2010年9月22日 11時42分 更新:9月22日 13時58分
栃木県足利市で90年に4歳女児が殺害された「足利事件」で、今年3月に再審無罪が確定した菅家利和さん(63)が22日、約8000万円の刑事補償を宇都宮地裁に請求した。地裁は検察側の意見も踏まえ支払額を決めるが、請求通り認められる公算が大きい。
弁護団によると、刑事補償法が定める上限の1日当たり1万2500円で、逮捕された91年12月2日から釈放された09年6月4日まで6395日分。請求後に宇都宮市で会見した菅家さんは「犯人にされた悔しさは残っているが一段落した気持ち。ホッとした」と述べた。また大阪地検特捜部検事の証拠改ざん事件の感想を問われると「本当にひどいことだ。正義を感じない」と険しい表情を見せた。
同法によると、刑事裁判や再審で無罪となった場合、身柄を拘束された日数に応じ、1日1000~1万2500円の補償を国に請求できる。弁護団は補償金とは別に、1審から再審公判までの裁判費用も刑事訴訟法に基づき請求している。【岩壁峻】