韓国、脱北者２万人超えなお急増　手厚い支援も定着に問題 (2/2ページ)

　一方、偽装脱北した北朝鮮工作員の侵入が増加し、治安上の問題となっている。今年４月には、過去最高位の脱北者で先月死去した黄（ファン）長●（＝火へんに華）（ジャンヨプ）・元朝鮮労働党書記の暗殺指令を受け、脱北者に偽装した工作員２人が摘発、先月も別の偽装工作員が摘発された。

　韓国の警察関係者は「偽装脱北者は、脱北した朝鮮労働党や政府、軍関係者の韓国での居場所を突き止め、北に残る家族を人質に取り工作員に仕立てるほか、直接暗殺を目的とする者もいる。今後さらに増加するだろう」とみている。

　脱北者で朝鮮日報の記者、姜（カン）哲煥（チョルファン）氏は、韓国定着の難しさについて、１７日付の同紙で「統制社会の北朝鮮で育った人間がいきなり自由社会に来れば、すべてが自由なのだという錯覚に陥りやすい。自由社会の自由は『責任を負う自由』だということを認識するまではかなり多くの時間がかかる」と指摘している。