1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:32:35.90 ID:gLAgG2lR0

    何だか無性に過去を振り返りたい気分なんだ。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:40:12.51 ID:CLiYYNqP0

    仕方ないから見てあげるぞ



13 :1:2008/03/28(金) 22:41:44.93 ID:gLAgG2lR0
    >>11
    ありがとうございます。

    小学5年生、6月。
    クラス替えから2ヶ月ちょい。
    交友関係はほぼ完成され、クラス内は心地良い雰囲気に包まれていた。
    坂「今日、オッチーんち遊べる?」
    友達の坂上がいつものように俺を誘ってきた。
    俺「ああ、大丈夫」
     「俺も行っていい?」
    近くの友達も話に入ってくる。
    俺「サカが良いなら」
    坂「いいよ。じゃあタクマも誘おっか?」
    俺「良いんじゃない?」
     「俺、タクマにそう言っとくわ」
    俺「んじゃ2時に俺の家集合な」
    どこにでもある日常だった。

16 :1:2008/03/28(金) 22:42:57.24 ID:gLAgG2lR0
    運動会も終り、そろそろクーラーが恋しくなってくる季節。
    小「転校生が来るってよ!」
    朝の疎らな教室に、ムードーメーカー的存在の女の子、
    小野寺の甲高い声が響いた。
     「マジで!?」
     「何でそんなこと知ってんだよ!?」
    色めき立つクラスメイト達。
    坂「どんな奴かな?」
    俺「男子だったら俺達のグループに入れようぜ」
    友「面白い奴だったらいいな」


19 :1:2008/03/28(金) 22:44:24.29 ID:gLAgG2lR0
    やがてチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
     「先生、転校生は!?」
    その情報はすでにクラス全員の知るところとなっていた。
    先「……また、お前か」
    呆れ顔で小野寺に目をやる先生。
    小「だってぇ」
    この子の親はPTA。学校内の話はほとんど全て筒抜け。
    先「たまには俺から発表させてくれよ。
      …いつまでも廊下に待たせたら悪いな。どうぞ」
    ガラッ。
    前方のドアが開く。
    皆が一斉にそっちを向いた。


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:44:05.20 ID:zoQPi4Hv0
    >>1の現在のスペックよろしく


21 :1:2008/03/28(金) 22:47:40.29 ID:gLAgG2lR0
    >>18
    年齢はちょっと待って。
    身長166で体重48
    顔は、昔はよく女顔だねって言われた。


22 :1:2008/03/28(金) 22:48:34.51 ID:gLAgG2lR0
    そこに居たのは細身の女の子だった。
    セミロングのストレート、艶やかな髪をうなじの上辺りで縛っている。
    綺麗な瞳。整った眉。小さい鼻。薄い唇。白い肌。
    要するに、美少女。

    俺「何だ、女かよ。つまんねーな」
    俺は小声で、前の席の友達にそう言った。だけど本心は違ってた。
    転入生が黒板の前に立つ。
    先「じゃあ自己紹介をしてもらおうかな」
    前「○○小から来ました。前原沙希です。よろしくお願いします」
    室内は静まり返っていた。
    男子の大半は前原に見惚れていたのだろう。もちろん俺も。

24 :1:2008/03/28(金) 22:51:14.76 ID:gLAgG2lR0

    少し間を置いて、拍手をし始める先生。
    つられて皆も手を叩く。
    先「前原の席は…」
    クラス内に緊張が走る。
    空いてるのは俺、田中、元木の隣の席の3つ。
    先「田中の隣な」
    先生が廊下から机を持ってきて田中の横に置く。
    俺は田中が一瞬嬉しそうな顔をしたのを見逃さなかった。
    田中は良い奴だけど、この時だけはちょっとムカついた。

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:51:35.57 ID:eEZAhUt90
    これが実名でも仮名でも痛いな


28 :1:2008/03/28(金) 22:54:03.92 ID:gLAgG2lR0
    >>25
    仮名です。痛くてすいません。


    朝の会が終り、1時間目が始まるまでの休み時間。
    当然、前原は女子からの質問攻め。
    クラスの女子の中心にいるのは小野寺。
     「どこから来たの?」
    前「都心の方」
     「何で転校したの?」
    前「お父さんが転勤して」
     「好きな食べ物は?」
    前「いきなり聞かれても思いつかないよ」
    小「その髪形、可愛いね。どこで切ったの?」
    前「家の近くの美容室で切ってもらってたんだけど、次からどうしよう…」
    小「駅の方にいっぱいあるよ。案内してあげよっか?」
    前「いいの?」
    小「うん。今日の放課後とか空いてる?」
    前「多分大丈夫だと思うけど」
    小「じゃあ、沙希の家までついてくから、ランドセル置いてそのまま行こう」
    前「うん。ありがとう」
    会って数分でもう友達。これはもはや才能だろう。
    俺は素直に感心した。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:52:00.54 ID:91btN6PT0
    登場人物大杉


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:52:03.59 ID:ryJcHw8T0
    ええと…一行で書くと
    「小学校で美少女が転校してきた」、ということだね?

29 :1:2008/03/28(金) 22:55:20.33 ID:gLAgG2lR0
    >>26
    一度しか出てこない奴の方が多いから気にしないでくれ。
    >>27
    そうです。


30 :1:2008/03/28(金) 22:55:54.05 ID:gLAgG2lR0
    1時間目が始まった。
    俺の席は田中の近く。2人の会話が聞こえた。
    田「教科書持ってないよね。見せてあげるよ」
    2人が机をくっつけて、教科書を共有しているところを想像すると
    腹が立ってきた。
    けれど、前原の返答は意外なものだった。

31 :1:2008/03/28(金) 22:57:47.84 ID:gLAgG2lR0
    前「ノートだけ取ってればどうにかなるから。私のことは気にしないで」
    田「でも…」
    前「私、そういうの好きじゃないから」
    先「ん?どうした?…あ、前原は教科書持ってないんだっけ。田中、見せてやれ」
    前「大丈夫です」
    先「大丈夫じゃないだろう。いいから見せてもらえ」
    前「………分かりました」
    そう言って前原は、明らかにわざと溜息をついた。
    さすがに田中が可哀想だった。
    これを見て、俺の前原への印象は、可愛い娘から感じの悪い娘へと変化した。

32 :1:2008/03/28(金) 23:00:31.20 ID:gLAgG2lR0
    中途半端な時期に転入して来た前原。
    先「委員会は…放送委員でいいか。小野寺も一緒だしな」
    ちなみに俺は保健委員。
    保健委員はメリットが多い。
    夏はクーラーの効いた保健室に居られるし
    上手く時期が重なれば女の子の身体測定の結果を盗み見ることが出来る。
    俺はやってないけど。見たってどうせ身長と体重しか載ってないし。
    先「係りは…道徳係にしよう」
    新しい係りを作りやがった。
    俺はこの時、そんな係りは要らないだろうと思ったが
    これが後々、俺と前原の始めての会話に繋がるのだった。

34 :1:2008/03/28(金) 23:03:05.60 ID:gLAgG2lR0
    夏。
    ある暑い日の休み時間。
    廊下で先生と前原が話をしていた。
    先「悪いな、前原。すっかり忘れてた」
    前「良いですよ。一度だけですから」
    先「でも一人じゃ大変だろ。やっぱ男子の誰かに手伝わせるか」
    前「大丈夫ですってば」
    そこで先生が俺に気付いた。
    先「お、落合。良いとこにいたな。頼みがあるんだが」
    俺「何?」
    前「一人で平気です」
    先「いいからいいから」
    前「………」
    先「道徳の教科書が職員室前に置いてあるから、前原と一緒に運んでくれ」

37 :1:2008/03/28(金) 23:05:58.88 ID:gLAgG2lR0
    俺「やだよ。めんどくさい」
    教室で友達が待っているのに、こんな事してられない。
    先「男なんだから手伝ってやれ」
    俺「男女差別反対」
    先「…ところで、今日の給食の献立知ってるか」
    俺「ひじきご飯と春雨スープでしょ」
    献立表は一週間分暗記していた。
    先「それと冷凍ミカンだな。今日は2人欠席がいたっけか」
    自分で言うのもなんだけど、俺は結構頭の良い小学生だったと思う。
    先生の言いたいことをすぐに理解した。
    俺「手伝います」

38 :1:2008/03/28(金) 23:11:18.91 ID:gLAgG2lR0
    俺「じゃあ行こうか」
    前「一人でできるからいいよ」
    せっかくだから少し話してみようと思った。
    俺「俺、牛乳と水が飲めないんだよ」
    前「だから何?」
    俺「水分補給できないから夏は辛い」
    前「………」
    俺「冷凍ミカン1個じゃ足りないんだよ」
    前「意味分かんないんだけど」
    俺「お前を手伝ったら欠席者の分を貰える」
    前「………あ、そうなんだ」
    俺「前原って意外と頭悪いね」
    この頃の俺は口が悪かった。

39 :1:2008/03/28(金) 23:16:36.05 ID:gLAgG2lR0
    前「うるさいな。大体、意外とって何よ?」
    俺「頭良さそうなイメージだったから」
    前「勝手なイメージでしょ」
    俺「じゃあ性格悪そうってのも勝手なイメージ?」
    前「さあ。…いつまでついてくるの?」
    俺「職員室までだよ。教科書運ばないと」
    前「あんただって頭悪いじゃん」
    俺「何でだよ?」
    前「全部私にやらせて、自分も運んだ事にすれば良いじゃない」
    俺「手伝われるのがそんなに嫌なの?」
    前「そういう訳じゃないけど」
    俺「だったら良いじゃん。黙って手伝われろ」
    前「…いいかげん本当にうざいんだけど」
    俺は親切でやってるのに、この言い方にはムカついた。

40 :1:2008/03/28(金) 23:18:29.41 ID:91btN6PT0

    ・・・そんな感じが嫁との出会いでした。


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:20:57.60 ID:J2LcquUZ0
    嫁かよw


43 :1:2008/03/28(金) 23:22:41.82 ID:gLAgG2lR0
    俺「そんなんじゃ友達いなくなるよ」
    前「今だってちゃんと友達いるもん」
    俺「転校生だから優しくされてるだけだろーが。調子乗んな」
    前「は?あんた何なの?関係無いでしょ!ほっといてよ!!」
    俺「そんなに一人が好きなら一生一人でいろ!」
    俺はそう良い残してその場を走り去った。
    何となく悔しかったから別ルートで教科書全部運んでやった。

44 :1:2008/03/28(金) 23:25:13.61 ID:gLAgG2lR0
    実際、前原に友達がいないかと言ったらそうでもなかった。
    クラスの女子とは上手くやっている。
    どうやら男子を避けてるだけみたいだった。
    もうすぐ一学期が終わる。
    俺はまだ、前原が男子と楽しそうに喋っているのを見たことが無かった。

45 :1:2008/03/28(金) 23:31:50.43 ID:gLAgG2lR0
    先「教科書のキリが良いから、次の時間の算数は外で遊ぶか」
    終業式3日(くらい)前の日の事。
    先生の提案にクラス中が沸き立つ。
     「おっしゃあ!」
     「先生最高!!」
    俺は勉強嫌いじゃないから算数でもよかったけど
    幸いこの日は曇り。校庭で動き回るのも悪くなかった。
    先「学級委員。前に出て、何をして遊ぶかを決めろ」
    多数決でどろけいに決定。
    どろけいって分かるよな?
    地方によって言い方が違うみたいだけど
    泥棒と警察に分かれて鬼ごっこするやつね。

47 :1:2008/03/28(金) 23:38:44.26 ID:gLAgG2lR0
    「チーム分けどうする?」
    「赤組と白組で良くない?」
    「またかよ。いつもそれじゃん。赤組が強すぎるからつまんないだろ」
    俺は赤組だからそっちの方が良かったけど、別に反対意見を挙げようとまでは思わなかった。
    「じゃあ、たまには男女で分けてみない?」
    男子の一人がそんなことを言った。
    すぐさま女子からの反論。
    「そんなの男子が勝つに決まってるじゃん」
    その通りだ。
    「だったらどうすんだよ?」
    グッパかトリッピで良いんじゃない?
    あと数秒で他の意見が出ないなら、俺はそう言うつもりだった。

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:44:07.91 ID:J2LcquUZ0
    けいどろって言ってたな あとトリッピってなんだ


52 :1:2008/03/28(金) 23:50:58.30 ID:gLAgG2lR0
    >>49
    トリキメジレッピの略だったと。
    代表者2人選出して
    じゃんけんで勝った方が好きな仲間取って、次は負けた方が取って
    ってのを繰り返すやつ。説明下手でごめん。


50 :1:2008/03/28(金) 23:44:52.21 ID:gLAgG2lR0
    「ハンデ付ければ良いと思う」
    何でそこまでして男女で分けたいのか、俺は理解出来なかった。
    だが他の皆は違っていたらしい。
    「どんなハンデにする?」
    「男子は復活無しとか?」
    「それじゃどろけいの意味が無いだろ」
    どうやらハンデ有りの男女戦で決まりのようだ。
    「男子は肩組んで走るとかは?」
    これくらいが妥当だろう。
    だがここでとんでもないことを言い出した奴がいた。

53 :1:2008/03/28(金) 23:51:34.71 ID:gLAgG2lR0
    「男子が警察の時、女子を捕まえるには5秒以上抱きつかないと駄目ってのは?」
    こいつは大物だ。あだ名がタキシード仮面だっただけの事はある。
    ただ、女子からの好感度は低い。
    今回もきっと反感を買うことになるだろう。
    そんな俺の予想は見事に外れた。
    「それだったらいいよ」
    「うん。そうしよっか」
    女子から次々に賛成の声が挙がる。
    俺達はもう小5。性に目覚めてる奴とかいるだろう。下心見え見え。
    なのに反対する女子がいない不思議。
    俺は前原の方を見た。
    嫌悪感を前面に押し出した表情。
    こいつは俺と同意見のようだった。

58 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/28(金) 23:59:55.23 ID:gLAgG2lR0
    ピーッ!
    先生が笛を吹いた。ゲームスタート。
    まずは男子が警察。女子が散り散りに逃げていく。
    俺や坂上達は
    今この瞬間は牢屋の役目を負っているサッカーゴールにもたれながら
    文句を垂れていた。
    俺「つまんねーな」
    坂「男対女で勝負になるわけねーじゃん」
     「なにがハンデだ。死ねよ、あの女好き」
    嬉しそうに女子を追いかける男達の姿が視界に入る。
     「あ、一人捕まった」
    俺「早っ。なあ、誰が最後まで残ると思う?」
    坂「小野寺か西田じゃない?」
    俺「そう言えばサカ、去年のマラソン大会で西田に負けたんだっけ」
    坂「スタートで転ばなきゃ勝てた」
    俺「でも、女子で順位一桁はすごいよな」
     「オッチーは下から10番目くらいだったか」
    俺「長距離嫌いだからいいんだよ」

59 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:04:21.68 ID:dKAO4a9/0
    雑談をしてる間にサッカーゴール内の女子の数がどんどん増えていく。
    その中には小野寺もいた。
    小「とも君達は行かないの?」
    俺「とも君って言うな」
    坂「俺達が行かなくても勝てるだろ。お前だってもう捕まってるし」
     「西田も捕まったぞ」
    俺「これで終りだな」
    小「まだ沙希がいるよ」
    坂「お、ホントだ」
     「あいつ、足速いな」
    男子相手に奮闘していた。
    が、残りは前原一人。囲まれて捕まるのも時間の問題。
    小「沙希ーっ。頑張れー!」
    他の女子達も応援を始める。
    数秒後、ピピーッ。笛の音が響く。
    前原は逃げ切った。

60 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:09:11.35 ID:dKAO4a9/0
    今度は男子が逃げる番。
    先「おい、お前ら」
    開始の笛を吹く前に、先生が俺達を呼んだ。
    俺「何?」
    先「ゴールによっかかってないで真面目にやれ」
    坂「たかが遊びに真面目とか…」
    先「何だと?」
    微かに怒気を孕んだ口調。
    説教が始まりそうな予感がしたので、無理矢理話を終わらせる。
    俺「体力温存してただけだから。次から本気出すって」
    先「…そうか。じゃあ始めるぞ」
    どうにか怒られずに済んだ。

61 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:10:55.92 ID:dKAO4a9/0
    3人で固まって走っていたところを女子6人に囲まれて
    俺達は牢屋行き。
    誰からも救出されず、そのまま男子全員が捕まり、一回戦は俺達の負け。
    女子が警察の間、前原は牢屋の前からちっとも動かなかった。
    見張りではなく、不参加。
    さっきはあれだけ走り回っていたのに、今度は全くやる気無し。

63 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:16:20.44 ID:dKAO4a9/0
    二回戦。俺達が警察。作戦会議が始まった。
     「前原が速いぞ」
     「3人がかりで行こう」
     「じゃあ俺行く」
     「俺も」
    俺「お前等さ、女相手に多人数とか、恥ずかしくないの?」
    率直な感想。そして、こいつらが前原に触れようとしているのが
    何か気に入らなかった。
     「だって前原、マジで速いぞ。オッチーよりも速いかも」
    俺「そんなわけないだろうが」
     「どうだかね」
    俺「分かった。俺一人で前原を捕まえられなかったら、全員にジュース奢る」
     「ホントかよ?」
    俺「サカも友も本気出そうぜ。俺達が真面目にやったら勝負にならないって事、先生に教えてやろう」
    坂「じゃ俺、西田捕まえてくる」
     「俺は小野寺か」
    俺「残りの女子はお前等に任せるから、後は勝手にしてくれ」
     「オッケ」
     「きっと楽勝だな」
     「…お前が仕切ってんじゃねーよ」
    最後の言葉はスルー。
    先「準備できたか?いくぞ」
    ピーッ!二回戦スタート。

64 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:20:21.42 ID:dKAO4a9/0
    開始三分足らずで西田、小野寺、その他数人を捕獲。
    俺は一番遠くにいる前原にゆっくりと近づいていく。
    2人の間の距離が20メートルを切ったところで
    前原が走る体勢に入った。
    俺「お前、走るの速いな」
    前「………」
    俺「でも俺の方が速いぜ」
    そう言った直後、全力ダッシュ。
    逃げる前原は思った以上に速かったが
    それでも俺の敵じゃない。
    すぐに追いついた。
    手首を掴む。
    前「離して!」
    振りほどこうとするのでやや強めに力を入れた。
    「ああ、ごめんね。……これで5秒」
    俺は手を離した。

66 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:25:02.65 ID:dKAO4a9/0
    悔しそうな顔で前原が睨んできた。
    前「何なの?」
    俺「クラスで一番足速いの俺だから」
    前「……逃げる時もちゃんとやってよ」
    俺「は?」
    前「私が捕まえるから」
    俺「無理だと思うけど」
    前原を牢屋に連れて行く間に、残りの女子も皆捕まっていた。
    俺達の圧勝。
     「さすがオッチー。瞬発力だけだな」
    俺「うるせーよ」
     「ホントの事だろ。球技はボロボロじゃん」
     「…ちょっと足が速いからっていい気になるなよ……」
    仲間達が暖かく迎えてくれた。ある一人を除いて。


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:25:49.19 ID:3L23LANz0
    最後の奴誰だようぜえw



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:26:09.20 ID:CfUz4v0T0
    最後の発言した人の気持ちわかります。


69 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:27:56.59 ID:dKAO4a9/0
    二回戦後半。
    宣言通り、前原が俺に向かって突っ込んできた。
    ギリギリでかわし、そのまま逃げる。
    繰り返すこと数回、俺の体力は限界。
    でもこのまま前原に捕まるのも癪なので
    負けるくらいならと、反則を選んだ。
    制限範囲無視で畑の方へ。
    俺の急な方向変換に前原の体は反応できず、転んだ。

70 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:31:15.69 ID:dKAO4a9/0
    すぐに先生が駆けつけてきた。
    先「落合!何やってるんだ!?」
    俺「俺は悪くないよ。前原が勝手に転んだだ…いてっ」
    頭を叩かれた。これって体罰だよね?
    先「大丈夫か?」
    前「大丈夫です」
    地面についた左手を擦り剥いただけ。
    先「大した怪我じゃないな。落合、お前保健委員だろ。つれてってやれ」
    外で遊ぶ<冷房の効いた保健室でくつろぐ。
    俺「分かりました」
    前「………」

74 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:36:23.15 ID:dKAO4a9/0
    俺「涼し~」
    保「あ、落合君。どうしたんですか」
    俺「こいつがこけた」
    前「………」
    保「あら大変。すぐに消毒しないと。まずは手を洗って―――」
    処置が終わり、前原は保健室に残る方を選んだ。俺も。
    保「落合君は怪我してないでしょう」
    俺「外暑いからヤダ。それに戻ってもつまんない」
    保「はぁ、特別ですよ」
    そう言って先生は机に戻り、やりかけの仕事を再開した。

76 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:39:39.21 ID:dKAO4a9/0
    やることが無いので、本棚を漁ったり
    冷蔵庫に向かって磁石を投げつけたりしていたが
    すぐに飽きた。
    だから俺は前原に話しかけた。
    俺「負けず嫌い?」
    前「足の速さには自信あった」
    俺「女が男に勝てるわけねーじゃん」
    前「………」
    会話が続かない。
    俺「先生、やっぱ俺友達のとこ戻るね」
    俺は保健室を後にした。

77 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:41:24.75 ID:dKAO4a9/0
    夏休みが始まった。
    午前中は学校のプール。
    そこで友達と遊ぶ約束をして、午後は誰かの家でゲーム。
    ほとんどがそんな日。
    40日なんてあっという間。
    夏休み中、前原は一度も学校に来なかった。
    そして新学期。

79 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:45:09.38 ID:dKAO4a9/0
    「男女ごちゃ混ぜでいいと思います」
    タキシード仮面の意見により、席替えは男女バラバラ。
    くじ引きの結果
    俺、小野寺、前原、他の女子1名の4人班になった。
    男子1人の班になるのはこれで3回目。
    俺「最悪だ」
    小「まあまあ、そう言わずに」
    前「………」
    小野寺が居ただけマシだった。
    俺とこいつは結構気が合う。
    お互いゲームの貸し借りをしたりする仲。
    喋る相手が居て良かった。

80 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:50:35.58 ID:dKAO4a9/0
    給食の時間。
    4人で席をくっつける。
    対面には小野寺。隣は前原。
    小「もっとゆっくり食べたら?」
    一心不乱に飯をかき込む俺。
    クラスで一番最初に食べ終わった。
    俺「先生、ポテトおかわりね」
    先「10本までにしろよ」
    30本以上取り、席へ戻る。
    俺「ふう」
    一息つく。
    小「取りすぎだよ」
    俺「やったもん勝ちでしょ」
    小「せんせー、落合君が…」
    慌てて口を塞ぐが手遅れ。
    先「落合!お前、明日おかわり禁止!」
    教室内が笑いに包まれる。
    俺も笑う。明日の献立は好みじゃないから痛くも痒くも無かった。
    隣の前原はとてもつまらなそうな顔をしていた。

81 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 00:57:06.82 ID:dKAO4a9/0
    前原が風邪で学校を休んだ。
    給食の時間、俺は小野寺に聞いてみた。
    俺「前原って学校嫌いなのかな?」
    小「何で?」
    俺「あんまり笑わないじゃん」
    小「私達と話してる時は笑ってるよ」
    俺「それは知ってるけど、クラスでなんかやる時とかいつも嫌そうにしてない?」
    小「しょうがないと思うよ。沙希は男子が嫌いだから」
    俺「そうなの?」
    小「うん。沙希って転校3回目なんだけど、どの学校でも男子に嫌がらせされてたんだって」
    俺「嫌がらせ?」
    小「沙希の筆箱取り上げて男子何人かでパス回したり、ランドセルとか靴とか隠されたり」
    俺「………」
    小「他にも、すれ違いざまにわざとぶつかられるとか、フケや唾や鼻糞をなすり…」
    俺「飯食ってる時に汚い話するなよ」
    小「あ、ごめん」
    前原がああいう態度を取る理由が何となく分かった。

83 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:02:07.99 ID:dKAO4a9/0
    小「何でそういうことする人がいるんだろうね?」
    俺「田渕みたいな奴ってどこにでもいるんだな」
    田渕はクラスの嫌われ者。
    どろけいの時、俺に文句を言ってたのもこいつ。
    小「あたし、この前田渕に交換ノート取られて、みんなの前で読まれた」
    俺「それで西田の好きな人がサカだってばれたんだよな」
    小「ホントさいてー。ねえ、とも君達から田渕にそいうの止めろって言ってよ」
    俺「とも君て言うな。田渕の母親うるさいから、あいつとは喧嘩したくないんだよな」
    小「ハァ」
    小野寺が盛大な溜息をついた。

84 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:07:59.50 ID:dKAO4a9/0
    別の日の給食の時間。
    今度は小野寺が学校を休んだ。忌引きだそうだ。
    前原は相変わらず。もう一人の女子は小野寺としか話さない暗い娘。
    話相手が居ないので友達のところに行こうとした。
    先「落合!チャイムがなるまで席を立つな!」
    俺「だってつまんないんだもん」
    先「大人しく座ってろ」
    俺「チッ」
    叩かれたくないので言うことを聞く。
    俺「………」
    俺は暇つぶしに前原に話しかけることにした。
    俺「前原、暇だから俺と話しよう」
    前「暇なら教科書でも読んでたら」
    いつも通りつれない前原。だけどこの日の俺は諦めなかった。

86 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:10:48.08 ID:dKAO4a9/0
    俺「教科書読んでも面白くない」
    前「あんたがつまんなくても私には関係ないから」
    俺「そんなこと言うなよ」
    前「私はまだ食べ終わってないでしょ。話しかけてこないで」
    俺「食べ終わったら話してくれんの?」
    前「………」
    俺「前原って食べ方綺麗だね」
    前「………」
    俺「無視すんなよ」
    前「………」
    全く返答してくれなくなった。

87 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:14:00.26 ID:dKAO4a9/0
    一生懸命話し掛けているのに全然相手にされない。
    募るイライラ。
    俺は感情任せに言葉を発した。
    俺「そんなんだから男子にいじめられるんだよ」
    前「っ、何であんたが知ってんのよ?」
    俺「小野寺に教えてもらった」
    前「……先生、保健室行ってきます」
    先「は?」
    許可を待たずに出て行く前原。
    チャイムが鳴っても戻ってこなかった。
    前原が食べなかったアメリカンチェリーは全部俺が貰っておいた。

90 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:16:57.73 ID:dKAO4a9/0
    掃除の時間。
    俺は無口な女子と2人で体育館前通路を掃いていた。
    こんな場所はどうせすぐ汚れるし、先生もいちいち確認しに来ない。
    俺「もう終りにしよう」
     「………」
    無言の了承。
    掃除開始5分で切り上げた。
    俺は教室に戻らず保健室へ。
    前原に文句を言ってやろうと思った。

91 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:19:13.07 ID:dKAO4a9/0
    保「あら、落合君」
    俺「前原来てる?」
    保「来てないわよ」
    俺「あれ?おかしいな」
    保「どうしたの?」
    俺「ううん。何でもない。じゃあね」
    保健室を出る。
    教室はまだ掃除中だろうから戻れない。
    俺はかくれんぼ的遊び感覚で前原を探すことにした。

94 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:25:30.06 ID:dKAO4a9/0
    俺「掃除さぼんなよ」
    会議室前に置かれている長机の影に、前原は居た。
    前「……悪かったわね」
    悪いと思ってる人間の表情じゃなかった。
    俺「お前って何でそうなの?」
    前「何が?」
    俺「その態度だよ」
    前「は?」
    俺「いつもそんなふうにしてたら学校楽しくないだろ?」
    前「マユ達と話してる時は楽しいけど」
    マユってのは小野寺のことね。
    俺「そうじゃなくて、クラスの皆と仲良くしようよ」
    前「マユから聞いたでしょ。私は男子なんかと話したくない」
    俺「それが間違ってんだよ!」
    ここから俺のターン。

96 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:30:22.23 ID:dKAO4a9/0
    俺「俺達がお前に何かしたのかよ?」
    前「してないけど…」
    俺「俺もサカもタクマもタナもリョウも皆、前原と仲良くしようとしただろ?」
    前「………」
    俺「なのにお前は冷たい態度とって、皆傷ついたんだよ」
    前「………」
    俺「クラス全員で何かやる時も、お前一人でもつまんなそうにしてると、皆がつまんなくなんだよ」
    前「………」
    俺「お前は周りを不快にさせてるんだ。これじゃ前の学校でお前をいじめた奴とかわんねーだろ」
    前「………」
    俺「前原に嫌がらせする奴なんてこのクラスには居ないから」
    前「………」
    俺「居ても俺が止めさせるから」
    前「……ぐすっ」
    俺「だから皆と仲良くしようよ」
    前「…うっ…えぐっ」
    前原が泣いた。俺は焦った。

98 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:34:08.09 ID:dKAO4a9/0
    俺「あ、えっと…」
    先生に見つかったら怒られる。
    そう思った俺はどうにか前原を泣き止ませようと考えを巡らせたが、何も浮かばない。
    だからとりあえず歌を歌った。
    俺「なみだのかーずだーけ つよくなれーるよー」
    前「………」
    俺「アスファルトーにさーく はなのぉよおに…この後何だっけ?」
    前「………見るものすべてに怯えないで♪あしたは来るよ君のために~♪」
    俺「歌うまいね」
    前「落合君は下手だね」
    俺「鼻詰まってるからしょうがないの」
    前「あはは」
    初めて前原が俺に笑ってくれた。

101 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:36:17.60 ID:dKAO4a9/0
    昼休みの残りの時間、俺は前原と話した。
    前の学校の事とかを教えてくれた。
    いじめられたというか、前原のことを好きな男子がちょっかい掛けてただけみたいだった。
    俺はこのクラスの交友関係とかを教えた。
    前原は楽しそうに俺の話を聞いてくれた。
    キーンコーンカーンコーン。
    俺「チャイム鳴ったな。先戻ってて。俺はトイレ行くから」
    前「うん」

105 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:40:09.22 ID:dKAO4a9/0
    俺が教室に入った時、先生はまだ来ていなかった。
    俺「セーフ」
     「オッチー、昼休み何してたの?」
    俺「別に」
     「うんこか?」
    俺「ちげーよ」
    先「お前等、席に着け」
    少し遅れて先生が来た。
    先「それと落合」
    俺「何?」
    先「掃除サボっただろ?」
    俺「いや」
    先「嘘をつくな」
    俺「ちゃんとやったよ、5分くらい」
    先「5分はやったうちに入らないんだよ」
    俺「痛てっ」
    また頭を叩かれた。
    それを見てクラスの皆が笑う。
    前原も笑ってた。

108 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:44:35.94 ID:dKAO4a9/0
    その日から少しづつ、前原は男子と話をするようになっていき
    年が明ける頃には完全にクラスに馴染んでいた。
    三学期。
    席替えで前原とは別の班になってしまったが
    それで会話が減るということはなかった。
    前「落合君。おはよ」
    俺「おっす」
    小「とも君、おはよう」
    俺「とも君て言うな。あ、昨日メアリー先生倒したぞ」
    小「え、ホントに?」
    俺「な、サカ」
    坂「うん。カラスが助けてくれた」
    前「何の話?」
    俺「ゲームの話」
    小「だったら今日の放課後、アヤの家でクリアするとこ見せてよ」
    坂「だってよ」
    俺「いいんじゃない」
    小「沙希も来るよね」
    前「うん」
    小「アヤー、今日アヤの家行っていいー?」
    穏やかな日々が続いていた。


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:47:18.30 ID:1QBQIHIA0

    俺、こういう学校生活送りたかった


111 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:48:18.95 ID:dKAO4a9/0
    2月のとある日の昼休み。
    坂「雪降ってきたし、教室戻ろっか」
    途中でサッカーを止めて、教室へ。
    小「止めてって言ってるでしょ!?」
    田「たまたま当たっただけだろ!」
    小野寺と田渕が揉めていた。
    坂「どうしたの?」
     「田渕君が小野寺さんに向かって輪ゴム飛ばしたの」
    俺「またそういう事やってんのかよ」
    坂「ほっといてあっち行こうぜ」
    小野寺なら上手に対応できるので心配する必要は無かった。

113 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:53:05.46 ID:dKAO4a9/0
    俺「今度はサカの番な」
    坂「雑巾濡らすのは止めてよ」
     「画鋲が10個集まったぞ」
    俺達は、掃除用具入れの中に誰か一人を閉じ込めて
    残りの人が上の隙間から色んなものを突っ込むという遊びをしていた。
    そこに
    前「離してよ!!」
    前原の怒声。
    振り向くと、前原と田渕が一冊のノートを取り合っていた。
    俺は少し戸惑った。田渕が前原にちょっかいを出すのは今日が始めてだ。
    どう動けば事態が上手く収拾するのか、全く見当がつかない。
    だけど悩んでる時間は無かった。あの日、前原と約束したから。
    俺「おい、田渕!何やってんだよ!!」

114 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:55:35.64 ID:dKAO4a9/0
    田渕に近づく。
    俺「手、離せよ」
    田「何でお前の言うこと聞かなきゃいけないんだよ?」
    精一杯睨みつけながら
    俺「離せって言ってんだろ」
    田「……けっ」
    びびった田渕は手を離し、教室の外へと歩いて行った。
    ぐしゃぐしゃになったノート。
    前「最低っ」
    呟く前原。
    その言葉が田渕の耳に届いた。

117 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 01:58:00.06 ID:dKAO4a9/0
    田「ああ、うぜえ!!」
    上履きを脱ぎ、前原に向かって思いっきり投げつける。
    前「っ!」
    それが肩に当たった。
    俺「てめぇ!!」
    怒りに身を任せ田渕の顔面へ飛び蹴り。
    田「うげっ」
    綺麗に入った。
    後ろに倒れる田渕。運悪く棚の角に頭をぶつけ
    田「うっ…うあっ……」
    そのままうずくまって悶え始めた。

122 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:05:14.36 ID:dKAO4a9/0
     「これ大丈夫なの?」
     「危なくない?」
     「私、先生呼んで来る!」
    教室中が大騒ぎ。
    坂「あ~あ。オッチーって加減を知らないよな」
    暴力を振るった結果、こういうことになったのはこれで3回目。
    俺「また怒られんのか…」
     「つーか頭打ったけど平気なのか?これで死んだら人殺しだよ」
    友達がそんなことを言い出したので不安になってきた。
    俺「それやばいって。どうしよう?」
    そこで先生が到着。
    先「何やってるんだ!?」
     「落合君が田渕君を蹴って頭ぶつけて」
    先「田渕、大丈夫か!?」
    田「うぅ…」
    先「とりあえず保健室まで行こう」
    先生と田渕は教室を出て行った。

125 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:07:09.77 ID:dKAO4a9/0
    数十分後、田渕は病院へ。
    俺は別室に呼び出し。
    先「落合!何でそんな事したんだ!?」
    俺「田渕にムカついたから」
    前原の名前は出さない。これは俺一人の責任。
    先「ふざけるな!!」
    俺「ぐっ!」
    頭を殴られた。いつも叩かれるのより数倍痛かった。

128 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:09:38.02 ID:dKAO4a9/0
    先「暫くここで待ってろ」
    先生が空き教室を出て行く。教室へ戻って帰りの会をするのだろう。
    待つこと二十分。
    先「お前の親にも連絡しといたぞ。今日の夜、2人で田渕の家まで謝りに行け」
    俺「電話じゃ駄目なの?」
    先「田渕の親御さんが謝りに来させろって行ってるんだよ」
    俺「めんどくせっ」
    先「自分が何やったか分かってんのか!?」
    俺「はい。すいません」
    だから田渕とは関わりたくなかった。

129 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:11:48.61 ID:dKAO4a9/0
    ランドセルを取りに教室へ。
    そこに前原が居た。
    前「ごめんね」
    俺「何でお前が謝んの?悪いの田渕じゃん」
    前「だって、私のせいで…」
    俺「気にすんなよ。それに俺、怒られるの慣れてるし」
    前「………」
    俺「次また田渕に何かされたら、すぐ言えよ」
    前「…うん。ありがとう」
    家に帰って、母親と一緒にスーパーでメロン買って
    田渕の家まで行って謝った。
    結局田渕は後頭部をちょっと切っただけだった。

130 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:13:43.53 ID:dKAO4a9/0
    2月14日。
    小「はい。義理だけど、3倍返しね」
    俺「だったら要らないんだけど」
    小「せっかく作ったんだから受け取ってよ」
    俺「他の奴にも配ってるくせに」
    小「いいから」
    俺「はいはい」
    前「私もチョコ作ったの。貰ってくれる?」
    俺「サンキュ」
    前「感謝の気持ちだよ。変な意味じゃないからね」
    そんなこと言ってた割には結構手の込んだハート型のチョコだった。
    その表面に書かれたホワイトチョコの文字は、滲んでて読めなかった。

    ホワイトデー
    小野寺には板チョコ3枚渡した。
    前原には1000円以上するクッキーの詰め合わせをあげた。

131 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:14:33.75 ID:dKAO4a9/0
    ずいぶん長くなってしまったので、ここまでのまとめ。



    前原沙希という名前の可愛い子が転校して来た。
            ↓
    最初の頃、前原は少し浮いていたが、だんだんとクラスに溶け込んでいった。
            ↓
    色々あって小学5年生が終わった。



    三行で済んじゃった。



133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:16:13.90 ID:+80B8coVO
    続きを

    小野寺さんは僕が貰いますね



134 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:16:36.45 ID:dKAO4a9/0
    春。進級。小学校最後の一年が始まった。

    6月。
    「これからは学期に2回席替えをしよう」
    学級会でそう決まり、席替え。
    今回は男女別でくじ引き。
    俺は窓側の一番後ろの席になった。
    隣は、前原。
    とても嬉しかった。
    前原と喋るのが凄く楽しかった。
    前原が笑ってるところを見るのが大好きだった。
    近くにいられることが幸せ。
    気付けば俺は前原に恋をしていた。

135 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:18:38.85 ID:dKAO4a9/0
    しかし、俺が喜んでいるところに意外な横槍が入った。
    坂「なあ、俺と番号交換してよ」
    俺「何でだよ?」
    坂「だってオッチー、出席番号順だといつも後ろの席じゃん」
    俺「だから?」
    坂「たまには俺も後ろの席がいい」
    俺「知るか」
    坂「譲ってよ」
    俺「やだ」
    せっかく前原の隣になれたんだ。絶対に譲りたくない。
    坂「一生のお願いだから」
    俺「しつけぇぞ」
    坂「…なんだよ、ケチ」
    この日を境に、坂上はやたらと俺に突っ掛かってくるようになった。


137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:20:14.11 ID:aVeHLBgiO

    恋敵ktkr


138 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:20:22.05 ID:dKAO4a9/0
    算数のテストが返ってきた。
    坂「オッチー、テスト何点だった?」
    俺「95」
    坂「うわ、だっせえ。俺は100点」
    小学校のテスト何てクラスの1/3は100点だ。別に凄くはない。
    俺「ちょっとミスっただけだし、俺の方がお前より全然早く解き終わっただろ。
      その時間で見直ししとけば間違えなかったから」
    坂「は?言い訳すんなよ。結果が全てだろ?」
    俺「ああ、そうですか」
    久しぶりに坂上をうざいと思った。

139 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:22:29.12 ID:dKAO4a9/0
    体育の時間。その日は二組に分かれて野球の試合。
    俺と坂上は別チーム。
    坂上はクラスで唯一、本格的に野球をやっている奴だ。
    しかもピッチャー。本気で投げられたら誰も打てない。
    当然、手を抜いて投げてくれた。俺以外には。
     「ストライク。バッター三振。アウト」
    坂「へったくそだなぁ」
    俺「球技は苦手なんだからしょうがないだろ。陸上競技なら俺の圧勝だ」
    坂「陸上競技とか、一人でやってろよ」
    これ以上言い返す気にならなかったので、無視した。


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:24:13.08 ID:W0CUhTgEO
    坂上は前原さんからチョコもらったのか?



142 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:25:31.17 ID:dKAO4a9/0
    >>141
    多分貰ってないと思うよ。



143 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:26:24.78 ID:dKAO4a9/0
    雨の日の事。
    俺は宮野と将棋を指していた。
    わざわざ持ってきたわけじゃない。何故か6-1クラスにだけ将棋盤と駒が置いてあった。
    宮野とは普段そんなに話さないが、仲はまあまあ良かった。
    俺「その角邪魔だな」
    宮「オッチーはもうちょっと囲い作ったほうがいいよ」
    俺「攻めは最大の守りって言うだろ。それに俺、穴熊しか知らないし」
    宮「舟囲いがおすすめだぞ。教えてやろーか?」
    俺「別に」
    宮野は少し変わった奴だった。図書の時間は落語の本とかを読んでた。
    そして小太り。女子からはオヤジと呼ばれてた。
    でも、頭のいい奴だった。だから一緒に話してると結構楽しかった。
    宮「これでどうだ!」
    急所を突かれた。俺、ピンチ。
    このタイミングで前原が入ってきた。

144 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:28:26.43 ID:dKAO4a9/0
    前「落合君、将棋できるんだ」
    俺「駒の動かし方くらいは」
    軽く謙遜しといた。
    前「どっちが勝ってるの?」
    宮「俺だよ」
    俺「大丈夫。今から逆転するから」
    前原の前では負けたくなかった。
    前「将棋できる人って頭良さそうでカッコいいね」
    前原のその一言で
    坂「俺も将棋できるぜ」
    何故か坂上乱入。
    坂「宮野、どけ」
    宮「あ、ちょっと」
    駒が全部払い落とされる。
    これには正直助かった。
    このまま続けてたら多分負けてただろうから。
    坂「勝負だ」

145 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:30:27.15 ID:dKAO4a9/0
    俺「宮野、悪いな」
    宮「いや、いいよ。俺も見てっから」
    前「落合君、頑張れ」
    坂「………いくぞ」
    対局開始。
    そして10分後。
    俺「もう諦めろよ。香車2枚じゃ何も出来ないだろ」
    坂「………あ、地震だ」
    将棋盤がひっくり返された。
    俺「おい!」
    坂「これはノーカンだな。もう飽きたから止めよっと」
    自分勝手すぎる言動。
    坂上がこんなになってしまい、俺は少し悲しかった。

154 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:36:28.42 ID:dKAO4a9/0
    雨の日の昼休み。
    宮野の周りに人が集まっていた。
     「何してんのかな?」
    俺「行ってみようぜ」
    宮野の席へ。
    俺「何やってんの?」
    宮「あ、オッチー。お前、こういうの好きだろ?」
    宮野の机には5種類ほどのパズルが並んでいた。
    俺「へえ、面白そうじゃん。やらせてよ」
    宮「これやってみ」
    手渡されたパズルの裏側には
    2時間で出来たら天才、14時間で出来たら凡人、等と書かれていた。
    俺「こんなの昼休み中に終わるわけないだろ」
    宮「俺も一度崩してからまだ完成させたことないんだよね」
    俺「もうちょっと簡単なのないの?」
    宮「それとか」
    宮野の指差した先で、一人のクラスメイトが悪戦苦闘していた。

155 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:38:49.94 ID:dKAO4a9/0
    俺はそいつに近づき、声を掛けた。
    俺「終わったらやらせてよ」
     「できそうにないからもういいよ」
    途中まで出来てたところを全部崩してから、俺に手渡してくれた。
    俺「これはどうすればいいの?」
    宮「上手く組み立てると球体になるから」
    俺「千年パズルみたいなもん?」
    宮「形は違うけどそんな感じ」
    俺「難しい?」
    宮「俺は10分掛からなかった」
    俺「5分で完成させてやる」
     「完成したとこみたいな」
     「できたら見せてね」
    俺「おっけ」
    集中して解く為に、自分の席に戻った。

156 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:40:35.02 ID:dKAO4a9/0
    そのパズルは小学生にとってはそれなりに難しいものだった。
    俺「くっ」
    どうしても最後の3つがはまらない。
    時間はすでに8分が経過。
    このままでは宮野に負ける。
    焦る俺。
    出来ない自分に対し憤りを感じ始めた時
    前「落合君。何してるの?」
    俺「うるせえ!今話掛けんな!!」
    無意識に怒鳴ってしまった。
    無言で離れて行く前原。
    この時は気にも留めなかった。


157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:41:55.32 ID:W0CUhTgE
    ああううう甘酸っぺーよ



162 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:44:26.74 ID:dKAO4a9/0
    それから少ししてパーツをはめる順番が違ってたことに気付き、やっと完成。
    俺「出来たぜ」
    皆に見せて回る。
     「おお、すげえ」
     「さすがオッチー」
    浴びせられる賞賛。
    宮「タイムは俺と同じくらいだな」
    俺「次は負けないからな」
    坂「何してんだよ?」
    坂上が来た。
     「オッチーがパズル解いたんだよ」
    坂「俺にも同じやつやらせろ」
    宮「はいよ」
    パズルをバラバラにして坂上へ。
    一段落ついた俺は、さっき前原に話しかけられたのを思い出した。

164 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:45:59.80 ID:dKAO4a9/0
    教室内を探すが見当たらない。
    女子に聞いてみた。
    俺「前原どこ?」
     「トイレじゃない?」
    本当にトイレならそれでいいが、何となくそうじゃない気がした。
    廊下に出る。
    運良く小野寺と遭遇。
    俺「前原知らない?」
    小「あっち行ったよ。泣きそうな顔してたけど何かあったの?」
    俺「だったら何で引きとめなかったんだよ」
    小「引きとめたけど、大丈夫って言って、そのまま行っちゃった」
    俺「そっか。分かった。ありがとな」
    小「ちょっと…」
    俺は職員会議室前へと向かった。

166 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:50:01.93 ID:dKAO4a9/0
    俺「こんな所で何してんの?」
    前原は泣いていた。
    前「だってぇ…ぐすっ……落合君が……」
    仲良くなってからの前原に向かって怒鳴り声を上げたのはこの日が始めて。
    というか最初で最後だったけど。
    俺「あ、ごめん。パズルに集中してて、つい」
    前「私…うぅっ…嫌われたんだと…ひぐっ…思って……」
    俺「お前のこと嫌いになるわけねーだろ」
    前「…えぐっ…よかった…っ…」
    更に激しく泣き出した。
    多分この時の俺は罪悪感で胸が一杯だったんだろう。
    泣き止ませようと必死でこんなことを言った。
    俺「前原は泣き顔も可愛いけど、笑ってるほうがもっと可愛いから。
      だから、泣き止んで」
    小6のガキにしては頑張った方だと思うよ。

170 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:53:13.73 ID:dKAO4a9/0
    前「分かった…もう…泣かない…」
    1分くらいで泣き止んで、それから10分くらいで落ち着いた。
    前「もう大丈夫だから、教室戻ろ」
    俺「うん」
    前「………」
    俺「………」
    前「さっき言ったこと、本当?」
    俺「………ホントだよ」
    前「えへへ、嬉しいな。ありがとっ」
    俺「………」
    恥ずかしくて前原の顔を直視できなかった。

174 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:55:52.83 ID:dKAO4a9/0
    教室に戻ると、坂上がまだパズルをやっていた。
    5時間目のチャイムが鳴る直前。
    坂「できた。できたったらできた」
     「手、離してみろよ」
    坂「何でだよ」
     「いいから」
    坂「…うっ」
    最後のパーツがはまってなかった。
    5時間目終了後。
    坂「今度は本当に出来たぞ」
     「オッチーが完成させたの見たから、もうどうでもいいや」
    坂「くそっ!!」
    床に叩きつけられるパズル。
    宮「ああ…」
    バラバラに砕けて飛び散った。

175 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 02:58:45.15 ID:dKAO4a9/0
    7月の半ば頃、調理実習があった。
    教室の班と同じメンバーでやるので、俺と前原は一緒。
    その他の面子は、そこそこ仲のいい男子1人とまあまあ仲のいい女子2人。
    作る物はご飯、焼き魚、味噌汁、麦茶。
    俺「俺、麦茶やるわ」
     「なに一番楽なの選んでんだよ」
    俺「お前は米炊け」
     「まあ、いいけどさ」
     「私達は魚焼くね」
    俺「焦がすなよ」
     「多分大丈夫」
    前「じゃあ私はお味噌汁か」
    俺「ワカメ1パック全部使いきろうぜ」
     「そんなことしたら汁が無くなるから」

176 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:00:20.09 ID:dKAO4a9/0
    俺「よし、終わった」
    出来上がった麦茶を冷蔵庫に仕舞い、他の班へ遊びに行った。
    俺「お前のとこは豚汁か。共食いすんなよ」
    宮「俺が豚肉食うといつもそれ言われんだよな」
    俺「魚は何選んだ?」
    宮「さば」
    俺「うわ、微妙」
    宮「オッチーのとこは」
    俺「秋刀魚」
    宮「お前のだって旬じゃねーじゃん」
    俺「まあね」
    いつもなら坂上の所にも行くんだけど
    最近あんまり仲が良くないので止めておいた。

177 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:02:48.39 ID:dKAO4a9/0
    俺「できた?」
    自分の班に戻ると、ちょうど前原が味噌汁の味見をしているところだった。
    前「うーん。ちょっと味薄いかな?落合君も飲んでみて」
    そう言って前原はお玉で味噌汁をすくい、手元の小皿に入れ、俺に差し出した。
    俺「これって間接キスにならない?」
    前「え、あ、ごめんねっ。嫌だった?」
    俺「俺は嫌じゃないけど、いいの?」
    前「私に聞かれても…」
    俺「……じゃあ飲むね」
    前原が口を付けた皿を使うということばかりが気になって
    味噌汁の味はよく分からなかった。

181 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:05:29.96 ID:dKAO4a9/0
     「頂きまーす」
    皆で料理を食べ始める。
    俺「お前、水の量間違えただろ」
    米がぐちゃぐちゃ
     「まあ、食べられないレベルじゃないから許してくれ」
    俺「ったく」
     「麦茶美味しいね」
    俺「俺が作ったからな」
     「誰が作ったって一緒だよ」
    前「お味噌汁はどう?」
     「味薄いな」
     「これくらいでちょうど良いんじゃないの?」 
    俺「俺も薄いと思う」
    前「えー、さっきはこれでいいって言ったじゃん」
    俺「あ、そうだっけ」
     「おい、オッチー」
    俺「ごめんごめん」

190 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:09:41.91 ID:dKAO4a9/0
    そして俺は秋刀魚の解体作業に。
     「お前、不器用過ぎるだろ。何でそこまでバラバラになるんだよ?」
    俺「だから魚は嫌いなんだ」
     「小骨は我慢して食えよ」
    俺「やだ。俺A型だからそういうの無理」
    前「私が骨取ってあげようか?」
    俺「いいの?」
    前「うん」
    前原は自分の箸を使って、5分ほど掛けて丁寧に全部の小骨を取ってくれた。
    前「はい、どうぞ」
    俺「サンキュ」
     「オッチーだけずるい。俺のもやって」
    やらないで欲しかった。こいつが口付けた魚に前原の箸が触れるのがなんか嫌だった。
    前「ごめんね。私が食べる時間無くなっちゃうから」
    やんわりと断る前原。
    俺にだけしてくれたことが凄く嬉しかった。

191 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:10:52.41 ID:dKAO4a9/0
    夏休みが終り、二学期。
    小学校生活最大の行事、日光移動教室が迫る。
    学級活動の時間、先生がしおり片手に説明を始めた。
    移動教室の目的、日程、注意事項、持ち物、行動班と宿泊班のこと等々。
    俺は後ろの席の小野寺と喋りながら適度に聞き流していた。
    小「ねえねえ、とも君。耳貸して」
    俺「とも君て言うな。何だよ?」
    小野寺が俺に耳打ちする。
    小「去年は若林って人が女子の部屋忍び込んだんだってよ」
    俺「ホントかよ?」
    先「おい、落合!2人でコソコソ相談しても、お前等は同じ部屋にはなれないぞ」
    俺「そんなこと分かってるから!」

    くじ引きの結果、前原と一緒の行動班になれなかった。
    前「落合君と一緒の班が良かったな」
    俺「俺も前原と一緒が良かった」
    前「1日目と3日目はクラス移動だから、その時はずっと一緒にいようね」
    俺「うん。そうしよう」
    移動教室がとても楽しみだった。


195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:13:16.30 ID:cPHtsBATO
    >>190,>>191 なんだ,もう付き合ってんのか



204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:16:48.49 ID:8zZ5tgl40
    >>195
    もうとっくに突き合ってるよ


205 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:18:28.49 ID:dKAO4a9/0
    >>204
    俺も突かれなきゃいけないの?
    この時はまだ付き合ってるとかじゃなかったよ。
    そういうのよく分かんない年頃だったし。



201 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:15:50.95 ID:dKAO4a9/0
    当日。
    欠席者は無し。
    朝6時、親同伴でクラスメイト全員集合。
    前原も母親もいた。かなり綺麗な人だった。
     「あなたが落合君?」
    話し掛けられた。
    俺「そうだけど」
     「沙希と仲良くしてくれて、ありがとう」
    俺「いや、別に…」
     「……ごめんね」
    何で謝られたのか、この時は理解出来なかった。


207 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:19:06.93 ID:dKAO4a9/0
    バスの座席は前原の近くになれなかった。
    だから隣の友達とゲームの話したりトランプしてた。
    バスガイドさんはそこそこ美人。だけど話がくどかった。
    昼頃には日光に着いた。
    華厳の滝では、わざと隣の人の後ろに隠れて、手だけ写真に写るようにした。
    博物館は前原と2人で回った。
    夕方、旅館に到着。
    友達が一斉にトイレの個室に駆け込んで行ったのが面白かった。
    部屋で2時間ほどくつろいだ後、宴会場で夕食。まあまあ美味しかった。
    そして夜、移動教室で2番目に重要なイベント、キャンプファイア。


208 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:20:35.87 ID:dKAO4a9/0
    教頭先生が変なお面を被ってばればれの変装で皆の前へ。
    教「私は火の神である」
    明日に繋がる希望の火とか、何事にも恐れない勇気の火とか言いながら
    積み上げられた木材に点火。
    「燃えろよ燃えろよ炎よ燃えろ~♪火の子を巻き上げ天まで焦がせ~♪」
    合唱。
    それからリンボーダンス。じゃんけんで負けた俺も参加メンバー。
    一番最初に脱落した。
    そして、フォークダンスの時間がやってきた。


209 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:21:19.57 ID:dKAO4a9/0
    曲はオクラホマミキサーとマイムマイム。
    1,2組合同なので、パートナーが全員回りきらないことは分かっていた。
    俺は前原と踊りたかった。
    ターラタッタターララーラターラッラ♪
    曲が始まった。
     「落合。もっと外側に行って。熱い!」
    俺「え?何?もっと火に近づいて欲しいの?」
     「ちょ、やめてよ!」
    小「とも君。今足踏んだよ」
    俺「あっ、わりぃ。つーかとも君て言うな」
    違うクラスのあまりよく知らない子と躍っている間に、一曲目が終わった。
    前原を探す。少し遠くにいたが、どうにか俺のところまでは回って来そうだった。

210 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:22:15.50 ID:dKAO4a9/0
    マイムマイム終了直前
    俺「前原」
    前「落合君。やっと回ってきたね」
    前原と手を繋いだ。
    2人同時に右足を一歩踏み出す。
    そこで、音楽が鳴り止んだ。
    前「…終わっちゃったね」
    俺「うん。」
    また合唱。
    「静かに更けゆくキャンプの夜~♪安らかに眠れと鐘がなる~♪」
    鎮火。
    皆が旅館に戻っていく。
    心地良い寂しさに包まれた広場。
    俺「俺達も戻ろうよ」
    前「…そうだね」
    俺「??何か嫌のことあった?」
    前「ううん。そんなことないよ」
    悲しそうな顔をしていた前原が少しだけ気になった。

211 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:23:01.96 ID:dKAO4a9/0
    2日目の夜。
    移動教室最大のイベント、ナイトハイク。
    男女2人でペアになり、手を繋いで、暗い夜道を30分ほど掛けて歩くというものだ。
    俺は何が何でも前原とペアになりたかった。
    けど、現実はそう上手くは行かない。
     「男子3番、曽根君。女子3番、前原さん」
    この瞬間、全てがどうでも良くなった。
    前原のペアが田渕や坂上じゃないのがせめてもの救い。
    俺のペアは仲が良くも悪くもないし可愛くも不細工でもない子だった。

215 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:24:28.37 ID:dKAO4a9/0
    旅館の仲居さんが怖い話をし始めた。毎年恒例らしい。
    慣れているだけあって、かなり話が上手かった。
    女子の大半が撃沈。
    男子ですら泣いている情けない奴もいる。そいつは前原のペアだった。
    前原は比較的大丈夫そうだったが、それでも多少は怖がっていただろう。
    俺はそういうのは全然平気。
    前「落合君、怖いよ」
    俺「平気平気」
    前「ねえ、もっと強く手を握って」
    俺「分かったよ」
    みたいな展開を望んでたのに。
    八つ当たりしなくちゃやってらんなかった。

217 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:25:13.66 ID:dKAO4a9/0
    俺「たらたら歩くな!走れ!早くしろ!」
     「無理。そんなに速く走れない」
    俺「じゃあ俺一人で行くから」
    俺はペアの子を置いて一人で先に進んだ。
    先「落合!女の子を一人にしてくるな!」
    チェックポイントで待っていた先生に頭を叩かれた。
    更に途中で雨まで降ってきて、何か泣きたくなった。

218 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:26:28.45 ID:dKAO4a9/0
    消灯。
    けど、ナイトハイクでテンションの上がった俺達が
    簡単に寝付けるわけがない。
     「好きな子言い合いっこしようぜ」
    タキシード仮面がそんなことを言い出した。
     「えー、言うの?」
     「俺、言いたくない」
     「お前が先に言ったら俺も言うよ」
    皆結構ノリノリ。
     「俺は…前原かな」
    まずはタキシード仮面が告白。
    続いてタキシードと仲の良い3人。
     「俺は…井上」
    井上は隣のクラスの女子。
    井上がこいつのことを好きなのは周知のことだったが、相思相愛というのには驚いた。
     「俺も前原なんだけど」
     「え、俺も前原なのに」
    前原大人気。
    ダントツで可愛いから当然と言えば当然だけど
    それでも俺は不愉快だった。

219 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:27:30.28 ID:dKAO4a9/0
     「曽根は?」
     「俺は…佐藤かな」
    前原のペアが曽根で良かった。
     「オッチーとリョウは?」
     「俺はいないよ」
    俺「俺もいない」
     「ホントかよ」
     「ああ」
    リョウは恐らく本当だろう。
    俺は何となく恥ずかしかったので嘘をついた。
     「向こうも同じような話してんのかな?」
    隣の部屋には田渕や坂上がいる。前田も元木もそう。
    こいつ等は俺と同じでいてもいないと答えるタイプの人間だ。
    そういう話をしてたとしても、こっちほどは盛り上がっていないだろう。
    というかしてなかった。
    前田がリカー!(当時のモー娘のメンバーの一人)とか叫びながら壁を叩き始めた。
     「あいつうるせえな」
    俺「マジ迷惑だわ」
    こうして夜は更けていった。

226 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:31:35.55 ID:dKAO4a9/0
    最終日。
    足尾銅山と硬貨の資料館みたいなところに行って、これで全行程が終わった。
    帰りのバスの中でのこと。
    俺「先生、酔ったんだけど」
    俺は昔から乗り物には弱かった。
    先「じゃあ前の席に座れ」
    一番前の席に座らされた。
    前「先生、私も酔いました」
    先「そうなのか?じゃあ前原も前に座れ」
    前原が隣に来た。
    俺「前原も乗り物駄目なの?」
    前「ううん」
    俺「え?」
    前「嘘ついちゃった。落合君の隣に座りたかったから」
    その一言で車酔いの頭痛は吹き飛んだ。

227 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:32:28.89 ID:dKAO4a9/0
    俺は前原と喋り続けた。
    いつしか前原は寝てしまった。
    寝顔が凄く可愛くて、唇とか見てると変な気持ちになって、とりあえずほっぺたつついてみた。
    むにゅむにゅ。
    前「…んっ…う~ん……」
    楽しいから20秒くらい触ってた。
    先「落合!寝てる女の子にいたずらするな!!」
    先生に見つかって怒られた。

228 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:33:01.16 ID:dKAO4a9/0
    こうして移動教室が終わった。
    2学期に入って、前原は以前よりも積極的に俺に近づいてくるようになった気がした。
    もしかしたら前原も俺のことを好きなんじゃないかって思った。
    そして9月の終りのある日
    前「今日の放課後、3時に教室に来て」
    前原に呼び出された。
    告白されるんじゃないか?そんな淡い期待。
    この後、俺は最も聞きたくなかった言葉を聞かされた。


229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:33:44.84 ID:7weN3hrt0
    ついに来るか・・・ゴクリ


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:35:23.62 ID:DaueMwQ2O
    うわ~ いやな予感だ

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:36:04.91 ID:BAFDguun0
    うわぁ見たいような見たくないような


233 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:36:05.37 ID:dKAO4a9/0
    俺「何か用?」
    前「あのね、落合君に言いたいことが2つあるの」
    前原の表情から、喜ばしい話でないことがすぐに分かった。
    俺「2つ?」
    前「うん。嫌な方から先に言うね」
    俺「分かった」
    前「…私、また転校しなくちゃいけないの」
    何となくそんな気はしていたけど、考えないようにしてた。
    今までに何回も転校してる子なんだから、こうなってしまうのも寧ろ当然の事。
    俺「どこ?」
    前「徳島」
    俺「四国の?」
    前「そう」
    絶望的な遠さだった。

236 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:37:27.19 ID:dKAO4a9/0
    俺「いつ転校するの?」
    前「来週には」
    あまりにも突然。
    俺「いつから決まってたの?何でもっと早く言ってくれなかったの?」
    前「夏休み頃。でも、移動教室が終わるまで、皆に知って欲しくなかったから」
    2学期になって、前原がやたらと俺に引っ付いてくるようになったのも
    移動教室中、時々寂しそうにしてたのも
    前原の親に謝られたのも
    全部これが原因だった。
    思い当たる事はいくらでもあったのに
    気付けなかった自分に腹が立った。

240 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:38:48.19 ID:dKAO4a9/0
    俺「東京に戻ってくる予定は?」
    前「分かんない」
    俺「それじゃもう二度と会えないじゃん」
    前「夏休みとかなら遊びに戻って来れるから」
    前原は無理に明るく振舞っていた。
    俺「遊びに来れる距離じゃないだろ?飛行機乗らなきゃいけないんだぞ」
    前「お母さんに乗り方教わるから大丈夫」
    俺「お金だって、きっと何万円も掛かるよ」
    前「お年玉とか貯金してた分があるから平気だよ」
    俺「…できるわけないよ」
    そんなの、現実的には不可能。俺は諦めた。

249 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:42:53.87 ID:dKAO4a9/0
    前「………」
    前原は何も言い返して来なかった。
    俺「向こうに着いて、時間があったら電話してくれよ」
    前「………」
    俺「今度は最初からクラス全員と仲良くしろよな」
    前「………」
    俺「他には……もうないかな」
    後1つだけ、言いたい事はあった。
    俺の前原への気持ち。
    だけど、今更そんなことを言っても意味無いと思ったから、言うのを止めた。

250 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:43:59.38 ID:dKAO4a9/0
    俺「じゃあ俺、そろそろ帰るね。また明日」
    これ以上この場にいたら、涙を堪えきれなくなりそうだった。
    前「待って。もう1つだけ言いたいことが残ってるから」
    さっき前原が2つあると言っていたのをすっかり忘れてた。
    けど、もう何でも良かった。
    俺「何?」
    前「私、落合君のこと好きなの」

    嬉しいけど嬉しくなかった。
    こんなこと言われても余計に別れが辛くなるだけなのに。
    ここで、俺の涙腺が決壊した。
    男のくせに泣くのは恥ずかしいとか、そんな気持ちは消え失せていた。
    俺「俺も前原のこと好きだよ」
    前「良かった…」
    俺「良くねぇよ」
    前「………」
    俺「もっと一緒に居たかったのに。お前と離れ離れになんてなりたくない」
    前「私だって嫌だよ。卒業までずっと落合君と一緒にいたかった」
    前原も泣き出した。
    2人で10分くらい泣き続けた。

251 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:44:39.26 ID:dKAO4a9/0
    前「ねえ、落合君」
    俺「何?」
    前「おまじないしよ」
    俺「おまじない?」
    前「いつかまた会えるおまじない」
    そういう非科学的なものは信じていなかったけど
    やってもいいかなって思った。
    俺「どうすればいいの?」
    前「3時33分33秒にね…」
    見ると、時計の長針は6を過ぎたところだった。
    前「キスするの。そうしたら2人は結ばれるんだって」
    俺「え、だって、あの…」
    前「お願い…」
    前原が目を瞑った。
    そして3時33分、秒針が33番目の点に重なった。
    俺は、当惑のあまり頭が真っ白。キスなんてできなかった。

256 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:46:27.23 ID:dKAO4a9/0
    前「まだ?」
    俺「…ごめん。時間、過ぎちゃった」
    前「別にいいよ。だって、それ、私の考えた嘘だから」
    俺「え?」
    前「もうっ」
    俺「んっ」
    前原にキスされた。
    前「私は、落合君のこと、ずっと好きでいるから」
    俺「………」
    前「もし、いつかどこかでまた会えて、まだ落合君が私のこと好きでいてくれたら」
    俺「………」
    前「その時は私を彼女にしてね」
    俺「うん」

260 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:48:04.99 ID:dKAO4a9/0
    クラス皆でやったお別れ会を最後に、前原は俺達の学校からいなくなった。
    俺は坂上と仲直りした。
    坂「今までごめん。俺、前原のこと好きだったんだ」
    俺「は?」
    坂「お前ばっか前原と喋っててムカついた」
    俺「………ま、過ぎたことだし気にすんなよ」
    こうして俺達の日常は前原が転入してくる前の状態に戻った。

    10月の初めに前原から電話が来た。
    新しい学校でも上手くやれているとのことだった。
    俺達はそれ以降も割と頻繁に連絡を取った。
    バレンタインには宅配便でチョコを送ってきてくれた。
    季節は移ろい、卒業。
    何だかんだでとても幸せな小学校生活だった。

                    第一部完


264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:49:22.76 ID:lm1Thdo0O
    第…一部…だと?



265 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:49:30.41 ID:dKAO4a9/0
    最後駆け足になっちゃったけど
    何とか4時までに終わって良かった。
    本当は後半分くらい残ってるんだけど
    皆疲れたと思うから終りにするね。



266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:49:34.70 ID:BAFDguun0
    おいおい第一部かよ


267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:49:38.36 ID:DaueMwQ2O
    続きどうすんの?

268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:49:40.30 ID:W0CUhTgEO
    乙でした!
    第二部!二部を!



270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:49:55.46 ID:rVF+OexY0
    いい話でした。>>1乙

    ってか第二部もあるの???


275 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:50:33.80 ID:dKAO4a9/0
    俺、最近彼女に振られてさ。
    気晴らしになれば良いなって思ってスレ立てたんだ。
    結構レスしてくれる人多くて嬉しかった。
    ここまで付き合ってくれてありがとう。

    人の記憶力って凄いね。
    もう何年も前の事なのに意外と忘れてなくてびっくり。
    それだけ前原のことが好きだったんだな。
    もちろん今もあいつのこと大好きだし、これからもずっとそうだけど。



294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:55:33.56 ID:NmVn/DinO
    指についたハッピーターンの粉しゃぶらてやるから釣り宣言しろ



299 : ◆tsGpSwX8mo :2008/03/29(土) 03:56:50.20 ID:dKAO4a9/0
    >>294
    残念だけど釣り宣言はできないぜ。



続きます。


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