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PJ: 田中 大也

「児童ポルノ男女同一基準」で、スポーツや水着の写真まで違法化のリスクが!?
2010年11月13日 07:59 JST

【PJニュース 2010年11月13日】前回、「男女同一」基準によって、少年アイドルのグラビア等々が違法化される危険性について書いたが、「児童ポルノ」の定義が商業的なグラビアだけではなく、あらゆる画像や映像に適用されるものである以上、問題は、他の様々なコンテンツに及ぶことも免れない。十八歳未満の男子が上半身裸の状態になっている相撲や水泳の画像や映像、さらには、個人的な海水浴を撮影した画像や映像を製造、提供することについても、潜在的には違法化される恐れがあるのだ。

社会的常識からすれば、無茶苦茶な話ではあるのだが、実のところ、摘発したとして、法律的には穴がない。

児童ポルノの定義が、法的に男女同一である以上、「児童」が上半身裸であるという時点で、「衣服の全部または一部を脱いで」の外形的定義は満たせるし、「性欲を喚起させる」の概念にしても、乳幼児の裸にも適用できる時点で、性的な部分での一般的な概念は通用しない。

故に、相撲や水泳、海水浴といった、およそ性欲云々とは関係なさそうな画像や映像にも、問題なく適用できるということになる。後は、実際に判定にあたる警察の判断次第ということになるが、法律上の有罪要件を満たしているため、仮に摘発したとしても「不当逮捕」にはならない。

これらの事から、個人のブログや画像掲示板に掲載されている画像や映像に関しては、「児童ポルノ認定」が適用される危険が高いと考えられる。その後、「インターネット上に男児の児童ポルノ画像を掲載した」というような形で情報が出れば、世間的にも何の問題もない法の行使だったと見られるだろう。そもそも、TV等で流れている相撲や水泳の映像を、取り締まり側が児童ポルノだと「認定」したとしても法的には「何の問題もない。世間的な反響からすればやり辛いかも知れないが、それだけの問題でしかない。

男子が上半身を脱いでいる相撲や競泳といったスポーツ、海水浴などのレジャーやプールの授業などは、「男女同一基準」によって、深刻な脅威に晒されていると言っていい。

撮影したり、画像や映像を公開したりすることで、「児童ポルノ」扱いされるかも知れないし、そうした前提がある以上、公的な競技や施設としては、「児童」を撮影されただけで「性的に人権侵害」され得る状態にしておくわけにもいかないからだ。男子も女子と同様、上半身を覆う水着を着用しなければいけなくなるかも知れない。特に、様式的に上半身を布地で覆うわけにもいかず、少年の競技者も多い相撲への影響は甚大なものになると考えられる。

また、このままの定義で規制が進展したとすると、「上半身裸の児童の画像をネットで見ただけでアウト、持っているだけでアウト」という事態が起こることにもなりかねない。

裸、ないしは半裸という、男女で著しく許容範囲が違う事柄を、他の性的な案件と同じく、男女同一の基準で定義したことで、この恐ろしい事態が生まれた。

「児童を守る」という建前によって、アイドルのグラビアのみならず、相撲や競泳といったスポーツからレジャーや家庭の風景に至るまで全ての画像や映像が違法化されかねない状況が、果たして本当に児童の人権を擁護していると言えるのだろうか。【了】

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PJ 記者