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補正予算 公明容認、会期内成立にめど 攻めきれぬ自民

2010年11月22日22時4分

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 菅政権は、公明党に配慮して柳田稔法相の更迭に踏み切った。これを受けて公明党は補正予算案の早期成立を容認する方向となり、12月3日までの会期内成立にメドがついた。当初は政権への強硬姿勢を貫く構えだった自民党も公明党との足並みが乱れるのは避けたい考えで、2大政党が公明党を引っ張り合う構図がますます鮮明になってきた。

 補正予算案の採決にあたり、自民党は19日の参院予算委員会理事会で(1)小沢一郎元民主党代表の証人喚問(2)柳田法相の罷免(3)政治的な発言をする団体の防衛省行事への参加を控えてもらう防衛事務次官通達の撤回(4)流出した尖閣諸島沖衝突事件のビデオの公開――の4条件を突きつけていた。

 このうち、柳田氏は22日に辞任。同日、流出映像と同じ44分間のビデオも西岡武夫参院議長に提出され、(2)と(4)はクリアされた。公明党はこれを評価。山口那津男代表は訪問先のソウルで「審議を妨げる事情が取り除かれた」と述べた。同党参院幹部も「全部満額回答を求めることはありえない」と明言。自民党側に「補正に政局を絡めるのは反対」と伝え、補正採決前の仙谷由人官房長官、馬淵澄夫国交相への問責決議案の提出も思いとどまるよう要請した。

 公明党は統一地方選を控え、解散を避ける立場から菅政権を最後まで追い込むことは避ける「寸止め路線」を続けてきた。司法修習生に国費で給与を支払う「給費制」復活の議員立法や美術品補償法案など同党がこだわる法案について民主党と合意しており、補正予算案をめぐる審議の混乱のあおりでフイにしたくないという思惑もある。

 野党7党が22日午後に開いた参院国会対策委員長会談では、仙谷氏らに対する問責決議案提出について、みんなの党だけが補正予算案の採決前の提出を主張。公明党は「採決後」を主張し、24日に再び協議することになった。

 菅政権を厳しく批判する一方で、公明党との協力関係を失いたくない自民党は和戦両論が交錯している。谷垣禎一総裁は22日、採決は4条件にあくまでこだわる姿勢を示しつつ、仙谷氏らへの問責決議案提出の時期については明言を避けた。参院幹部は「ここで引っ張りすぎると泥沼にはまる。補正予算案だけはちゃんと成立させないといけない」と漏らす。

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