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周辺への関心が犯罪抑止県立大生 遺体発見から1年浜田市の県立大1年生だった平岡都さん(当時19歳)が広島県の臥龍(がりゅう)山で遺体で見つかってから、6日で1年。事件はいまだ解決しておらず、地域の安心安全への信頼は揺らいだままだ。犯罪を場所から予測し、予防策を提唱している立正大の小宮信夫教授(犯罪社会学)に、犯罪に強いまちづくりへの指針を聞いた。(小川紀之) ――平岡さんは昨年10月26日夜、アルバイト先から大学寮に帰る途中、何者かに連れ去られた。どのような場所だったと考えるか。 「今回の犯人は、犯罪が成功しそうな場所をきちんと選んだ上で、計画的に犯行に及んでいる。周囲の目を気にせずにすみ、外から来ても容易に入り込みやすい場所だったのではないか。身の回りにはこういった犯罪が起こりうる場所が意外と多くある」 ――昨年12月に続き、今月も浜田の街を歩いて、検証された。当時と現在を見比べた印象は。 「平岡さんらがアルバイト帰りに通っていた大学近くの坂道を、先日も歩いてみた。コンビニ弁当の空箱など、ごみが目に付いた。周辺環境に関心を払う人が少ない、つまり、犯罪者に都合の良い場所のままだった。学生の安全を確保する意味でも、大学側から周辺美化を提案し、進めていくべきではないか」 「勝手に車を止めることができる、つまり犯罪者が入り込みやすい駐車場も多い。自分の敷地が犯罪に利用されないよう、夜間は鎖で閉鎖するなど、管理者は手間をいとわないでほしい」 ――事件後、浜田市は市内に防犯カメラを設置するなど、ハード整備を進めている。 「周囲から見えにくく、かつ入り込みやすい場所で犯罪は起きる。この点を意識しなければならない。カメラを設置するなら、もっと目立たせた方がいい。撮影していることをはっきりと示し、『見られている』との意識を与えることが、犯罪抑止につながる」 ――市民有志のグループは、各家庭に門灯の点灯を呼びかける運動を始めた。 「門灯は、これから帰宅する家族を待っているという印であり、今から誰かが家の前を通るというサインでもある。犯罪者は、犯行を見られる可能性がある場所を避ける。街灯と違い、門灯には住む人の思いがこもる。その家庭が、家の外に注意を払っているとの意思表示でもあり、大変良い動きだと思う」 ――浜田市内の防犯マップを作成した県立大の学生たちもいる。 「犯罪に強いまちは、ハード面の整備より、犯罪抑止の意識を持った人をいかに多く育てるかにかかっている。その意味で、学生たちはすでに戦力だ。行政は彼らを講師に市民の防犯講習などを開いてみてはどうだろうか。彼らの言葉で説明すれば、より市民に伝わりやすいはず」 ――今後、犯罪に強いまちづくりを進めるのに必要なことは何か。 「犯罪が起きると、『被害者は運が悪かった』の一言で終わらせてしまう人が多い。犯罪者は周囲に気付かれず、対象に近づける場所を選んでいる。犯罪は偶然起きているのではない。予測は可能だ。それなのに、対策を取らず、犯罪が起きる機会を放置している。みんなで真剣に考えることが大切だ」 (2010年11月6日 読売新聞)
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