PJ: 田中 大也
「非実在青少年条例」再提出報道における「条文解説」と「公算」に疑問
2010年11月20日 08:06 JST
【PJニュース 2010年11月20日】先日も、東京都が青少年健全育成条例改正案を提出する模様だと書いたが、その第一報を告げることになった読売新聞の記事(十一月十六日付)では、状況の分析にとどまらず、
「これまで反対していた民主党も修正内容に同意するとみられ、条例改正の公算が大きくなった」と報じられ、「再提出案では、定義があいまいで過度な規制につながる恐れがあると指摘された「非実在青少年」との文言を削除、「18歳未満」とした、規制対象のキャラクターについても具体的な言及を避けた」とも伝えている。
だが、実際には、民主党に所属する都議に問い合わせた市民が「条例案はまだ提出されておらず、同意するかは未決定」というようなコメントを、複数の議員から示されており、民主党に所属する野上ゆきえ都議も、報道が出された段階で「条例改正(案)の内容は開示されていません。まだ会派内で同意するか否かも決まっていない状況です」と自身のツイッターでコメントしている。
そうした事から、「賛成する公算」との情報の確度に、強い疑問が抱かれる事態となっている。
実際、広く公開された条例案を見てから、会派としての賛否を決めるのが公式のあり方で、まだ提示されてもいない条例案になど、公的に賛成も反対も示せるはずはない。ましてや、内々にも内容が開示されていない条例案に評価のしようもないだろう(もちろん、賛否を示せない段階でも、議員個々人の印象は存在するだろうが)。
一体、何を根拠にしたのかと報道の質を疑われるのは当然で、世論を喚起するための「煽り」や「観測気球」ではないかというような声もネットでは上がっているが、事実、開示されていない、議員も詳細を知らない段階で「修正内容に同意するとみられ、条例改正の公算が大きくなった」などと報道するのは、確度の面で、あまりに問題がある「予測」だと言えるだろう。
この報道に関するもう一つの問題は、一般に公開されていない、都議も知らない状況であるにも関わらず、何故マスメディアが改正案の中身を知っているのか、という部分だ。
もし、万が一、憶測や噂のレベルで書いていたとしたら、報道側の姿勢として大問題になるわけだが、そうでなかったとしたら、消去法的に考えて、東京都側が既に完成されている改正案の中身を、正式な公開を前に、市民や都議たちに先駆けて、マスコミにリークしていたという疑念すら強くなってくる。
本来、条例が仕上がったのなら、少しでも長く議論の時間を取らせるために、いち早く市民や都議に公開するのは当然のことだ。だが、今回、改正案の中身を知っているかのような報じられ方をしたために、都側の信頼が揺らぐ事態となっている。前述したように、もしマスコミにだけ情報が先んじて流れたとなれば、条例改定を目指す都側が、「煽り」を狙ってきたとも解釈され得るからだ。
いずれにせよ、内容も公開されていない、都議も知らないという段階で、「成立の公算」が報じられ、公開されていないはずの中身がマスメディアで言及されているという、ある種異常な事態は、報道と都側の信頼を疑わせるものになっていると言えるだろう。選挙の結果は、正当な過程でなされない限り、正式なものとなされないわけだが、今回の条例は、やはり、賛否以前の過程、プロセスの時点で、問題が多過ぎる部分があると言わざるを得ない。【了】
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