韓国軍:装甲車沈没事故、原因は設計ミス
浸水防止装置の複合欠陥、設計に関与した25人には「警告」のみ
今年7月に訓練用の貯水池で沈没し、将兵一人が死亡した最新型のK21歩兵戦闘装甲車について、水中で一方に傾いて浸水するのを防ぐ装備が正常に機能しないなど、浮行に関して決定的な欠陥があったことが確認された。にもかかわらず、業務を不当に処理した防衛事業庁や国防科学研究所、国防技術品質院、陸軍試験評価団の関係者ら25人に対する行政処分は、「懲戒」ではなく「警告」にとどまる程度だ。懲戒の時効は2年だが、K21装甲車の開発事業は07年末に終わっている、というのがその理由だという。
国防部は19日、「合同調査団が、今年8月30日からおよそ2カ月間にわたり調査を行った結果、装甲車前方の浮力不足や波よけの機能喪失、エンジンルーム用排水ポンプの無稼働、エンジンブレーキの効果で前のめりになる現象などが複合的に作用したために、(装甲車が)沈没したことが確認された」と発表した。
K21装甲車は設計上、前方に重量がかかるようになっているが、浮力を十分に確保できる装備が備わっておらず、浸水したというわけだ。ほかの装甲車は本体の浮力で水に浮くことができるが、K21装甲車は重量が25トンもあり、補助フロートが必要だ。
国防部の関係者は、「運営試験評価を行ったときは、兵士を後ろに乗せていたため重心が釣り合ったが、事故当時は兵士が搭乗しておらず、後方が軽い状態だった。開発時から、後方に兵士を乗せていない状態できちんと浮行できるかどうか確認しなかったのが問題」と語った。
- K21歩兵戦闘装甲車
さらに、波よけの高さも十分ではなく、波の圧力を防ぐには非常に弱かったことも判明した。合同調査団が確認した結果、真ん中の部分が内側に37ミリ曲がるなど大きく変形し、水を防ぐ機能を発揮できなかったことが明らかになった。調査団の関係者は、「下の部分に装着された支持台を上の部分にも補強したところ、変形現象は起きなくなった」と語った。
エンジンルームの排水ポンプは、エンジンを掛けたときにエンジンルームの気圧が周囲より低くなる「負圧」という現象のせいで、水の流入が早まり、作動しなかったという調査結果が出た。なおこの問題は、エンジンルームに水が入るのを防ぐバルブを設置すれば解決できることが判明している。
調査団の関係者は、「設計を一部変更して装甲車の前方浮力を強化し、排水ポンプの能力も170リットルから300リットル以上のものに交換することにした。今年予定されていた50台の野戦配備を保留し、来年2月までにこれらの問題点を補完した後、来年末までに、予定より31台少ない109台が戦力化される計画だ」と語った。
一方、今年8月に発生したK1戦車の砲身破裂については、砲身内にできた微細な亀裂が長期間射撃するにつれ大きくなり、限界に達して破裂したという調査結果が出た。そのため、砲身内の異物や不良弾頭、砲身の素材などの問題ではないという。調査団の関係者は、「砲身を製造する過程で、幾つかの要因により、細かい亀裂が生じるケースがある。一種の不良品だと思えばいい」と語った。
さらに、K9自走砲のエンジン故障に関しては、調査の結果、専用の不凍液を使用しなかったか、あるいは交換の周期をきちんと守らなかったために発生したことが分かった。
張一鉉(チャン・イルヒョン)記者