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40社受けても面接は2社 「自然に涙がこぼれる」
「夏までには就職が決まると思っていた…。甘く考えていたかもしれない」。東京都港区のハローワークで求人情報を探していた昭和女子大(東京)4年の女子大生(22)は、顔をしかめて話した。
約1年前から始めた就職活動。これまで40社近くにエントリーシートを出したが、面接に進めたのは2社だけ。そこも採用内定はもらえなかった。事務職希望で、当初は金融業界を中心に企業訪問をしていたが、いまではそんなこだわりも半ば捨てている。
「もう業種にこだわっていられない」
ゼミ仲間8人のうち半分もまだ内定をもらっていない。予想をはるかに超えた厳しさに、卒業旅行の計画も未定で「自然に涙がこぼれる日々です」と話す。
しかし、やはり大企業や有名企業に就職したい。ハローワークに集まる中小企業の求人には「名前を知らない企業は敬遠してしまう」という。実家暮らしで、父親も「今年は無理しなくても」と言ってくれる。「来年まで待って、公務員試験を受けようかなとも思う」と悩ましい。
「いまは企業の規模にこだわっていられない」と焦る大学生もいる。アパレル関係か食品メーカーを希望している国学院大(東京)4年の男子学生(23)は、「とにかく来春を社会人で迎えたい」とパソコン上の中小企業の求人情報に目を走らせる。実家暮らしだが、大学入試で1浪しており、これ以上、親に迷惑をかけられないという。
「なぜ受からないのか。何か資格を取っておけばよかった。自分の意見も言えるようにしておけばよかった」。卒業まであと5カ月足らず。1学年下の3年生が就職活動を開始する中、4年生の就職活動はまだまだ終わりが見えない。(田中充)