辺だった。
513 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:19:37.26 ID:SHmWeyQ0
この頃にはもう、自分の気持ちがはっきりしていた。
俺は真辺を好きになっていた。
勿論、前原のことだって忘れてない。
今でも好きだ。
だけど、前原はもういない。
あの日から三年半。
そろそろ次の恋をして良いんじゃないか?
このまま一生前原のことを引きずり続けるのか?
前原が喜んでくれるなら、俺はそうすることを選ぶだろう。
でもきっと、前原はそんなこと望まない。
だって、凄く優しい娘だから。
転校した後の電話で何度も言われた。
前「他に好きな人ができたら、私のことは忘れていいよ」
俺はお前のこと忘れない。永遠に。
だから、新しく人を好きになることを許してくれ。
前『…しょうがないなぁ』
多分、願望からの幻聴だろう。
それでも、俺の心は決まった。
さよなら、前原。
俺、前に進むよ。
515 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:24:31.04 ID:SHmWeyQ0
という訳で、新たな恋に踏み切ることにしたんだけど
そんな俺の決意とか、真辺の方は知ったことじゃないんだよね。
俺「真辺さん」
真「何?」
俺「お昼ごはん一緒に食べない?」
月曜日、他の女の子たちは午前の講義のみで帰ってしまう。
だから真辺は一人で昼休みを過ごすはず。
普通に考えて、誘えばいけるんじゃないかって思った。
真「無理」
瞬殺された。
516 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:28:59.34 ID:SHmWeyQ0
俺「何か用事あるの?」
真「この時間は本屋で立ち読みするって決めてるから」
真辺にとって、俺は本以下の存在なんだね。
俺「昼ごはんはどうするの?」
真「後でおにぎり買って、歩きながら食べる」
俺「行儀悪いよ」
真「誰にも迷惑かけてないから良いでしょ」
まあ、その通りですけど。
俺「ねえ、俺も本屋についてって良い?」
少しでも真辺と一緒にいたいから。
真「良いけど、話掛けられても返事しないからね」
俺「ああ、分かった」
こうして、真辺と2人で本屋に行くことになった。
517 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:31:25.02 ID:SHmWeyQ0
本屋に入り、真辺が向かった先は、就職関係のコーナー。
常識の問題が載ってる本を手に取り、読み始めた。
俺も同じ本を読んでみたけど、つまんない。
俺「こんなの読んで面白いの?」
真「………」
本当に返事してくれないのな。
しょうがないからテキトーに本選んでペラペラ捲ったり
真辺の横顔見てニヤニヤしたりしてた。
真「………そろそろ戻ろっか」
俺「ああ、そう。昼飯はどこで買うの?」
真「今日はそこで良いや」
近くのローソンへ。
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 23:32:16.95 ID:VEneJ6AO
このツン率の高さはクセになるwwww
519 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:32:48.24 ID:SHmWeyQ0
俺「おにぎり好きなの?」
真「おにぎりくらいしか食べる物がないのよ」
俺「サンドイッチは?」
真「マヨネーズが駄目」
俺「でも真辺さんが手に持ってるのは、シーチキンマヨネーズだよ」
真「何故かツナマヨは大丈夫」
なんだかねぇ。
真「飲み物どうしよっかな」
俺「リプトンとかは?」
真「紅茶飲めない」
俺「じゃあそこら辺の果物系のジュースにしたら」
真「500mlも飲みきれないし」
俺「ならペットボトル…」
真「コンビニは高いから嫌」
我侭な奴。
ここで俺は良いことを思いついた。
524 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:36:22.54 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さん、提案があるんだけど」
真「何?」
俺「俺が金出して500mlのジュース買うから、真辺さんが先に好きなだけ飲んでよ。
それで残りは俺が飲むからさ。どう?」
真「そんなことして落合に何の得があるの?」
俺「可愛い娘と間接キスできる」
男らしくはっきりと言ってやった。
真「じゃあそうして。ジュースは私が選んで良いの?」
反応薄いよ…。
俺「あ、ああ。どうぞ」
真「これで」
158円の葡萄ジュース。
わざと高いの選んだのか?
別にいいけどさ。
俺「俺も葡萄好きなんだよね」
真「やっぱりイチゴにしよっかな」
この娘は何を考えてるんだろう?
俺「真辺さん、性格悪いって言われない?」
真「言われないよ」
俺「………」
去年一番、真辺と喋れた日のことでした。
526 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:44:40.47 ID:SHmWeyQ0
代わり映えのしない日々が続き、年が明け、1月末。
ほとんどの試験が終わり、もうすぐ春休み。
俺「春休みは何するの?」
真「予定無い」
俺「バイトとかしないの?」
真「お金に困ってないから」
俺「そっか」
途切れる会話。
俺は思い切って真辺を誘ってみることにした。
俺「ねえ、真辺さん。春休み暇なら、俺と一緒にどっか遊びに行かない?」
真「何で私なの?他の友達と行けば?」
ここ半年、ほとんど真辺と進展しなかった。
きっとこのままじゃ駄目なんだろうと思い
俺ははっきりと想いを伝えた。
俺「真辺さんと行きたいんだ」
真「どうして?」
俺「真辺さんが好きだから」
真「………そうなんだ」
そう言ったっきり、真辺は口を開いてくれなかった。
531 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:50:00.12 ID:SHmWeyQ0
その日の夜。
初めて、真辺の方からのメール。
真「良く考えたら私も落合のこと好きかもしれない」
何をどう良く考えたのかなんて、この際どうでも良かった。
すぐに返信した。
俺「どういう意味での好き?友達として?異性として?」
真「どっちも」
俺「じゃあさ、俺が付き合ってって言ったら付き合ってくれるの?」
真「うん」
俺「付き合ってください」
真「いいよ」
こうして俺は、真辺と付き合うことになった。
537 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:54:28.25 ID:SHmWeyQ0
2月8日。
今年度最後の講義終了後。
俺「真辺さん、ちょっと待って」
真「ん?」
田「あ、落合君」
田中と一緒に歩いてた真辺を呼びとめた。
俺「この後忙しい?」
真「ううん」
俺「話があるんだけど」
あのメールの後、直接会うのは今日が初めて。
聞いておきたいことが幾つかあった。
真「途中まで恵と帰るつもりだったんだけど」
田「別にいいよ。どうせ電車逆方向だし」
真「そう」
俺「ごめんね、田中さん」
田「ううん。じゃあね」
真辺と2人きりになった。
539 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:56:42.55 ID:SHmWeyQ0
俺「聞きたいことがあるんだけど」
真「何?」
俺「俺達、今付き合ってるんだよね?」
真「そうだね」
俺「ホントに俺のこと好きなの?」
真「そうだよ」
俺は真辺に好かれてる自信が無かった。
だってずっとあんな調子だったじゃん。
いきなり好きて言われても信じられないでしょ。
俺「言い方悪いかもしんないけど、気持ちが伝わって来ないって言うか」
真「なら、どうして欲しいの?」
俺「いや、特に何かして欲しいってわけじゃ…」
真「これで良い?」
俺「え?」
真辺に抱き締められた。
540 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:57:11.02 ID:SHmWeyQ0
一秒くらいで開放される。
真「気持ち、伝わった?」
俺「……お前、計算でやってるだろ?今の言葉も」
真「まあね。でも、好きな相手にしかそういうことしないよ」
俺「………ありがと」
真「キスから先はまだ駄目だよ」
俺「わかった」
今はこれだけで十分だった。
俺「後さ、理奈って呼んで良い?」
真「いいけど、私はこれからも落合のことは落合って呼ぶよ」
俺「はあ、そうですか」
やっぱりどこか変な娘だった。
545 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:02:09.41 ID:tSqLsRQ0
ちょっと聞きたいんだけど
俺って本当に真辺に好かれてんのかな?
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:04:22.29 ID:HvG2ilE0
>>545
ちょwwそうきたかww
真辺さんを実際に知らないとなんとも・・・
・・・愛情表現の下手な人なんじゃないか?
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:04:59.23 ID:7cgToxo0
>>545
俺らに聞くなww
俺は好かれてると思うけど・・・。
550 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:05:18.40 ID:tSqLsRQ0
>>546
なかなかタイミングが掴めなくて。
そろそろ下の名前で呼ぼっかなって思った時に…。
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:06:26.32 ID:7cgToxo0
>>550
あ・・・、そう・・・か・・・。
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:04:11.74 ID:/3rf/UAO
振られたんじゃなかったのか俺の記憶違いか
552 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:06:26.34 ID:tSqLsRQ0
>>547
今からその話になる。
5レスくらいで終わるけど。
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:08:44.29 ID:7cgToxo0
よし・・・、聞こうじゃないか・・・
555 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:10:32.67 ID:tSqLsRQ0
一週間前の昼頃、真辺から電話が来た。
真「弟が部屋に女の子連れ込んでる」
俺「は?」
真「私が帰ってきたこと、気付いてないみたい」
俺「………」
真「家には誰もいないと思ってる。放っておいたら行為に及びそう」
俺「何でそんなこと分かるの?」
真「さっきまで部屋の前で聞き耳立ててたから」
何やってんだよ…。
真「止めるべきだよね?」
俺「弟さん、いくつ?」
真「次で高2」
俺「…そっとしておいてあげなよ」
真「早くない?」
俺の友達の大半は、中学卒業するまでには済ませてたし。
俺「今時普通じゃないの?」
真「………」
電話が切れた。
558 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:13:10.92 ID:tSqLsRQ0
数分後。
真「断固阻止。女の方は帰らせた。今日の夜は家族会議ね」
真辺の弟、可哀想に。
俺「どうしてそこまでするんだよ?」
真「……せっかくだから私の恋愛感を聞いてくれる?」
ぜひ聞きたいと思った。
俺「うん」
真「私、処女でしょ」
俺「そうなの?」
真「うん。付き合うのも落合が初めて」
まあ、その性格じゃそうだろうね。
真「初体験は相手も初めてが良い」
何だって?
真「というか、経験ある人は好きになれない」
………終わった。
一応俺は童貞だってことにしたおいたけど、もう駄目だ。
560 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:13:48.75 ID:tSqLsRQ0
真辺は俺を童貞だと思っているらしかった。
それに関しては心当たりがあった。
去年の10月頃。
俺「何ケータイ見ながらニヤニヤしてんだよ?女か?」
吉「まあね」
俺「誰?」
吉「同じサークルの娘。可愛いよ。写真見る?」
俺「見せて」
吉「はい」
大して可愛くなかった。
吉「どうよ?」
俺「うん。分かるよ」
たとえ円滑な人間関係を保つ為とはいえ、自分に嘘はつきたくなかった。
だから、こういう曖昧な表現が許される日本の文化は素晴らしいと思う。
561 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:14:13.55 ID:tSqLsRQ0
吉「それに、胸大きいんだ。Fくらいあるかも」
元々そういう話題は好きじゃないし
俺達の声が聞こえる場所に真辺がいる。
下ネタは避けたかった。
俺「はあ、そんなこと言われてもねえ」
吉「やっぱ大きい方が良いよな」
俺「はいはい」
吉「俺、今月中にはその娘に告るわ」
俺「は?」
吉「もうそろそろ童貞捨てたい」
これだけ回りに人がいるのに、よくこういう事言えるのな。
俺「精々頑張ってくれ」
562 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:14:43.42 ID:tSqLsRQ0
吉「そう言えば、落合は誰かと付き合ったことあるの?」
俺「ないよ」
言及されるのが嫌だから嘘をついた。
いちいち前原が死んだ話なんてしたくなかった。
吉「じゃあお前も童貞か」
俺「うるせえよ」
吉「このまま上手くいけば俺の勝ちだな」
俺「勝手にしてくれ」
多分、この会話を聞いて、真辺は俺を童貞だと勘違いしたんだと思う。
そういうわけで、間接的に振られちゃいました。
566 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:17:09.23 ID:tSqLsRQ0
このことが悲しくて、先週スレを立てた。
締まらない終りで申し訳ないが、これで全部です。
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:17:48.71 ID:EtmNE5Q0
>>566
おいおいおい
直接もう付き合うのやめようって言われたわけじゃないのか?
569 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:18:31.40 ID:tSqLsRQ0
>>567
うん。
黙ってればこのまま続いてくと思う。
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:19:45.24 ID:u4d702AO
乙ではなく、お疲れ様と言わせて貰いたい。
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:18:48.74 ID:HvG2ilE0
真辺にはオッチーが童貞じゃないこと言ったのか?
574 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:21:01.12 ID:tSqLsRQ0
>>570
言ってないし、俺が言わなきゃこの先知られることもないと思う。
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:22:14.15 ID:7cgToxo0
>>574
オッチーどうしたいのか言ってみ。
580 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:24:22.86 ID:tSqLsRQ0
選択肢としては
1:このまま嘘ついて付き合い続ける。
2:プライドの為にこっちから振ってやる。
3:今まであったことを全部話す。
俺は最初、1を選ぼうとした。
だけどそれだと、前原との思い出を否定することになる気がするんだ。
俺は前原と体を重ねられてよかったと思ってる。
だからそういう嘘は吐きたくない。
それに、俺はまだ前原のことを好きなんだ。
もしも今、真辺が死んだとして、神様が前原と真辺のどっちかを生き返らせてくれるとしたら、俺はきっと前原を選ぶ。
そりゃあ、出会ってからの時間が違い過ぎるから、しょうがないと言えばそうだけど
それでも、これじゃあ真辺に失礼だよな。
ということで、選択肢3にする。
いまからこのスレを真辺に見せる。
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:26:23.64 ID:MXNxP2A0
スレを見せるのか・・・。それより直接言ったほうがいいんじゃないか?
586 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:27:37.38 ID:tSqLsRQ0
>>583
直接だと上手く伝える自信がないから。
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:26:49.25 ID:7cgToxo0
>>580
>前原との思い出を否定することになる
あー、それがあったわ・・・
ちゃんとしたの見せたほうがいいんでないの?
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:31:51.54 ID:rUTbbpoo
たとえ結果が駄目だったとしてもおまえの選択は間違ってないと思うぞ
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:32:00.29 ID:vRQ.cSIo
うまく伝えられる自信がなくてもそれはちゃんと言わないとだめだろ。
ほんとに真辺さんのことが好きなら3を選べよ。
大事なのはお前の口から伝えることだ。
592 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:34:03.55 ID:tSqLsRQ0
>>591
後でちゃんと電話もするから、今はこれで許してくれ。
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:35:01.52 ID:7cgToxo0
真辺さん起きてんのかなぁ?
594 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:36:34.21 ID:tSqLsRQ0
返信が来た。
真「何これ?面白いの?今日はもう寝るから明日読むね」
だそうです。
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:39:07.90 ID:HvG2ilE0
じゃあこのスレ明日まで続くのか?
600 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:42:04.27 ID:tSqLsRQ0
>>597
いえ、今日(もう日付変わってるけど)で最後にします。
もう十分書きたいことが書けたんで。
やや不完全燃焼気味ですが、これで終りです。
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:45:11.25 ID:AWnoUoAO
>>600
なんでこれで終わりなんだよ?
オッチーと真辺さんがどうなるのか見届けさせてくれよ!
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:46:47.35 ID:qweuqMAO
>>602
真辺さんがここをみる以上難しいんじゃね?
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:48:41.02 ID:AWnoUoAO
>>603
そうか…
でもなぁ…
604 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:48:04.69 ID:tSqLsRQ0
今日はもう寝ます。
一週間もの長い間付き合っていただき、ありがとうございました。
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:48:06.03 ID:EgCOxb60
オッチー乙、後は真辺さんの反応待ちか
まさか過去話から現在直面している問題に発展するとは思わなかった。
最後まで見届けさせていただきます。
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:51:36.42 ID:AWnoUoAO
>>604
オッチー、お疲れ。
ありがとう。
俺、一生あんたのこと忘れない。忘れたくない。
さよなら。
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/22(火) 01:15:22.39 ID:CmYIVJ2o
丸一年前の話だったのかこのスレ、時は早いな
その後、◆tsGpSwX8moの書き込みはありませんでした・・・。
引用:誰か俺の昔語りに付き合ってくれないか
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1206730674/
アイドルマスター2の予約開始キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!高校までは片道1時間弱。
決して近くはない。
前原と一緒に居たかったから、この高校を選んだ。
前原に会えるなら、そんな通学時間も苦じゃなかった。
もう、それだけの時間を掛けてまで、毎日学校に行く理由なんて、無い。
段々とサボりがちに。
留年しない程度には授業に出席した。
学校行事は単位に関係無いので休んだ
2年次は体育祭も球技大会も学園祭も、全部行かなかった。
だからといってそれで交友関係が崩れたりはしなかった。
俺はサボりキャラとして友達と上手くやってけた。
授業を欠席しても、試験で赤点を取らなくて済むように
自宅でそれなりの勉強はした。
成績もまあまあ。
そんな、どこにでも居る高校生。
305 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:51:43.50 ID:4k2tiWw0
このままで良かった。
別に悪い所なんて無い。
ただ、高校生活を楽しめてないってだけで。
残り一年もこんな感じで行けばいいだろう。
今の成績をキープすれば、そこそこの大学に入れるだろうし。
年が明け、もうすぐ春。
皆が真剣に志望校を決め始める。
「オッチーはどこ行くの?」
俺「○○大」
「もっと上狙ったら?」
俺「ここが一番近いから。お前は?」
「早稲田」
俺「無謀だな」
「だけど、どうしても早稲田じゃないと駄目なんだよね」
俺「ふぅん。ま、頑張れよ」
きっと、夢があるのだろう。
俺には、何も無いな。
前原が居てくれれば、それで良かったんだ。
前原と一緒なら、何をしてても楽しかったから。
306 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:52:34.59 ID:4k2tiWw0
進級。
高校3年生になった。
でも、何も変わらない。
今まで通り。
家で勉強して、学校で友達と適当に喋って。
そんな毎日の繰り返し。
楽しくはないけど、適度に忙しい。
それが凄く助かった。
4月下旬。
あと一週間でゴールデンウィーク。
俺の部屋のカレンダーには印が付けられている。
一昨年、前原が遊びに来た日に。
もう2年、か。
あっという間だな。
今年も墓参りに行こう。
受験勉強の息抜きにもなるだろう。
307 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:54:10.43 ID:4k2tiWw0
初めて墓参りに行ったのは一昨年(高1)の夏。
住所録を頼りに前原の家まで行った。
20分ほど道に迷いつつもどうにか到着。
前原の実家。
築30年くらい経ってそうな、お世辞にも綺麗とは言えない家。
事前に連絡入れてないから、もしかしたら留守かもしれない。
まあ、居なければまた明日も来れば良いさ。
どうせ夏休みで暇だし。
…でも、電車賃が結構掛かるんだよな。
ああ、やっぱ電話してから来れば良かったかも。
そんなことを考えながらインターホンを押した。
幸いにも、すぐに前原の母親が出てきた。
俺「あ、えと、前原…さんの……友達の落合です」
「ああ。落合君?ずいぶん大きくなったわねぇ」
一度しか会ったことがなかったのに、俺のことを覚えててくれた。
「わざわざ遠くから来てくれてありがとう」
俺「いえ、そんな」
「外は暑かったでしょう?もし良かったら中へどうぞ」
せっかくだし入れてもらうことにした。
308 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 22:57:56.77 ID:4k2tiWw0
廊下で前原の祖母と遭遇。
軽く会釈。
きっと向こうは俺が誰だか知らなかったんだろう。
冷房の効いたリビングヘ通された。
「はい、どうぞ」
グラスに入ったサイダー。
俺「ありがとうございます」
喉が渇いてたので一気飲みした。
「今日はどうしたの?」
俺「前原さんのお墓参りに」
「ありがとう。沙希も喜ぶと思うわ」
俺「あまり長居しても迷惑なんで、そろそろ行きます。場所だけ教えてください」
「だったら車で送りましょうか?」
暑い中を歩きたくなかったんで、好意に甘えることに。
俺「お願いします」
311 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:02:01.30 ID:4k2tiWw0
車の中で前原のことを聞かせてもらった。
殆ど前原の母の独白みたいな感じだったけど。
「親の都合で転校ばっかりで、沙希には辛い思いをさせたわ」
「6年生の転校の時は凄く大変だったのよ」
「落合君と離れたくないって大泣きして、家出までしようとしたり」
「私が沙希に学校の話を聞いても、落合君の話しかしてくれなかったのよ」
「落合君のこと大好きだったのね」
「高校受験の時も、毎晩1時過ぎまで勉強してたみたい」
「無理しないでもっと簡単なところにしたら、って言っても」
「落合君と同じ高校じゃなきゃ嫌なの!って」
「高校入学してすぐの頃だったかしら」
「今日から私がご飯作るなんて言いだして」
「理由を聞いたら、落合君と結婚するのに必要なの!だって」
「私、笑っちゃた」
「沙希の好きなった人が落合君で良かったわ。本当に、ありがとう」
前原のお母さんが泣いてた。
俺も泣いた。
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:04:16.21 ID:fwR0Nwso
>>311
俺も泣いた…
涙もろくてかなわん
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:03:12.31 ID:Z7WGvEAO
いい娘だな…
313 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:03:25.80 ID:4k2tiWw0
俺「後は一人で大丈夫です」
「そう?じゃあ私はこれで…」
俺「あ、ちょっと待って下さい」
「何かしら?」
俺「最後に、前原は何か俺のこと言ってましたか?」
一番に気になっていたこと。
今際の際に前原が何を思ってたのか。
「ごめんなさい。急なことだったから…」
言葉を残す時間も無かったんだ。
俺「…そうですか。分かりました」
315 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:04:17.17 ID:4k2tiWw0
ここで前原の母親と別れ、墓地へ。
周りには年寄りしか居なかった。
「あら?学生さん?どうしたの?」
俺「友達の墓参りに」
「偉いわねえ」
何故か飴をくれた。
流石は田舎。
だだっ広い霊園。
前原家の墓を見つけるだけで一苦労だった。
俺は正しい墓参りの仕方なんて知らない。
墓の前で手を合わせるだけ。
10分ぐらいそうしてた。
虚しいだけだった。
これはただの石。
前原じゃない。
こんなことしても意味が無い気がした。
だけど、来年もまた来ようと思った。
316 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:06:53.12 ID:4k2tiWw0
ここら辺時間軸が分かりづらかったたすいません。
次から306の続きです。
317 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:07:36.39 ID:4k2tiWw0
ゴールデンウィークまでに、センター化学の問題集を一冊終わらせる予定だった。
思ったより無機化学の分野が頭から抜けていたので、少しペースアップをしないと間に合わない。
気合を入れてやらないと。
暗記項目の再確認に取りかかる。
そんな時、小野寺から電話が掛かって来た。
321 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:12:50.30 ID:4k2tiWw0
小「もしもし、とも君。久しぶり」
俺「何か用?」
小「小学校の同窓会やるんだけど、来るよね?」
出席する気が起きなかった。
俺「いや、行かない」
小「え、何で?」
俺「受験勉強が忙しいから」
誘いを断る常套句。
小「まだ一年近くあるじゃん。それにとも君頭いいから大丈夫だよ」
俺「…悪いけど、マジで行く気ないから」
小「そっか…」
俺「そんじゃ、切るね」
小「あ、ちょっと待って」
俺「何だよ?」
小「沙希にもこのこと伝えといてよ」
ずいぶん久しぶりに前原の名前を聞いた。
未だに悲しみが込み上げてくる。
俺「無理」
小「何で?高校一緒なんでしょ?」
俺「死んだから」
323 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:14:58.39 ID:4k2tiWw0
小「は?」
俺「言ってなかったっけ?一昨年の5月に病気で」
小「嘘でもそういうことは言っちゃ駄目だよ」
まあ、いきなりそんなこと言われても信じないだろうね。
俺「こんな下らない冗談言うわけねーだろ!」
意図的に怒鳴ってみた。
小「…本当なの?」
俺「………」
小「ごめん」
俺「…じゃあな」
電話を切った。
十数分後、小野寺が俺の家に来た。
327 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:18:33.92 ID:4k2tiWw0
俺「何しに来たの?」
はっきし言ってウザかった。
小「とも君と話しようと思って」
俺「お前って昔から何でもかんでも首突っ込みたがるよな」
小「そういうつもりじゃ…」
俺「とりあえずこっち」
家の前で立ち話して親に見られるのが嫌だった。
目的地を決めることなく夜道を歩く。
小「ねえ、沙希のこともっと詳しく教えて」
小野寺には話すべきなんだろう。
小学生の頃、前原と一番仲の良い友達だったから。
俺「一昨年の5月に―――」
2年前にあったことを出来るかぎり事細かに話した。
小「…そうなんだ」
俺「これでいいだろ。俺はもう帰る」
言うべきことは全部言った。もう、良いだろう。
小「待ってよ」
袖口を捕まれた。
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:20:06.33 ID:fwR0Nwso
小野寺は俺の嫁!
とか茶化す気にもなれない…
うう…
332 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:22:01.88 ID:4k2tiWw0
俺「まだ何かあんの?」
小「沙希が死んだから、とも君は今、こんななの?」
俺「こんな?」
小「何て言うか、覇気が無くて暗い」
暗い、か。
学校では明るく振舞ってるつもりだった。
実際、暗いなんていわれた事は一度も無かった。
小野寺には気を使う必要が無いので、今はほぼ素の自分で喋ってる。
その結果、覇気がなくて暗いと言われたなら、多分その通りなのだろう。
この時の俺は、明るい人間を演じられる暗い奴だった。
俺「しょうがないだろ。何やってもやる気出ないしつまんないんだから」
小「そんなんじゃ沙希も喜ばないよ」
どうして断定できるんだよ?
俺「もう死んでる前原が喜んだり悲しんだり出来るわけないだろ」
小「それでも沙希は、自分がもうすぐ死ぬって時に、とも君がこうなることを望んでなかったと思う」
そんなこと分からない。
前原は俺に何の言葉も残すことなく逝ってしまった。
俺「お前は前原じゃないだろ。何が分かるんだよ!」
339 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:25:33.08 ID:4k2tiWw0
小「とも君が沙希の立場だったら、自分が死んだ後、沙希にずっと悲しんでて欲しいの?」
小野寺に言われるまでもない。
前原が死んだ時から何度考えたことか。
俺「欲しくない。俺の分まで楽しく生きて欲しい」
答えは出てた。
小「沙希もきっと同じだよ」
でも、納得はできなかった。
俺「別に良いだろ。俺が勝手に悲しんでるだけなんだから」
小「馬鹿じゃないの?最低っ!何であんたなんかが沙希の彼氏だったのよ!!」
俺「っ!」
小野寺に罵倒されたのは初めて。
小野寺が泣いているところを見たのも初めて。
小「…もういいよ。勝手にしたら」
友達に見捨てられた瞬間だった。
341 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:30:53.53 ID:4k2tiWw0
家に帰って勉強を再開しようとしたけど、全然駄目だった。
小野寺のことで頭がいっぱいで、問題に集中できない。
もうやめて寝る事にした。
布団に入り目を瞑るが、眠れない。
小野寺の泣き顔がちらつく。
俺は普段絶対泣かないような娘を泣かした。
それは多分、俺が尋常じゃないレベルで間違ってるということだろう。
ケータイを開いて、あの写真を見た。
前原が笑ってる。
隣の俺も笑ってる。
今ここに前原がいたら、俺に対して微笑んでくれるか?
……くれないな。
逆の立場で考えれば簡単に分かる。
前原が泣いてたら俺は笑えない。
前原が笑ってるから俺も笑えるんだ。
俺が泣いてるのに前原が笑ってくれるはずが無い。
………もう、泣くのは止めよう。
笑うんだ。
前原の為に。
最初は無理矢理でも良い。
いつかきっと自然に笑えるようになれるから。
前原、今までごめんな。
俺、頑張るよ。
342 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:31:34.24 ID:4k2tiWw0
すぐに小野寺にメールを打った。
俺「さっきはごめん。俺が間違ってた。明日から明るくなれるよう頑張るわ。おやすみ」
1分足らずで返信が来た。
小「今から15分後、さっきの場所に来て」
時刻は10時半。
まだそんなに遅くでもないので、言われた通りに行くことにした。
343 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:32:13.17 ID:4k2tiWw0
俺「待った?」
小「ううん」
俺「さっきはごめんね」
小「いいよ。私も言い過ぎたから」
俺「俺は前原のこと忘れない。でも、前原を理由に塞ぎこむのはもう止める」
小「そうだよ。暗いとも君なんて、とも君らしくないから」
俺「泣いてる小野寺も小野寺らしくないよ」
小「誰のせいだと思ってるの?」
俺「ごめんね」
小「もう良いってば」
俺「お前、良い奴だな。こんな時間にまで会いに来てくれるし」
小「そんなことないよ。他の人にはここまでしない」
俺「何で俺にはしてくれんの?」
小「とも君は大切な友達だから」
俺「…ありがとな。でもいい加減とも君はやめてくれ」
小「オッチーって言いにくいんだもん」
俺「そっか。じゃあ良いや」
小「それじゃ、もう遅いし帰えろっか」
俺「家まで送ろうか?」
小「大丈夫」
俺「いいから、送らせてよ」
小「そう?ありがと。なら送ってもらおっかな」
吹き付ける夜風とは対照的に、俺の心は暖かいもので満たされていた。
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:34:45.12 ID:nAhhbIAO
小野寺さんみたいな人って一人は友達に欲しいよなー
感謝だな…
345 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:36:46.01 ID:4k2tiWw0
>>344
俺も滅茶苦茶感謝してる。
今から「ありがと」ってメール送るわ。
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:37:51.62 ID:nAhhbIAO
>>345
今から?あの時はありがとう、って?
347 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:39:10.89 ID:4k2tiWw0
>>346
「ありがと」の一言だけ送っといた。
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:40:09.07 ID:nAhhbIAO
>>347
いきなりだと訳分かんなくないか?wwwwww
350 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:41:38.56 ID:4k2tiWw0
>>349
小野寺はノリが良いから大丈夫でしょ。
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:42:24.88 ID:Mp7Blpwo
>>350
お前律儀に反応するのな、そういうところ好きだぜ
つづきwwwwww
348 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:39:50.62 ID:4k2tiWw0
翌日から、俺は積極的にクラスメイトと関わるようになった。
今までは自分から話しかけには行かなかった。
黙ってても誰かが声を掛けてくれたから。
それも昨日でお終い。
俺「おはよう。今日も良い天気だな」
「余裕で雨振ってるけどね」
「オッチー。今日はいつもとテンション違くない?」
俺「ま、いいじゃん。最後の一年だし、楽しく行こうぜ」
下らない話で盛り上がったり、互いに勉強を教えあったり。
また、学校が楽しいと思えるようになった。
去年はサボった体育祭、今年も一昨年と同じく徒競走に参加した。
結果はスポクラの奴等に負けて3位だったけど、友達に驚かれた。
「お前、運動神経良かったんだな」
俺「ああ、クソっ、負けたぁ!」
「しょうがねえよ。気にすんな」
俺「ま、そうだな。勉強じゃ余裕勝ちだし」
「………」
352 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:42:41.38 ID:4k2tiWw0
そして受験勉強の毎日。
夏休みも丸一日家で勉強。
学園祭。
3年生は飲食店。
俺達のクラスは今川焼き。
シフトはそこまで忙しくなかった。
友達数人で校内を回り、遊びまくった。
去年と一昨年の分まで楽しんだ。
季節は冬。
受験勉強も佳境に突入。
俺は家から一番近い国立大を第一志望にした。
偏差値的には余裕。
センターも二次もそこそこ出来た。
多分受かってるだろう。
353 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:43:39.07 ID:4k2tiWw0
卒業式。
高3という今まで生きてきた中で最も大変だったであろう一年を
共に乗り越えた仲間たちと別れの日。
最高の高校生活とは言えなかった。
前原が生きてたら。或いは俺がもっと早く立ち直ったら
全然違ったものになってただろう。
多少の悔いは残ってる。
それでも
「オッチー、打ち上げ行こうぜ」
俺「俺まだ合格決まってないんだけど」
「お前なら余裕だろ?」
俺「まあね。で、どこ行くの?」
「ボーリングかカラオケ」
俺「俺歌下手だからボーリングで」
「だってよ。じゃあカラオケで決定な」
「俺がB'z熱唱してやるよ」
「ドラえもんの主題歌メドレー歌おっと」
俺「おい!」
まあまあ楽しい一年間だった。
二日後、合格通知が届いた。
355 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:44:07.36 ID:4k2tiWw0
これで今日の分はお終いです。
時間があればもっと高校生活のことを書きたかったな。
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:45:10.94 ID:fwR0Nwso
>>355
時間ならいくらでも待ってるんだぜ!
乙!!
360 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:47:11.72 ID:4k2tiWw0
小野寺から返信来たぜ。
「私のこと好きになったの?(片目瞑ってる顔の絵文字)」
なってねえよ。
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:48:31.10 ID:nAhhbIAO
>>360
ノリよすぎて訳分かんなくなってるww
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:49:13.32 ID:Z7WGvEAO
極端過ぎだろww
365 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:49:41.80 ID:4k2tiWw0
多分明日で最後だな。
今の彼女の話して終りにするよ。
確認したいことがあるんだけど、良いかな?
皆、前スレの内容覚えてる?
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:50:43.38 ID:nAhhbIAO
>>365
おう。ちゃんと保存もしてあるんだぜ
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/03(木) 23:50:49.11 ID:uKfUzwAO
覚えてる。ログもある
382 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/03(木) 23:59:14.42 ID:4k2tiWw0
前スレの最後に俺がスレ立てた理由を書いたんですけど
覚えてます?
397 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 00:13:46.24 ID:SHmWeyQ0
最後に1つ。
クイズ感覚で答えて頂ければ嬉しいです。
俺は何歳だと思いますか?
明日(もう今日か)で分かっちゃうので
今の内に聞いときます。
471 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:13:53.54 ID:SHmWeyQ0
予定時刻より早いですけど、始めましょうか。
今日が最後なんでスローペースで進めて行きたいと思います。
本文に入る前に俺の年齢を発表しますね。
正解は19歳でした。
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:18:05.58 ID:VEneJ6AO
>>471
やっぱそんなもんか。社会人にしては口調に若さが出てたよww
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:18:54.55 ID:/6NdDYAO
19歳!?
じゃあ好きな人を失ったのはつい三、四年前!?
びっくりです
476 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:21:38.61 ID:SHmWeyQ0
春。
俺は大学生になった。
入学式は場所が遠かったので、行くのめんどくさいから華麗にスルー。
そしてクラスオリエンテーションの日。
知り合いなんて一人もいない。
期待と不安で胸が一杯の俺。
隣に座った男と目が合った。
俺「あ、どうも」
吉「…名前、何て言うの?」
俺「落合。あんたは」
吉「俺は吉村」
俺「出身は?」
吉「神奈川」
俺「へえ、神奈川のどこ?」
吉「相模原ってとこ」
俺「神奈川県出身者って大抵相模原な気がする」
吉「そうか?落合は?」
俺「俺は東京。大学まで原付で30分くらい」
吉「近くて良いな」
こんなかんじで暫く自己紹介的な会話が続いた。
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:24:44.88 ID:/6NdDYAO
落合さんとも今日でお別れか…。
478 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:26:42.30 ID:SHmWeyQ0
吉「趣味とかは?」
俺「うーん…漫画読んだり」
吉「どんなの読むの?」
俺「最近ジョジョ読んだ」
吉「マジで?俺もジョジョ好きなんだけど」
俺「6部まで読んだけど、3,4部が一番面白いと思うんだ」
吉「あ、やっぱ?俺もそう思うんだよね。何か気が合うな」
俺「そうだな。よかった、話しが合う友達できるか心配だったんだよ」
吉「お前、俺と友達になれて運良いぜ」
吉村は冗談めかした風にそう言った。
俺「何でだよ?」
講義の取捨選択を有利に進める為の情報でも持ってるのかと思った。
吉「この学部って理系だから女の子少ないじゃん?」
俺「そうだな。ぱっと見4人しかいなかった」
吉「そん中の内の1人と高校一緒で友達なんだよね」
俺「ああ、なるほど」
吉「あれ?そういうのあんまし興味無いの?」
俺「そういうわけでもないんだけどさ」
俺はまだ前原のことが好きだったから、同じ学部の女なんて大して気にならなかった。
この時は。
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 22:28:58.67 ID:BGfcNFw0
19だったのか。大学生っていうのは当たったな。
前原さんが亡くなって余り経ってないじゃないか・・・
481 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:31:40.81 ID:SHmWeyQ0
自己紹介が始まり、女の子4人がかたまってる班にマイクが回った。
田「田中恵です。出身は~。趣味は~」
吉「あの子がそう」
俺「へえ」
美人でも不細工でもない娘だった。
2人目3人目と自己紹介が終り、最後の女の子。
真「真辺理奈。出身は東京。趣味も特技も無いです。将来の夢や希望も有りません」
吉「今の娘、凄く可愛いよな」
確かに可愛かった。そして、どことなく前原に似ていた。
俺「けど、あの自己紹介はどうかと思うよ」
今まで、クラスに一人はああいうことを言う男子がいたが
女の子でこんなに虚脱感溢れる自己紹介をした奴は見たことがなかった。
ちょっとだけだけど、俺は真辺が気になった。
吉「後で話しかけに行こうぜ」
友達を作るチャンス。乗るべきだろう。
俺「ああ、行こう」
483 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:36:38.18 ID:SHmWeyQ0
クラオリ終了後。
吉「おい、田中」
田「あ、吉村君」
帰り支度をしていた田中に吉村が話しかけた。
他の娘3人も近くにいる。
吉「そっちは4人しかいないからすぐ友達になれて良いね」
田「うん」
「恵ちゃん、知ってる人?」
田「高校一緒だったの」
「そっちは?」
俺と目が合った。
俺「吉村の友達で落合です。よろしく」
田「私は田中です。よろしく」
「よろしく」
「よろしく」
真「じゃあ私帰るね」
真辺が1人で帰ろうとした。
なんだよ、こいつ。
484 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:40:15.68 ID:SHmWeyQ0
俺「いやいやいや。真辺さん、ちょっと待ってよ」
思わず引き止めてしまった。
俺も吉村もこいつと話に来たのに、帰られてしまっては意味が無い。
真「何で私の名前知ってるの?」
俺「さっき自己紹介したじゃん」
田「理奈ちゃん可愛いから覚えられたんだよ」
俺「いや、4人しかいないんだから、覚えてて当たり前でしょ」
「じゃあ私の名前は?」
やばい、ぱっと出てこない。
吉「三井さんでしょ」
吉村、ナイス。
真「で、帰って良い?」
この娘、社交性無さ過ぎ。
485 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:42:40.17 ID:SHmWeyQ0
吉「急いでるの?何か用事?」
真「早く帰らないと弟に先にお風呂入られるから」
かなり意味不明だけど、これ以上話に付き合わせるのは無理そうだった。
俺「ごめんね、引き止めちゃって」
真「じゃあね」
田「うん。ばいばい」
真辺は帰った。
俺と吉村はしょうがなく他の娘達と15分くらい雑談した。
486 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:44:31.98 ID:SHmWeyQ0
真辺を近くで見て思った。
やっぱり顔立ちが前原に似てる。髪質もほぼ同じ。だから横顔は前原にそっくり。
そして真辺は変な娘だった。
顔は可愛いのに化粧気がほとんど無いし、地味なメガネと服装。
性格もあんなだし。
俺は真辺のことが更に気になった。
489 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:48:00.38 ID:SHmWeyQ0
翌週の講義で真辺を見つけた。
1人で座ってたので話かけることにした。
俺「真辺さん、おはよ」
真「………」
微かに肯いただけ。
無愛想。
こういう排他的なところが出会った頃の前原とダブって見えた。
俺「隣座って良い?」
真「他の席がいくらでも空いてると思うんだけど」
俺「知ってる人の近くにいたいじゃん。1人だと心細くて」
真「…別に良いけど」
俺「ありがとう」
嫌われてはいないみたいだった。
490 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:49:05.78 ID:SHmWeyQ0
俺「他の娘は一緒じゃないの?」
4人しかいないんだから、皆で固まって講義を受けていそうだと思った。
真「他の講義は結構一緒だよ。私だけ10単位くらい多く取ってるから」
俺「前期全部で何単位の予定?」
真「34」
取りすぎ。
俺「飛び級でも狙ってんの?」
真「嫌な事は先に済ませる性格だから」
俺はギリギリにならないと頑張れない性格。
そういうところは見習いたいです。
494 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:56:48.58 ID:SHmWeyQ0
毎週、この講義が始まるまでの間、真辺と雑談するのが定例となった。
俺「普段家で何してるの?」
真「最近はネットで漫画落として読んでる」
俺「それ犯罪だよ」
真「アップロードが違法なだけでしょ?」
俺「ちゃんと買いなよ」
真「お金払ってまで読みたくないし」
俺「好きな漫画家とかいるの?」
真「福本伸行」
誰それ?
495 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:57:12.20 ID:SHmWeyQ0
俺「真鍋さんはどんな音楽が好き?」
真「さあ?私、全然音楽聴かないから。聴く時間も無いし」
俺「電車の中で聴いたりは?」
真「外で五感の一つを潰すなんて危ないから」
そうかもしんないけどさ…。
俺「家でレポート書きながらとか…」
真「耳障り。集中できなくなる」
はい、音楽系の話題も無理でした。
497 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 22:58:00.51 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さんはテレビ観ないの?」
真「バラエティならそこそこ」
俺「ドラマは?」
真「下らないのばっかじゃん。観る気にならない」
俺「友達と話合わないでしょ?」
真「適当に相槌打ってれば会話は成立するから平気」
俺「俺との会話も?」
真「落合はちょっと違うかも」
呼び捨てかよ。
でも、多少特別に思ってもらえてるのは嬉しかった
503 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:04:00.32 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さん、メガネ外してみてよ」
真「何で?」
俺「ちょっと見てみたいなって」
真「…はい」
珍しくすぐに言うことを聞いてくれた。
俺「メガネ無い方が可愛いよ」
正直な感想。
真「当たり前でしょ。度が入ってる分、目が小さく見えるんだから」
褒めてるんだから素直に喜べよ。
504 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:05:06.42 ID:SHmWeyQ0
俺「ねえねえ、メアド教えてよ」
真「どんな用事で私にメールするの?」
俺「いや、特には」
真「じゃあ必要ないでしょ」
普通アドレス聞いたら教えてくれるもんじゃないの?
俺「あ、試験範囲の確認とか」
真「私以外の人に聞けば?落合は友達たくさんいるでしょ?」
俺「真辺さんが一番信用できるから」
真「ああ、そう。……はい」
でも結局は教えてくれるんだよね。
そんでさ、アドレス交換するの乗り気じゃなかった割には
「今何してんの?」
みたいな無意味なメールしても必ず返信してくれるし
「風邪引いた。今日は大学休む」
って送ったら
「大丈夫?ちゃんと病院行った方がいいよ」
とか心配してくれんの。
そういう所が可愛いって言うか、何か凄い惹かれるんだわ。
前原に対する想いとは違うんだけど、これもきっと恋なんだろうね。
509 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:11:27.30 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さんはファッションに興味無いの?」
真「それほどは」
俺「せっかく元が良いんだから、もっとお洒落したら?」
真「しても見せる相手がいないから」
これってつまり、付き合ってる人も気になる人もいないってことじゃん?
そしたら俺にもチャンスがあるわけで。
俺「俺は真辺さんが可愛い格好してるとこ見たいな」
真「落合1人の為にそんなことするのめんどくさい」
撃沈。でも俺は諦めなかった。
俺「じゃあ1000円あげるからやって」
財布から千円札を取り出し、真辺に渡した。
真「本気で言ってるの」
俺「うん」
真「分かった。いつすれば良い?」
こういうところがホント不思議。
俺「明日で良いよ」
真辺の気が変わる前にやってもらおうと思った。
真「じゃあ明日ね」
510 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:11:58.85 ID:SHmWeyQ0
翌日。
この日は真辺と2人だけになる講義は無い。
遠くから見るだけ。
田「理奈、いつもと雰囲気違うね。どうしたの?」
真「別に」
「こっちの方が全然可愛いじゃん。普段からこうしてれば良いのに」
真「コンタクト嫌いだし、スカートもなんか落ち着かないのよね」
「勿体無いなあ」
この日の真辺は前原と同じくらい可愛かった。
それが一番最初に浮かんできた感想だった。
なんだかんだ言ってやっぱりどこかで俺は真辺と前原を比べてる。
そんな自分に少しだけ罪悪感を覚えた。
511 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:16:00.33 ID:SHmWeyQ0
前期が終わった。
夏休みは免許取ったりバイトしたり。
そんで後期。
真辺と被りそうな講義を手当りしだいに取った結果
2人になれる時間が週2回に増えた。
俺「また一緒だね」
真「はあ」
俺「夏休みは何してた?」
真「特に何も」
相変わらずこんな調子の真辺だった。
513 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:19:37.26 ID:SHmWeyQ0
この頃にはもう、自分の気持ちがはっきりしていた。
俺は真辺を好きになっていた。
勿論、前原のことだって忘れてない。
今でも好きだ。
だけど、前原はもういない。
あの日から三年半。
そろそろ次の恋をして良いんじゃないか?
このまま一生前原のことを引きずり続けるのか?
前原が喜んでくれるなら、俺はそうすることを選ぶだろう。
でもきっと、前原はそんなこと望まない。
だって、凄く優しい娘だから。
転校した後の電話で何度も言われた。
前「他に好きな人ができたら、私のことは忘れていいよ」
俺はお前のこと忘れない。永遠に。
だから、新しく人を好きになることを許してくれ。
前『…しょうがないなぁ』
多分、願望からの幻聴だろう。
それでも、俺の心は決まった。
さよなら、前原。
俺、前に進むよ。
515 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:24:31.04 ID:SHmWeyQ0
という訳で、新たな恋に踏み切ることにしたんだけど
そんな俺の決意とか、真辺の方は知ったことじゃないんだよね。
俺「真辺さん」
真「何?」
俺「お昼ごはん一緒に食べない?」
月曜日、他の女の子たちは午前の講義のみで帰ってしまう。
だから真辺は一人で昼休みを過ごすはず。
普通に考えて、誘えばいけるんじゃないかって思った。
真「無理」
瞬殺された。
516 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:28:59.34 ID:SHmWeyQ0
俺「何か用事あるの?」
真「この時間は本屋で立ち読みするって決めてるから」
真辺にとって、俺は本以下の存在なんだね。
俺「昼ごはんはどうするの?」
真「後でおにぎり買って、歩きながら食べる」
俺「行儀悪いよ」
真「誰にも迷惑かけてないから良いでしょ」
まあ、その通りですけど。
俺「ねえ、俺も本屋についてって良い?」
少しでも真辺と一緒にいたいから。
真「良いけど、話掛けられても返事しないからね」
俺「ああ、分かった」
こうして、真辺と2人で本屋に行くことになった。
517 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:31:25.02 ID:SHmWeyQ0
本屋に入り、真辺が向かった先は、就職関係のコーナー。
常識の問題が載ってる本を手に取り、読み始めた。
俺も同じ本を読んでみたけど、つまんない。
俺「こんなの読んで面白いの?」
真「………」
本当に返事してくれないのな。
しょうがないからテキトーに本選んでペラペラ捲ったり
真辺の横顔見てニヤニヤしたりしてた。
真「………そろそろ戻ろっか」
俺「ああ、そう。昼飯はどこで買うの?」
真「今日はそこで良いや」
近くのローソンへ。
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/04(金) 23:32:16.95 ID:VEneJ6AO
このツン率の高さはクセになるwwww
519 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:32:48.24 ID:SHmWeyQ0
俺「おにぎり好きなの?」
真「おにぎりくらいしか食べる物がないのよ」
俺「サンドイッチは?」
真「マヨネーズが駄目」
俺「でも真辺さんが手に持ってるのは、シーチキンマヨネーズだよ」
真「何故かツナマヨは大丈夫」
なんだかねぇ。
真「飲み物どうしよっかな」
俺「リプトンとかは?」
真「紅茶飲めない」
俺「じゃあそこら辺の果物系のジュースにしたら」
真「500mlも飲みきれないし」
俺「ならペットボトル…」
真「コンビニは高いから嫌」
我侭な奴。
ここで俺は良いことを思いついた。
524 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:36:22.54 ID:SHmWeyQ0
俺「真辺さん、提案があるんだけど」
真「何?」
俺「俺が金出して500mlのジュース買うから、真辺さんが先に好きなだけ飲んでよ。
それで残りは俺が飲むからさ。どう?」
真「そんなことして落合に何の得があるの?」
俺「可愛い娘と間接キスできる」
男らしくはっきりと言ってやった。
真「じゃあそうして。ジュースは私が選んで良いの?」
反応薄いよ…。
俺「あ、ああ。どうぞ」
真「これで」
158円の葡萄ジュース。
わざと高いの選んだのか?
別にいいけどさ。
俺「俺も葡萄好きなんだよね」
真「やっぱりイチゴにしよっかな」
この娘は何を考えてるんだろう?
俺「真辺さん、性格悪いって言われない?」
真「言われないよ」
俺「………」
去年一番、真辺と喋れた日のことでした。
526 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:44:40.47 ID:SHmWeyQ0
代わり映えのしない日々が続き、年が明け、1月末。
ほとんどの試験が終わり、もうすぐ春休み。
俺「春休みは何するの?」
真「予定無い」
俺「バイトとかしないの?」
真「お金に困ってないから」
俺「そっか」
途切れる会話。
俺は思い切って真辺を誘ってみることにした。
俺「ねえ、真辺さん。春休み暇なら、俺と一緒にどっか遊びに行かない?」
真「何で私なの?他の友達と行けば?」
ここ半年、ほとんど真辺と進展しなかった。
きっとこのままじゃ駄目なんだろうと思い
俺ははっきりと想いを伝えた。
俺「真辺さんと行きたいんだ」
真「どうして?」
俺「真辺さんが好きだから」
真「………そうなんだ」
そう言ったっきり、真辺は口を開いてくれなかった。
531 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:50:00.12 ID:SHmWeyQ0
その日の夜。
初めて、真辺の方からのメール。
真「良く考えたら私も落合のこと好きかもしれない」
何をどう良く考えたのかなんて、この際どうでも良かった。
すぐに返信した。
俺「どういう意味での好き?友達として?異性として?」
真「どっちも」
俺「じゃあさ、俺が付き合ってって言ったら付き合ってくれるの?」
真「うん」
俺「付き合ってください」
真「いいよ」
こうして俺は、真辺と付き合うことになった。
537 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:54:28.25 ID:SHmWeyQ0
2月8日。
今年度最後の講義終了後。
俺「真辺さん、ちょっと待って」
真「ん?」
田「あ、落合君」
田中と一緒に歩いてた真辺を呼びとめた。
俺「この後忙しい?」
真「ううん」
俺「話があるんだけど」
あのメールの後、直接会うのは今日が初めて。
聞いておきたいことが幾つかあった。
真「途中まで恵と帰るつもりだったんだけど」
田「別にいいよ。どうせ電車逆方向だし」
真「そう」
俺「ごめんね、田中さん」
田「ううん。じゃあね」
真辺と2人きりになった。
539 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:56:42.55 ID:SHmWeyQ0
俺「聞きたいことがあるんだけど」
真「何?」
俺「俺達、今付き合ってるんだよね?」
真「そうだね」
俺「ホントに俺のこと好きなの?」
真「そうだよ」
俺は真辺に好かれてる自信が無かった。
だってずっとあんな調子だったじゃん。
いきなり好きて言われても信じられないでしょ。
俺「言い方悪いかもしんないけど、気持ちが伝わって来ないって言うか」
真「なら、どうして欲しいの?」
俺「いや、特に何かして欲しいってわけじゃ…」
真「これで良い?」
俺「え?」
真辺に抱き締められた。
540 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/04(金) 23:57:11.02 ID:SHmWeyQ0
一秒くらいで開放される。
真「気持ち、伝わった?」
俺「……お前、計算でやってるだろ?今の言葉も」
真「まあね。でも、好きな相手にしかそういうことしないよ」
俺「………ありがと」
真「キスから先はまだ駄目だよ」
俺「わかった」
今はこれだけで十分だった。
俺「後さ、理奈って呼んで良い?」
真「いいけど、私はこれからも落合のことは落合って呼ぶよ」
俺「はあ、そうですか」
やっぱりどこか変な娘だった。
545 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:02:09.41 ID:tSqLsRQ0
ちょっと聞きたいんだけど
俺って本当に真辺に好かれてんのかな?
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:04:22.29 ID:HvG2ilE0
>>545
ちょwwそうきたかww
真辺さんを実際に知らないとなんとも・・・
・・・愛情表現の下手な人なんじゃないか?
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:04:59.23 ID:7cgToxo0
>>545
俺らに聞くなww
俺は好かれてると思うけど・・・。
550 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:05:18.40 ID:tSqLsRQ0
>>546
なかなかタイミングが掴めなくて。
そろそろ下の名前で呼ぼっかなって思った時に…。
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:06:26.32 ID:7cgToxo0
>>550
あ・・・、そう・・・か・・・。
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:04:11.74 ID:/3rf/UAO
振られたんじゃなかったのか俺の記憶違いか
552 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:06:26.34 ID:tSqLsRQ0
>>547
今からその話になる。
5レスくらいで終わるけど。
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:08:44.29 ID:7cgToxo0
よし・・・、聞こうじゃないか・・・
555 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:10:32.67 ID:tSqLsRQ0
一週間前の昼頃、真辺から電話が来た。
真「弟が部屋に女の子連れ込んでる」
俺「は?」
真「私が帰ってきたこと、気付いてないみたい」
俺「………」
真「家には誰もいないと思ってる。放っておいたら行為に及びそう」
俺「何でそんなこと分かるの?」
真「さっきまで部屋の前で聞き耳立ててたから」
何やってんだよ…。
真「止めるべきだよね?」
俺「弟さん、いくつ?」
真「次で高2」
俺「…そっとしておいてあげなよ」
真「早くない?」
俺の友達の大半は、中学卒業するまでには済ませてたし。
俺「今時普通じゃないの?」
真「………」
電話が切れた。
558 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:13:10.92 ID:tSqLsRQ0
数分後。
真「断固阻止。女の方は帰らせた。今日の夜は家族会議ね」
真辺の弟、可哀想に。
俺「どうしてそこまでするんだよ?」
真「……せっかくだから私の恋愛感を聞いてくれる?」
ぜひ聞きたいと思った。
俺「うん」
真「私、処女でしょ」
俺「そうなの?」
真「うん。付き合うのも落合が初めて」
まあ、その性格じゃそうだろうね。
真「初体験は相手も初めてが良い」
何だって?
真「というか、経験ある人は好きになれない」
………終わった。
一応俺は童貞だってことにしたおいたけど、もう駄目だ。
560 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:13:48.75 ID:tSqLsRQ0
真辺は俺を童貞だと思っているらしかった。
それに関しては心当たりがあった。
去年の10月頃。
俺「何ケータイ見ながらニヤニヤしてんだよ?女か?」
吉「まあね」
俺「誰?」
吉「同じサークルの娘。可愛いよ。写真見る?」
俺「見せて」
吉「はい」
大して可愛くなかった。
吉「どうよ?」
俺「うん。分かるよ」
たとえ円滑な人間関係を保つ為とはいえ、自分に嘘はつきたくなかった。
だから、こういう曖昧な表現が許される日本の文化は素晴らしいと思う。
561 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:14:13.55 ID:tSqLsRQ0
吉「それに、胸大きいんだ。Fくらいあるかも」
元々そういう話題は好きじゃないし
俺達の声が聞こえる場所に真辺がいる。
下ネタは避けたかった。
俺「はあ、そんなこと言われてもねえ」
吉「やっぱ大きい方が良いよな」
俺「はいはい」
吉「俺、今月中にはその娘に告るわ」
俺「は?」
吉「もうそろそろ童貞捨てたい」
これだけ回りに人がいるのに、よくこういう事言えるのな。
俺「精々頑張ってくれ」
562 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:14:43.42 ID:tSqLsRQ0
吉「そう言えば、落合は誰かと付き合ったことあるの?」
俺「ないよ」
言及されるのが嫌だから嘘をついた。
いちいち前原が死んだ話なんてしたくなかった。
吉「じゃあお前も童貞か」
俺「うるせえよ」
吉「このまま上手くいけば俺の勝ちだな」
俺「勝手にしてくれ」
多分、この会話を聞いて、真辺は俺を童貞だと勘違いしたんだと思う。
そういうわけで、間接的に振られちゃいました。
566 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:17:09.23 ID:tSqLsRQ0
このことが悲しくて、先週スレを立てた。
締まらない終りで申し訳ないが、これで全部です。
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:17:48.71 ID:EtmNE5Q0
>>566
おいおいおい
直接もう付き合うのやめようって言われたわけじゃないのか?
569 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:18:31.40 ID:tSqLsRQ0
>>567
うん。
黙ってればこのまま続いてくと思う。
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:19:45.24 ID:u4d702AO
乙ではなく、お疲れ様と言わせて貰いたい。
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:18:48.74 ID:HvG2ilE0
真辺にはオッチーが童貞じゃないこと言ったのか?
574 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:21:01.12 ID:tSqLsRQ0
>>570
言ってないし、俺が言わなきゃこの先知られることもないと思う。
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:22:14.15 ID:7cgToxo0
>>574
オッチーどうしたいのか言ってみ。
580 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:24:22.86 ID:tSqLsRQ0
選択肢としては
1:このまま嘘ついて付き合い続ける。
2:プライドの為にこっちから振ってやる。
3:今まであったことを全部話す。
俺は最初、1を選ぼうとした。
だけどそれだと、前原との思い出を否定することになる気がするんだ。
俺は前原と体を重ねられてよかったと思ってる。
だからそういう嘘は吐きたくない。
それに、俺はまだ前原のことを好きなんだ。
もしも今、真辺が死んだとして、神様が前原と真辺のどっちかを生き返らせてくれるとしたら、俺はきっと前原を選ぶ。
そりゃあ、出会ってからの時間が違い過ぎるから、しょうがないと言えばそうだけど
それでも、これじゃあ真辺に失礼だよな。
ということで、選択肢3にする。
いまからこのスレを真辺に見せる。
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:26:23.64 ID:MXNxP2A0
スレを見せるのか・・・。それより直接言ったほうがいいんじゃないか?
586 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:27:37.38 ID:tSqLsRQ0
>>583
直接だと上手く伝える自信がないから。
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:26:49.25 ID:7cgToxo0
>>580
>前原との思い出を否定することになる
あー、それがあったわ・・・
ちゃんとしたの見せたほうがいいんでないの?
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:31:51.54 ID:rUTbbpoo
たとえ結果が駄目だったとしてもおまえの選択は間違ってないと思うぞ
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:32:00.29 ID:vRQ.cSIo
うまく伝えられる自信がなくてもそれはちゃんと言わないとだめだろ。
ほんとに真辺さんのことが好きなら3を選べよ。
大事なのはお前の口から伝えることだ。
592 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:34:03.55 ID:tSqLsRQ0
>>591
後でちゃんと電話もするから、今はこれで許してくれ。
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:35:01.52 ID:7cgToxo0
真辺さん起きてんのかなぁ?
594 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:36:34.21 ID:tSqLsRQ0
返信が来た。
真「何これ?面白いの?今日はもう寝るから明日読むね」
だそうです。
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:39:07.90 ID:HvG2ilE0
じゃあこのスレ明日まで続くのか?
600 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:42:04.27 ID:tSqLsRQ0
>>597
いえ、今日(もう日付変わってるけど)で最後にします。
もう十分書きたいことが書けたんで。
やや不完全燃焼気味ですが、これで終りです。
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:45:11.25 ID:AWnoUoAO
>>600
なんでこれで終わりなんだよ?
オッチーと真辺さんがどうなるのか見届けさせてくれよ!
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:46:47.35 ID:qweuqMAO
>>602
真辺さんがここをみる以上難しいんじゃね?
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:48:41.02 ID:AWnoUoAO
>>603
そうか…
でもなぁ…
604 : ◆tsGpSwX8mo :2008/04/05(土) 00:48:04.69 ID:tSqLsRQ0
今日はもう寝ます。
一週間もの長い間付き合っていただき、ありがとうございました。
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:48:06.03 ID:EgCOxb60
オッチー乙、後は真辺さんの反応待ちか
まさか過去話から現在直面している問題に発展するとは思わなかった。
最後まで見届けさせていただきます。
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/05(土) 00:51:36.42 ID:AWnoUoAO
>>604
オッチー、お疲れ。
ありがとう。
俺、一生あんたのこと忘れない。忘れたくない。
さよなら。
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/22(火) 01:15:22.39 ID:CmYIVJ2o
丸一年前の話だったのかこのスレ、時は早いな
その後、◆tsGpSwX8moの書き込みはありませんでした・・・。
引用:誰か俺の昔語りに付き合ってくれないか
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1206730674/
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まあいいかw
>>1がんばってるかな?