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プロミスが中国本土に参入 中間層照準、金利最高50%

2010年6月23日19時18分

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 消費者金融最大手プロミスが7月、国内勢では初めて中国本土に進出する。業界は規制強化などで存亡の危機に立たされているが、片や中国は消費者金融ビジネスの黎明(れいめい)期。日本での「無担保無保証でお金を貸すノウハウ」が通用するかどうか注目される。

 プロミスは23日、中国・深セン(センは土へんに川)市で消費者金融を営む認可を当局から得たと発表した。完全子会社のプロミス香港が、深センの消費者金融会社に資本金の60%分にあたる3千万元(約4億円)を出資し、傘下に収めた。7月に営業を始める。

 中国本土では、消費を刺激して内需を拡大しようと「中国版消費者金融」が試験的に導入され始めている。深センに隣り合う香港に1992年に進出したプロミスは、昨年初めに深セン当局が外資にも門戸を開くルールを設けたのを受け、「少額貸付会社」として展開することを決めた。

 深センの人口1人当たりの国内総生産(GDP)は中国トップ級。プロミスは、月収8千元(約10万円)程度のホワイトカラーの中間層をターゲットに、無担保無保証ローンを「即日審査」で提供し、差別化を図る方針だ。交際費などで現金が急に必要になった勤め人らの需要を見込む。

 中国での上限金利は、中国人民銀行が定める貸し出し基準金利の4倍まで。1年物金利だと現在は21%超になるが、「手数料」には決まりがなく、プロミスは事実上、最高40〜50%の金利で貸し付ける模様だ。

 日本では18日に改正貸金業法が完全施行され、上限金利が年15〜20%に引き下げられ、個人の借入総額を年収の3分の1までに抑える総量規制も始まった。過払い利息の返還も重荷で、業界は総崩れ状態だ。

 このため、海外事業の重要さが年々増しているが、焦げ付きを抑えて貸し付けを伸ばすには取引データの蓄積が不可欠。プロミスは香港での経験を生かすが、当面は手探りになりそうだ。(吉原宏樹)

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