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中国で新卒争奪戦 日本企業、「負けず嫌い」求める(2/3ページ)

2010年11月21日0時0分

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写真:日本の企業が開いた中国の大学新卒向け集団面接会では、大学生が熱心に事業説明や採用条件を聞いていた。この後、個別ブースに移動し、個人面接が始まった=上海、奥寺写す日本の企業が開いた中国の大学新卒向け集団面接会では、大学生が熱心に事業説明や採用条件を聞いていた。この後、個別ブースに移動し、個人面接が始まった=上海、奥寺写す

 リクルートの上海現地法人で面接会の責任者、伊藤純一さんは、中国人学生の人気が高かった背景を「日本企業の中国現地法人は欧米企業より給与が安く、優秀な人材の確保が難しかった」と説明する。現地法人採用だと企業のトップにはなれないとも見られがち。それが、今回は給料が高く、昇進もできる本社採用なのでたくさん集まったとの見方だ。

 一方、企業の方は、三井住友銀行やみずほフィナンシャルグループ、キリンビールやコニカミノルタなど22社が参加した。各社とも人事権限のある責任者が現地入りし、数日間の面接で内定を出すスピード勝負の会社もあった。

 参加料は1社100万円。さらに1人採用するごとに110万円支払う契約。決して安くないが、リクルートは「日本の10倍以上、630万人もの新卒の中で競争に勝ち抜いてきた人材から選べる」と価値の高さを強調する。

 上海の面接会に臨んだ玩具大手タカラトミーは「あまりに優秀。日本の学生より自分のキャリアアップの計画が明確で、上昇意識がある」(福元紀哉人事室長)との理由で、予定の2人を上回る3人に内定を出した。同社は将来新卒採用の半分を外国人にする計画があり、「中国人の採用が増えれば、その分日本人の枠が少なくなる」と話す。

 中国の学生も、チャンスととらえる。復旦大日本語学科4年の女子学生(22)は「日系の現地法人の給与は3千元(約3万7千円)程度だけど、日本だと初任給が約20万円と全然違う」という。本社採用なら責任ある仕事ができるのも魅力と言い、「同級生はみな米国、英国で就職する。私も海外で働きたい」。

 メガバンクの面接に参加した上海の同済大日本語学科4年で、週末は復旦大で国際経済も専攻する徐爽さん(21)は、「外国人を採用しようという気持ちが伝わってきた。日本の企業文化も変わってくるんじゃないか」と期待を込める。

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