2010年9月22日 11時0分 更新:9月22日 12時13分
【ワシントン斉藤信宏】米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、会合終了後に発表した声明で「経済見通しを注視し、経済の回復を支えるために必要があれば、追加の緩和措置を講じる用意がある」と表明した。FRBは前回8月の会合で、これまでに購入した住宅ローン担保証券(MBS)の償還資金を米長期国債に再投資する「事実上の追加緩和」に踏み切ったばかりだが、米景気の動向次第では、次回11月の会合以降、米国債の追加購入など一段の緩和策に踏み込む可能性が出てきた。
FRBは、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を史上最低の年0~0.25%のまま据え置き、事実上のゼロ金利政策を今後も長期間継続することを確認した。
FRBは声明の中で米経済について「過去数カ月間、生産と雇用の回復ペースが減速した」と言及。景気判断は前回の表現を変えなかったが、「現在のインフレ率は、最大雇用と物価の安定にとって望ましい水準をやや下回っている」とデフレに対する警戒感を示した。また、「設備投資のペースが今年の早い段階に比べて落ちている」と指摘し、設備投資に関する記述を下方修正した。
この日の決定には、カンザスシティー連銀のホーニグ総裁が反対票を投じたが、バーナンキ議長ら残りの8人が賛成した。
米国では今春以降、欧州で深刻化した財政危機の影響などもあり、回復しつつあった景気にブレーキがかかっている。雇用改善の遅れもあり、再び景気後退に向かうとの観測も浮上していた。