日露戦争で沈没 巡洋艦の旗が戻る
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日露戦争で沈没 巡洋艦の旗が戻る

11月21日 9時15分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

日露戦争の際、当時のロシア海軍が、日本による接収を避けるため朝鮮半島沖でみずから沈没させた巡洋艦の旗が、保管先の韓国から、およそ100年ぶりにロシアの地に戻りました。

この旗は、日露戦争当時のロシアの巡洋艦「ワリャーグ」に付けられていたもので、当時のロシア海軍は、朝鮮半島沖で日本軍の攻撃を受けて破損のひどかった「ワリャーグ」を、日本側に接収されるのを避けるため、みずから沈没させました。「ワリャーグ」はその後、日本側によって引き揚げられ、旗は朝鮮半島で保管されていましたが、今月11日メドベージェフ大統領が韓国を訪れた際、旗がロシアに貸し出されました。旗は、およそ100年ぶりにロシアの地に戻され、20日、サンクトペテルブルク郊外の教会で、ロシア正教の指導者やメドベージェフ大統領夫人のスベトラーナさんらが出席して記念式典が開かれました。この中で、ロシア正教会のキリル総主教は「旗は当時の水兵たちの勇敢さをたたえる永遠の記憶を、若い世代に受け継いでいくものだ」と述べて、里帰りした旗の意義を強調しました。ロシアでは、政府が愛国教育を重視するなかで、ロシア革命の前後や第2次世界大戦の混乱期に外国に流出した貴重な資料や文化財などを取り戻す動きが盛んになっています。