暴力団追放:「住民の会」発足へ 弘道会系企業移転で

2010年9月22日 15時0分

 指定暴力団山口組を実質支配する弘道会系のフロント企業「ケープロジェクト」の拠点が東京・麻布十番から台東区に移転した問題で、移転先の周辺住民らが10月3日に「暴力団追放住民の会」を発足させることが関係者への取材で分かった。警視庁は、ケ社の代表者である小松組組長が弘道会の東京進出の先導役とみており、住民らは民事介入暴力対策専門の弁護士らの支援を得て、組事務所としての使用差し止めを求める訴訟を起こすことも検討する。

 関係者によると、住民の会は10月3日に区や警視庁、暴力団追放運動推進都民センターなどと、500人規模の決起大会を開く予定。

 会社登記によると、ケ社は経営コンサルティングや不動産の管理・売買などを目的に資本金100万円で07年に設立され、東京・麻布十番の高級マンションの一室を購入した。しかし、周辺住民らが東京地裁に使用差し止めの仮処分を申し立て、09年4月に和解が成立。和解条項には10年5月末までに部屋を売却する▽売却できない場合は住民側が7000万円で買い取る権利を持つ--ことなどが盛り込まれた。

 その後、ケ社は今年2月に台東区の住宅街にある4階建て雑居ビルを取得。8月に移転登記した。表札には「Kプロジェクト」と小松組組長の名前が書かれ、ガレージには高級外車が数台止まっていることもある。警視庁はビルに小松組組員や上京した弘道会幹部が出入りするのを確認しており、実質的に組事務所として使用されているとみている。

 弘道会は山口組トップの篠田建市(通称・司忍)組長=銃刀法違反で服役中=とナンバー2の高山清司若頭の出身組織。構成員数は約4000人で「反警察」の姿勢を末端まで徹底させ警察当局は警戒を強めている。

 都内では09年1月に指定暴力団稲川会の本部事務所が港区六本木から赤坂に移転しようとした問題があり、移転予定先の周辺住民による運動で移転が中止されたケースがある。

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