ロシア極東ウラジオストクの海洋国立大学(セルゲイ・オガイ学長)が、同大学への留学を希望しながら昨年11月に広島県の山中で遺体が見つかった島根県立大1年、平岡都さん(当時19歳)を追悼し、授業料などを全額免除し同県立大から短期留学生を受け入れる奨学金制度創設を提案したことが11日、分かった。
県立大の本田雄一学長は「ありがたい提案に感謝」と歓迎し受諾。来年8月にこの制度を利用した初の学生が海洋国立大に留学する予定。
受け入れは1人で、期間は1カ月。授業料や宿泊料など約30万円相当の経費を海洋国立大が負担する。
オガイ学長は制度の名称を「平岡都記念奨学金」としたいとし、「ロシア語やロシア文化を学ぶ環境をつくることによって、悲劇に巻き込まれた平岡さんをしのびたい」と話した。
県立大などによると、平岡さんは昨年10月、島根県の浜田港に寄港した海洋国立大の練習帆船を見学し、学生と交流。その後も電子メールで交流を続けるなど、日本海の対岸であるロシアへの関心が強かったという。(ウラジオストク共同)
毎日新聞 2010年11月11日 19時00分