【鳥取】砂丘にあやかって砂を使った土産物が人気を呼んでいる。砂を固めた土台に7センチほどのモルタルでできたモアイ像を載せた「鳥取砂丘モアイ」は、鳥取砂丘の「サンドパルとっとり」で多いときには週1000個以上が売れる人気商品になっている。【田中将隆】
手がけているのは、鳥取市気高町に工房を構える池原工業。池原正樹専務(40)が「砂そのものを使った土産物を作れないか」と開発をスタートさせた。本業のモルタル造形技術を応用して、ちょっとやそっとでは崩れない商品を生みだした。
砂丘にこだわったが、砂丘は国立公園の一部で、砂の持ち出しは禁止。砂丘近くの同質の砂を使い、堂々と名称に「鳥取砂丘」を入れた。砂丘とモアイに関連はないが、「なぜか納得してしまう組み合わせ」と観光客に好評という。
企業秘密という特殊な接着剤で砂を固めて作った「ミニモアイ(砂)」や、砂を盛った容器におもちゃのヤシの木とミニモアイを立てた「鳥取砂丘デコモアイ」などもあってバリエーションは多様だ。
砂をローマ字の形に固めた「すなもじ」も人気。手のひらサイズでAからZまである。1個200円と手ごろで、「人気字」は品切れになるほど。水に浸しても崩れない野外用も開発中という。
手作りで大量生産はできない。池原専務は「生産が追いつかないから、売れすぎても困るんです」と話す。年末には砂の絵馬を発売する。来年のえとにちなんでウサギの耳を生やしたモアイをあしらい、「縁モ愛」と彫り込む。
鳥取空港や道の駅など市内約10カ所のほか、インターネットでも購入できる。問い合わせは池原工業(0857・82・0794)へ。
2010年11月21日