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政権迷走、統一選「このままでは惨敗」 民主宮城県連に危機感

来春の統一地方選での勝利を目指し、気勢を上げる民主党の地方議員ら

 来春の統一地方選が迫る中、民主党宮城県連に危機感が広がっている。県議選、仙台市議選では全選挙区に候補者を立てる強気の方針を崩さないが、新人擁立の作業は難航。外交問題での失態や閣僚の相次ぐ失言による菅政権の迷走で党への逆風は強まっており、地方議員からは「このままでは惨敗しかねない」とため息が漏れ始めた。

 21日にあった県連定期大会。終盤、新代表に選出された今野東参院議員(比例)を囲むように、統一選の公認・推薦候補25人がずらりと並んだ。
 「全員の当選目指して頑張るぞ」。先陣を切って拳を突き上げた今野氏。大会後の記者会見では「候補者は倍増を目指す」と意気込んだ。

<4年前と風向き逆>
 だが、地方議員の表情は険しい。若手仙台市議は「上位当選した4年前と風向きは逆だ。今回は党公認が足かせになる」と心配する。ベテラン県議は「国政の混乱で主戦論は吹き飛んだ。現職の議席維持だけで精いっぱいだ」と頭を抱えた。
 ある新人候補は菅内閣の支持率低下で、支持者に「今からでも立候補を取りやめてはどうか」と助言されたという。「戦いに船出したくても、いかりが重くて動けない感じ」と肩を落とした。
 県連は、県議選を党勢拡大の主戦場と位置付けるが、公認・推薦候補の擁立は進まない。衆院宮城4区内はいまだにゼロ。「空白区」の解消に向けて擁立作業を優先している若林(定数3)、大崎(4)両選挙区でさえ、めどが立っていない。

<幹事長発言に怒り>
 20日、仙台市内で県連役員と懇談した岡田克也幹事長は席上、「擁立が遅れている。さらに努力してほしい」と迫った。同席した地方議員は懇談終了後、「努力が足りないのはそっちだろう」と怒りをぶちまけた。
 県連幹部の一人は「民主党の看板で戦ってくれと言える状況ではない。候補者を立てても、国政がこのありさまでは勝てる保証などできない」といら立ちを募らせる。
 数少ない好材料は、今月開校した「党みやぎ政治スクール」だ。一般公募を含め41人が参加し、県議選に意欲を見せる受講生もいる。前県連代表の安住淳衆院議員(宮城5区)は「厳しい状況下でも民主党に興味を持ってもらい望外の喜びだ」と期待をつなぐ。
 厳しい船出となる今野新代表は「われわれが目指す方向は間違っていない」と話し「批判にさらされても率直に耳を傾け、丁寧に説明する統一選にする。仙台弁で言う『までぇ(=丁寧)』な選挙を目指す」と巻き返しに意欲を見せた。


2010年11月22日月曜日


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