交通費、宿泊費…十数万円の負担 就活「経費」、親子で積み立てを
2010/11/03 11:05更新
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2012年春の入社に向けたシューカツ(就職活動)が始まっている。つい膨らむのが交通費などの必要経費。地方と都市を往復すると宿泊費もかかりかねない。最近登場した「就職塾」にも通えば、総額は30万円台に上ることも。厳しい雇用情勢でシューカツは長引く恐れがあり、積み立てておくと良さそうだ。
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記事本文の続き ≪父親が援助≫
来年春に銀行への入社が内定した学習院大4年の男子学生(23)は「スーツ代やJR運賃などの必要経費の総額は20万円超。父親が約4割出してくれた」と振り返る。
横浜市の女子大4年生(21)は広告関連会社の内定獲得までの企業訪問回数が約75に及び交通費は7万円弱。経費は計約18万円。「アルバイト代をため全部自分で賄った」
兵庫県出身で、横浜市内の同級生(21)は4月に大手保険会社に内定。活動開始は3年生だった昨年11月で、経費は30万円超。貯金では足りず、親に頼った。「都内の企業訪問に加え、実家近くの企業の面接に新幹線で3回行き、交通費が計約10万5000円かかった」。美容院代もかさんだ。「2年以上茶髪だったので黒く染めてもすぐ茶髪に戻り2回も染め直した」
≪塾も大盛況≫
「面接マニュアルの本で覚えた言葉でなく、自分の言葉で話しましょう」。電機メーカーなどの一般企業への内定をサポートする「就職塾」。
JR渋谷駅近くの「フェアネスコンサルティング」では、富士通出身で就職支援の資格を持つ小名木智宏社長らが、学生に面接の心得やエントリーシート(志望書)作成などを個別指導している。主要都市に担当者を置き、家庭教師もする。
受講者の7、8割は親の問い合わせがきっかけ。親子そろって受講するケースもある。同社長は「最近の若者は挫折経験が乏しく、自分を見つめ直すことや他人とコミュニケーションを図る力が足りない。そこを支援する」と話す。全10回の“フルコース”の講義を選ぶと約13万円かかる。
長女(20)が早大3年生の札幌市の会社員(44)。「賃下げが続き家計は苦しく、シューカツ経費の補助さえ楽ではない」と悲痛だ。
ファイナンシャルプランナーの三輪鉄郎さんは「経費は最低でも十数万円は必要では。親子で毎月5000円積み立てておくだけで負担感が減る」と指摘している。
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